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エイリアンズゲーミング  作者: 春木千明
1 エイリアンズ入団編

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第14話【入団試験7】

 瞳に炎のエフェクトが宿る。

 遠くからでもわかるほどに、大きく燃え上がっている。


 距離は味方のバジュラのウルト、『イノセンス』の効果範囲から離れないように、敵と離れないように歩く。

 幸い、両チームはウルトの押し付け合いの最中で射程距離は十分。

 敵の位置もしっかり把握できている。


 リボルバーの照準を定め、六発の弾丸が撃ち出された。


 一発目は前衛に向けた。

 ウォーカーたちの味方のDPS、『トリガー』。

 射線を広げてワンピックを狙おうとしているところ。

 至近距離まで近づいてそのまま額を貫いた。


 二発目、三発目はタンクと共に行動していたフロッガー。

 地面に降りて射撃戦に参加しているところ。

 胴体を二つの弾が貫き、アカリが倒された。


 四発目はもう一人のサポート、『ブレイヴ』。

 最初の一発がスキルの『スモールシールド』で防がれる。

 だがシールドが割れたところに追加の五発目を額に叩き込む。


 六発目は近くにいたタンクのアームズに向けた。

 その一発で倒せなくても、二一〇ダメージはタンクのHPの三分の一を削る。


 ウォーカー達のチームにはサポートがいなくなっている。

 回復力のない残り二人に対して、五人でかかればこのウェーブを取れるのは簡単だ。

 おそらく五秒とかからないさろう。


 覆ることのない、当然の結果だ。

 ウォーカー達のチームは再度リグループをし直してから、撃ち合いをしてウルトが溜まるのにおおよそ四〇秒の時間を稼ぐことができる。

 それを何度かすれば、前半の大敗を盛り返すことができるだろうと、敵対するガンマンは考えていた。



 …………こんな時、プロゲーマーのリッカーならどうするか。



 例えば七年前のアジア地域大会の二日目。

 チームはまだ『ボルトシックス』にいたころで、世界大会三位を取った『デルタホークス』に所属する以前の話だ。

 チームメイトにはピピットやグラディウスなどの今を時めくスター選手と同チームだった頃の試合。

 相手は日韓最強のチームである『カルバスQ』だった。


 三ラウンド先取のルールの中、試合展開は両チームともに一歩も譲らずという接戦を繰り広げていた所で迎えた最終ラウンド第五ゲーム。

 リッカー達ボルトシックスは防衛側をしていた時の試合だ。


 ロンドンマップの第三チェックポイントで両チームが二個ずつウルトを吐き合って、正面切っての大勝負。乱雑に組まれる射線とそれらをカバーするタンク、全力でヒールサポート対死ぬ前に殺せば実質ヒールのサポートコンセプト勝負が繰り広げられていた。


 その潔いぶつかり合いは、あと一勝で勝利という緊迫感もあってか会場のボルテージが高まっていた。

 実況解説のキャスター陣営も相当な熱が入り、思考に舌が追い付かないような勢いで言葉を絞り出していた。


 カルバスQがその手数で相手のタンクを最速で落とし、そのまま流れるようにサポートやDPSを駆逐していく流れが始まったところ。


 それを覆したのがリッカーだった。


 意気揚々と押し寄せてくる集団から少し離れるように、遠距離火力役として徹底していたリッカーはガンマンのウルトを発動させると、六発中四発のヘッドショットを決めて人数不利を返していた。

 

 画面では敵のキャラクターの頭がほとんど『点』にしか見えないようなサイズ感だったが、それらを全て捉え、残る味方と共に反撃をして取り返すという試合展開をして見せた。


 試合終了後、キャスターからのインタビューにて。

「リグループをしてから戦い直すという選択肢もありましたが、何故ウルトの発動を選択したのでしょうか?」という質問に対してリッカーはあっけらかんとしたような声でこう答えた。


「俺は勝てるからねェ」


 そういってのけていたことを思い出した。



【――――俺の鉛弾にキスをしな】



 だから、きっと。

(リッカーさんなら、こうする)

 ウルトの発声と共に、ウォーカーが操るガンマンの瞳に炎が宿る。

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