第43話【侵略開始9】
予想通りだ。
こちらのウルトに合わせて撤退をしながら耐えて時間を稼ぐ。HPが少なくなったタンクにホークアイのウルトを当てて即時HP回復と火力強化、ダメージカット付与をさせて再度耐えのターンに持っていく。
占領ポイントは八七%を超えた。守るだけで勝利を確定させられるこの条件下においてエイリアンズの動きは冷たく、手堅く、不動だった。
そこでマッコイが指示したのはトリガーのウルト『魔人召喚』を敵の後衛に向けて設置することだった。
【やっちゃいなさい。ジン!】
トリガーの発声とともに敵後衛の最奥から青い巨漢の魔人が顕現した。
タンクキャラと見間違うくらいに大きな巨体のその背後に、紫色の魔方陣を展開させると、そこからマシンガンのように魔力を帯びた弾丸を掃射し始めた。
突然背後から現れた攻撃手段に対して、本来ならばタンクがシールドを張って味方の被弾を抑えるべきなのだろうが、現在そのシールドは完全に破壊され、再展開に六秒間は時間がある。
リッカーが後衛のカバーができなくなるよう、この場で食いとどめることができればチャンスが生まれると考えた。
しかしエイリアンズのサポート組は至って冷静だった。
いち早く対応をしたのは、ネコプライドが扱うホークアイだ。脊髄反射のごとく、自身の背後に現れたジンに対してスキル『スタンバレット』を当ててその行動を停止させる。
魔人召喚の起動時間は一〇秒間。その内の五秒が停止させられてしまうことになる。
それも予想通りだ。
選択肢としてプレイヤーに当てるか、ジンに当てるかの二択だった。
「マッコイさんスタン使った!」
どちらを取られても攻撃をしなければいけないことには変わらないし、相手にスキルを使わせることができたことが大切だったからだ。
「そのまま撃てる奴全部撃っちゃって!」
「おーけい撃ちまーす!」
イグルはさらに敵陣の奥へとスキルを使って跳んでいく。
スコープを除いて冷静に、ホークアイを狙い撃ちにしていった。
たまらずホークアイは『ヒールグレネード』を自身に叩きつけて急速回復をする。二つ目の強力なスキルを使わせることに成功した。
「ホークアイグレ使った!」
後衛側は一時的に自身が倒されないように立ち回ったことで、前線側の回復量を減らせることができた。それに気づいたニンジャがイグルに詰め寄ってきて、攻撃を仕掛けようとしてくる。
いったん欲張らないようにとスキルを足元で展開させ、壁の向こう側の自陣に帰っていく。
ちょうどそのころ、ジンのスタン効果が切れて再度攻撃を開始した。




