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エイリアンズゲーミング  作者: 春木千明
2 スクリム編

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20/73

第20話【地雷系元プロゲーマー】

「俺そんなに難しいこと言ってるかな? 安いスキルの使い方をしないで効率よく敵を撃ち続けて死なないように射線を切れって言ってるだけなんだけど。味方と固まって動くだけじゃん。体力なければ無理に撃ち合わずにこっちに顔出してヒールしてから戦えば良いじゃん。大丈夫ですか? 目ぇ付いてますか?」


「違ぁあああああああああう!!!!」


「なんも違くないゲームの理解度が足りないよ」


「うるさああああああああああああい!!!!!」


 本日は土曜日。ウォーカーこと木原進はエイリアンズの面々と共にランクを回しているところだった。

 先ほどから言葉攻めをしているのはもちろんアカリだ。

 相手の嫌がるミスを丁寧に指摘している。これがまたウソではなく、否定をできない事実をつついているためタチが悪い。

 ただ「バカ」だの「アホ」だの「ザコ」だの悪口を言うだけなら「なんだコイツ」と軽く受け流されるのだが、的確に欠点を指摘するため口論が発展しない。


 言われた側は一方的に傷つけられるのみだった。


「あの、リッカーさん。これって大丈夫なんですか?」

「ダイジョブダイジョブ! アカリが反省会やるときはだいたいこんな感じだから」

「毎回こんなん聞かされてたら胃に穴が開きそうなんですけど!?」

「まぁメイも元プロだしこれくらいはねェ~、勝つなら頑張らなきゃ」


 一方的に言葉で殴られてい方はメイという。

 『バーテックスエージェント』というゲームタイトルで元プロをしていた女性のゲーマーだ。

 日本国内の大会でも成績はよく、半年前の世界大会出場をかけたアジア地域大会で惜しくも敗退した経歴がある。出場し始めてからのおよそ一年間は日本代表の枠に残り続けられるほどの実力者だ。


 配信はほとんどバーテックスが多いため、ウォーカーはあまり人柄を知ってはいなかったが、時折YouTubeのショート動画などに流れてきたものを見たことはある。

 顔出しの配信もしていて、黒髪にピンク色のメッシュが入った髪に服装も相まっていわゆる地雷系という印象の強い姿をしている。

 性格は年の割にやや稚拙なところがあり、視聴者や一緒にゲームをする友人達に支えられている印象が強かった。


「おい、さっきからうるせえよ。でけえ声で叫べば問題が解決すんのかよ? 違うだろ? 元プロなんだからそんくらい分別つけようぜ? なあ? 負けるのが悪いって言ってるんじゃねえだろ。負ける理由を振り返らないで何度も繰り返すのは良くないって言ってるだけでしょ?」


「……すみません」


 ちなみに数戦やってみたウォーカーの感想としても、メイはあまりうまいとは思えなかった。

 難点は先にアカリが述べてくれたものが全てなのだが、切り抜きやショート動画を見る限りでも『バーテックス』というゲームタイトルが上手いのであって、FPSが上手いという印象は特にない。


「アカリそのくらいにしないとメイもメンタルブレイクしちゃう。一回休憩しよ?」


 そう提案したのはネコプライドだった。

 ネコプライドはハワイ在住のストリーマーで、ゲームの他に現地の観光名所などの動画を出している。

 金髪碧眼の長身の女性。趣味はサーフィンをすることらしい。

 エイリアンズの中ではゲームというより、そういった日常系の配信が多い人物だったと記憶している。ゲーム配信者というよりはVlogのイメージが強かった。


 ともかく一度、ゲームをする手を止めて、各々トイレや飲み物を取ってきたりなどで席を外していた。


 ウォーカーは特に用がなかったので、そのまま席に残り、みんなが帰ってくるのを待つことにした。

 同様にもう一人残っている人物がいた。

 メイだった。


「……ぐすっ、……ぅう…………」

「……、」


 ヘッドセットに小さなすすり泣くような声が聞こえてくる。

 率直に言って気まずい。入ったばかりの新入りが、人気配信者と一緒の空間に放置されることもそうだが、相手が泣いてる状態であることもまた空気が重いと感じていた。

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