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エイリアンズゲーミング  作者: 春木千明
フリークダンス杯編

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第54話【VSペロリスト4】

 エイリアンズは高台を放棄して地上戦へ移行した。ポイント近くの噴水と、通路として使える通称『マーケット』に前線を置いた。マーケットは攻撃側のルートとエリアの真横に出入口が通じているため、最短で攻め入ることのできるルートとなっている。


 ももちもちなが率いるペロリスト本隊は、最短ルートでエリアへのアクセスを狙う。だが、マーケットにも欠点がある。


「熱っっっつい熱い熱い熱い! バックバック! いったん後退(バック)!」

 もちなのコールに合わせてペロリスト本隊は通路から距離をとった。


 マーケットの通称は、その名の通りスーパーマーケットの空間から来ている。身の丈に少し足した程度の天井に、実寸よりかは狭く作られた部屋としてのオブジェクト。壁がある分、被弾を抑えるように立ち回ることもできるが、小さな出入口は狙われやすく集中砲火を受けやすい。


 そこにトリガーのスキル『炸裂魔法』を一つ放り投げるだけ。それだけでこの通路を使おうとしているメンバー全員が延焼ダメージを受け、チーム全体のHPがゴリゴリと削られるのだ。

 マーケット出入口とそばの噴水からの通路を閉ざすように、リッカーが門番をし、その後方ポイント後ろの門の上からウォーカーが火力支援をしていた。


『延焼ダメージでシールド割れちゃいましたねもちなさん。ここは一旦回復のために足を止めます』

『こういう狭いところで炸裂魔法は効きますね。ウルトチャージがみるみる増えていって気持ち良いですよこれ!』


 この盤面において、エイリアンズはエリアが小さいながらも撃ち返しの用意として他にホークアイの『ヒールグレネード』も存在する。このまま続けてもエイリアンズは優勢であることは変わらない。

 それを解決するためにペロリストはどうするか?


「ワンピックとるからちょい待ってな」


 リスポーン地点から移動を終えたバジリコはイギリスの四階建てのアパートメントを模したオブジェクトに近づいた。身の丈をはるかに超える煉瓦作りの建物を見上げると、霧の町をイメージしたように霞がかった夜空の中、月光がじんわりと降り注いでるように見える。


 決してそれは試合中に余所見をしているわけではない。

 視点を合わせていたのは、高くそびえる壁と、その先に見える小さな屋根の先端だ。


 バジリコの使うホワイトウィングが手を上へと突き上げると、左手に装着していた籠手からワイヤーが射出され、次の瞬間その身体は宙へと放り投げられた。



 背の高い建物が立ち並ぶロンドンの街中。

 その屋根達を超えた中空で、スコープを覗き込む。

 狙うのはたった一瞬。

 身体が上昇しきって、落下へと変わる前の滞空をした瞬間だ。



 シパァアン! と鞭打つような発砲音が響き渡る。

「一枚やった」

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