第5話【エイリアンズの刺客】
どうしたものだろうと進は悩んだ。
「え、これあの口悪いサポさんだよな」
一人でゲームをしている時、野良からフレンド申請が届くこと自体は珍しいものではないし、基本的に断ることはしない。
オンラインになってる時、たまにボイスチャットを繋ぎながらゲームをすることもある。
だが相手は二試合通して実感した度し難いトキシックだ。
ゲームを楽しむことを大事にしている進からすると、敬遠したいところではあった。
敬遠したいところではあったのだが……
「この人、絶対上手いんだよなぁ〜」
個人が相手チームに与える影響が少ないこのゲームに置いて、強い味方が多いことはこの上なく有難い。
もちろん化け物じみたエイム力があれば、一人であっても敵をボコボコにする事ができるのだが、なかなかそういう人物は少ない。
進自身もその類の人物ではない。
ましてやサポート役はその役割故に、回復奴隷とまで言われるほどに雑な扱いをされる。
メンタリティの強いサポートの知り合いは多い方が火力役にとっては嬉しいところだった。
「よし。ヤバかったら即フレンド切ろう。それで良いじゃないか」
『akari』からのフレンド申請を受け入れた。
「今日はもう寝よう。なんか濃い試合ばっかで疲れたわ」
その晩はぐっすりと眠りにつく進だった。
一方、暴言サポーターアカリはその日のゲームの振り返りをしていた。
リプレイ機能を駆使して、味方視点、敵視点、神視点など様々な角度で試合を振り返っていた。
「っていう感じでトロールタンクがいたんですけど、もうボッコボコにしてやったんですよ。きっと今頃枕を濡らしてるに違いないでしょう」
通話アプリを使って話をしながらアカリは楽しげに言う。
「勝つのはいいけど暴言はダメでしょ」
諭すように女の子の声が帰ってくる。
「暴言は言ってないですよ、本当のことしか」
「人によってはそれが暴言になるの。それに他の野良の人もいたでしょう?」
「まぁ、それもそうですけど……俺だってキツい事言いたくないですよ! でも楽しい俺のゲームを先にぶち壊した奴をそのままにしておくのは腹が立ちました!」
「チームワークができて勝てたのは良いけど……はぁ。本当はいい奴なのに、もったいない」
「いいすよ別に、『みんな』に好かれるなんてありえない。クーさんとか、本当に好きな人達が理解してくれてるならそれでいいんです俺は」
「はぁ、本当にもったいない」
通話先の女はどこか嬉しそうにため息をついた。
「ところでこの子めっちゃ上手いと思いませんか?」
リプレイ画面を共有しながらアカリは言う。
「たまたま二試合連続で当たったんですけど、まぁヘッショが多い。ラッシュの合わせも完璧だったし、ダイブしてきた奴らを潰すのも早い」
そこにはウォーカーの名前が載っていた。
観戦画面には、甘い詰めや体を晒す敵の頭を撃ち抜き敵を狩る姿が映っていた。
ダメージ量もチーム内トップを獲得している。
「珍しいね。アカリがそこまで褒めるなんて……もしかして勧誘するつもり?」
「ちょうど、あと一人探してたところなんですよね。今度の大会に使えそうな火力役を」




