第10話【入団試験3】
第一チェックポイントを占領すると、護送車が出現する。
この車を第三チェックポイントまで運んでいくのだが、護送車は近くに攻撃側メンバーがいないと進むことができず、また防衛側メンバーが近くにいると止まってしまうシステムになっている。
護送車は最短ルートで走るように設定が組み込まれてるため、マップの中央を走っていく。
なんとも堂々としていることか。本当に守られる気はあるのか? と疑いたくなるところではある。
このルールで唯一の救いがあるとすれば、護送車事態に耐久値が設定されているわけではないところだ。
そんなルールがあれば、対人ゲームとしての楽しみが薄れてしまうだけでなく、守ることに必死になると神経質になってしまうとウォーカーは思っている。
第二チェックポイントまでの道も直線が多いが、今度は裏路地などが追加され逃げやすさと裏取りがしやすくなった。
だが最初の関門は護送車が出てからすぐある。
まず初めに護送車はスポーンしたすぐ近くの門をくぐって前進する。
その際、すでに展開されている敵の陣形から集中砲火をくらいながら進んでいくため、ダメージトレードが発生する。
リッカーはシールドを張ってダメージを防ぎながら前進をしていき、他のメンバーはリッカー自身を盾にしながら無駄な被弾をしないように一緒に進んでいった。
ちなみに耐久値が存在しない護送車を盾にして進んでいく場面もある。どちらかというと装甲車のような扱いを受けていた。
「じゃあ最初は右から狙おうかなァ」
「オーケイ右ね。ウォーカーくん、次ブーストたまったら右の道に展開してる奴らに勝負しに行こう」
「了解です」
「リッカー。一瞬離れるから無理しないようにね」
「オーケイお願いね」
スリーツーワンとカウントダウンをすると、アカリは『エンジェルビート』を移動速度支援に切り替えた。
それに合わせてウォーカーも移動を開始した。
待っていたはDPSが一人だけ。孤立している状態だ。
ウォーカーはリボルバーで射撃を始めていくが敵はまともに撃ち合うことなく逃げていこうとする。
「あいつ逃げてきますね」
それを追いかけるようにウォーカーは追撃を始めた。
小道を走り抜けながら敵は本隊に合流する。そこは護送車の真正面に当たり、リッカーを迎撃していた。
(正面三枚、タンクもいる。ちょっと不利になったな……)
「こっから先はちょい待ったかな」と、アカリが言う。ここがデッドラインだ。
これ以上深入りすれば敵の本隊がこちらに流れこんでくる。
そうなれば人数不利が生じ、こちらが負けるのは容易に見えていた。
だからウォーカーは距離感を保ちながら射撃を開始しゆさぶりをかける。
当然敵もそれを承知でこちら側に射撃を入れて牽制を図る。
チャンスがあればいつでも殺すという気が感じられた。
敵のタンクの知略的なところは、ウォーカー達の方にシールドを張って射線を一本切っていた。
DPS一枚がシールドを破壊するには時間がかかるため、その間人数差が生まれ、こちらからワンピックが生じやすくなるからだ。
「そろそろ車が届くよォ~死なないようにねェ」
そして本格的に二度目の当たり合いが始まった。




