第38話【侵略開始4】
この作品の他、前日譚として作った文庫本1冊分の作品『サラシナデイズ』も公開中です。
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〈エイリアンズ〉
タンク:アームズ
DPS:ガンマン・ブギーマン
SUP:フロッガー・ホークアイ
〈ハレモノ〉
タンク:アームズ
DPS:トリガー・コマンダー
SUP:フロッガー・ホークアイ
両者ともにコンセプトはラッシュ構成。
タンクとサポートラインは全く同じキャラを採用していた。
近距離で火力を出すタンク同士が睨みを効かせ合いながら、集団でそれをサポートするように立ち回り、隙があれば一気に畳み込み、各個撃破していくという戦い方だ。
タンクを担当するマッコイは、同じくタンクを担当するリッカーに比べて実力差を実感していた。
射撃能力や駆け引きなど、一対一でやっていたならきっと負けると自覚している。
ここで差が出るのはDPSの構成だった。
ハレモノの採用しているトリガーのスキル『魔力波』は視点方向に対して、自身含めノックバックを起こす衝撃波を発生させる。これを応用し、下方向にスキルを放つことで上方向にノックバックを誘発させて高所をとることができる。
そして中距離でも安定して火力の出るライフルを使い、上から射撃を行うというのがセオリーだ。
エイリアンズのDPSは移動能力がないガンマンと、テレポート能力があるが近距離でないと火力の出ないショットガン攻撃をするブギーマン。
ラッシュ構成の苦手とするポークの出きるキャラを入れることで、エイリアンズに対して有利をとっていた。
展開は以前と変わらずタンク同士が互いの射程距離に入ったところでファイトの号令が始まった。
今回は占領戦ルールであり、護送車ルールの攻防戦のように地形格差は存在しない。
試合開始時点では互いにウルトがチャージされていないため、チームのファイト力が試される。
最初の当たり合いはエイリアンズの勝利で収まった。
リッカーに加えてバーテックスの元プロであるメイの中距離からの支援放火が加わり、純粋なエイム勝負が展開された。この点についてはエイリアンズの大きな強みであり、占領戦ルールでの初動の戦いはどのチームに対してもウルトなしであれば勝率が高かかった。
だが、それだけではこのゲームに勝つことはできない。
「今日エイリアンズヤバくないっすか!?」
「マジやばい。リッカーが覚醒してるわあれ」
「先週はアタシらの方が勝ってたのに、なんか今日は上手くいかないなぁ」
「大丈夫大丈夫。まだスクリムだし向こうも負け続けてたんだから、ようやく引き分けくらいでしょ。ほら、リグループして次のウェーブ頑張ろう」
大事なのは時間の使い方。
そして占領ポイントを先に一〇〇まで溜めた方が勝利する。
全てはそのための過程に過ぎない。
エイリアンズは占領地よりも前に前線を引いていた。
リスポーン地点から占領地までの通路は狭く、そこにチームが密集するからだ。
互いにラッシュがコンセプトとなっているため、自然と戦闘距離は近くなるため、占領地に届くまでの距離と時間を稼ぐための合理的な戦法だ。
だが、ここで密集しているからこその問題も出てくる。それが複数人に攻撃が通るスキルや武器の存在だ。
「イグル。どっかチャンスがあったらグレ狙ってくれる?」
「まかしてくださいよー!」
ハレモノのDPS担当、鷲宮イグルが軽快に応える。
イグルはトリガーを操作し、ライフルのスコープを覗きながらそのタイミングを見計らっていた。
ここだ、と心の中で呟くとグレネードを敵陣に向けて放り投げる。
放物線を描いたそれがタンクの背中を通り越して、前衛の頭上に届いた瞬間、ライフルの弾丸がそれを貫いた。
直後、爆発の音と共に火花が散って彼らを包んだ。
トリガーの二つ目のスキル『炸裂魔法』は延焼の魔法を閉じ込めたグレネードを投擲する。そのグレネードは爆発後、被弾した対象に延焼を付与させて数秒間にわたる継続ダメージを与える。
「燃えてる! めっちゃ燃えてる多分二人!」
「オーケイ! 詰めよう詰めようスピブ使って前に行こう!」
イグルの報告が聞こえた瞬間に、マッコイはチームに指示を出す。
フロッガーの移動速度強化スキルが発動し、全員がラッシュの体制になった。




