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エイリアンズゲーミング  作者: 春木千明
フリークダンス杯編

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第48話【フリークダンス杯 開幕式】

「さぁ! 皆様お待たせしました。全国二五万人の登録者様お久しぶりです。今シーズンもやってきましたフリークダンスカップの開幕となります!」


 週が明けて試合当日。公式放送が始まった。

 公式放送は、プロゲーミングチーム『フリークダンス【公式チャンネル】』で行われる。

 フリークダンスは自身の公式サイト内で「たかがゲーム、それでもゲーム」というキャッチコピーを掲げており、その言葉に恥じないくらいに複数タイトルでゲームのプロシーンに参加し結果を残している。


 そしてオーナー自身がゲームに対する熱が高いあまり「コミュニティ大会とはいえ、人々に見てもらうのなら最高にかっこよくしたい!」という要望があり、地上波のスポーツ中継と遜色ないレベルの放送が実現されていた。


「本日の実況は私ジャックナイフタムラと」

「解説の梅木です。よろしくお願いしまーす!」

「よろしくお願いいたします。」


 そしてそれを見守っている者がいた。フリークダンスのオーナー、橘紫苑(たちばなしおん)である。

「まだ放送し初めで視聴者一万二千人! やばい! 今日もイイ感じかも!」

 パステルパープルに染めた長髪。垂れた目元の泣き黒子。引き締まったスタイルを強調させる黒いタートルネックにジーパン姿をしていた。

 橘紫苑は自チームの事務所の巨大なモニターを使って観戦していた。


「社長……ゲームの試合に実況と解説までつけて、そこまでやる必要あるんですか?」

 そのそばにはチーム運営担当を任されている眉間にしわが寄った白髪交じりの男、綾辻祐樹(あやつじゆうき)が同席していた。年齢は今年で四六歳。ゲームに関しての知識やスポーツは全くの専門外だったが、紫苑の経営するアパレルショップでの営業手腕を見込まれ、数か月前に半ば強引に連れてこられた経緯がある。


「もちろん! だってコッチの方がテンションあがるでしょ?」

 楽しそうに語る紫苑だったが、祐樹には実感がわかなかった。

 それを察した紫苑は、続けて説明する。


「Eスポーツもリアルスポーツもやってみないと難しさが実感できないし、何がすごいのかは教えてくれないと分からないでしょ? でも実況解説がつくとどれくらいすごいのか雰囲気が伝わるでしょ? そうすれば選手のみんなの頑張りが伝わると思うから。だからここは妥協しないって決めてんだ☆」


 非日常を体験できるというところがゲームの優れている点だが、それを試合というレベルで見ようとするとそれ相応の知識を必要とされる。

 練習をして技術を高めようと思わなければ、リアルスポーツであろうとEスポーツだろうと、『あそび』という枠の中で留まってしまう。それを払拭する入口の一つが実況と解説だと紫苑は考えていた。


「伝わり、ますかね……?」

「イケるイケる! だってあたしが信じてる☆ ゲームは面白いしカッコイイんだって。趣味がゲームはダサいなんて時代はもう終わったんだって、見せてやるんだ!」


 祐樹にその言葉の全てを理解することはできなかった。だが、彼女の本気は伝わっていた。

 遠く彼方の星を見るような輝く瞳。そこには一点の曇りも見当たらない。

 必ず叶うと信じて疑わない、彼女の想いの表れだ。

 Eスポーツのことは良くわからないが、その瞳を信じることは彼女と出会った時に決めたことだと再度思い出した。

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