第49話【フリークダンス杯 開幕式2】
フリークダンスカップ本戦が始まると、ファン達はそれぞれ好きな配信者達の放送を見にいく。
そこに公式配信の枠を横に並べて見る者もいれば、複数の配信者を応援しているため四つ並べる者、最終的には全チームの配信を三つのモニターとタブレットにスマートフォンを加えて観戦する者もいた。
倉本夏海もその一人だ。
バイトを終わらせてきた彼女はアパートに帰ってくるなりすぐにPCを立ち上げた。
「ヤバもう二〇分経ってんじゃん! 今日は最初から見たかったのに~」
PCが起動するまでの少しの時間の間、パッパと部屋着に着替え、コーヒーと菓子を用意して、デスクの前に飛び込んだ。
幸いにもまだ試合は始まっていない。開会式における最初の挨拶、スポンサー紹介がちょうど終わったころだった。
「おっ、セーフ! まだ挨拶の途中だ!」
『さぁ! それでは今回のゲームと大会ルールについて説明していきましょう』
実況のジャックナイフタムラが映像とともに説明を開始した。
『ベータリンクス』は盾役、火力、支援の三つの兵科に分かれて五人対五人で戦う。
それぞれ固有のスキルと武器を使うヒーローシューター系の一人称視点射撃ゲームだ。
ルールには陣地占領、護送車誘導を採用。
予選は全チーム一回勝負の総当たり戦。上位と下位チームでそれぞれ順位決定戦を行う。
『いやぁ、今回はベータリンクですかフリークダンスカップ。ここまで大きな放送ができるなんて嬉しいですよ』
『そうですね。日本でEスポーツが発展してきた証拠じゃないですかね』
『まぁ僕は、今日はただのEスポーツ大好きおじさんとしてやらせてもらいますよ。もう、公式大会だとできないくらい楽しむことにします』
『梅木さん。見えますかあの画面右上あたりなんですけど。今回は私たちにもおなじみのスポンサーさんが参加してくださってます』
『あっ! っすぅぅ……はい! 真面目に頑張ります!』
『よろしくお願いします。それではチーム紹介をしていきましょう』
チーム:ハレモノ
TANK:マッコイ
DPS1:鷲宮イグル
DPS2:シラカバ
SUP1:犬飼ドッゴ
SUP2:牛久保ビーフ
大会についてヒトコト:みんなに介護されてガンバリマス
『これはマッコイさんのコメントですかね』
『若い世代に囲まれてますからね。ちなみにチーム全員の登録者数を足すとこのチームが一番多いです』
『期待十分。注目度の高いチームと言えるでしょう』
チーム:エイリアンズ
TANK:Ricker
DPS1:メイ
DPS2:Walker
SUP1:Akari
SUP2:Necopride
大会についてヒトコト:全員倒す。リッカーがそう言ってました
『今回は新メンバーが参加しているようです』
『スクリムは最初不調みたいでしたが、先週から調子出てきてましたね。まあそれはエイリアンズの恒例みたいなところありますから』
『元世界三位、MVPプレイヤーのリッカーはタンクでもキャリーできるのか』
チーム:ペロリスト
TANK:ももちもちな
DPS1:Basilico
DPS2:A2C
SUP1:ソーマ
SUP2:デジ男
大会についてヒトコト:女が車を押せ
『えーっと、この中で女性というとタンクのももちさんですね』
『あははは! 僕こういうジョークすっごい好きなんですよ』
『加えてここはOTPのチームです。ベータリンクスの魅力を伝えてくれることでしょう』
チーム:フリークダンス
TANK:kaijuX
DPS1:Kureha
DPS2:Olga
SUP1:ボルタン
SUP2:ZEN
大会についてヒトコト:エイムで語ろう
『今大会一番の優勝候補です。別タイトルではありますが、バーテックス現役プロプレイヤーが三人います』
『破壊力については間違いなくここが一番でしょう』




