部活
あの地獄の時間を過ごした後、私は眠気に襲われ勢いづけてベットに潜り込み、そのまま眠りについた
推しの声に設定したアラームがなり、私はその声にすこし惚れながら起きたが、素直にその声がいいと感じることが出来なくなった
陽キャになるためには推しから暫し離れなければならない
たとえそれが、美しい声だったとしても
私は迷いながらもそのアラームの音を普通のものに変え、
(まったく…今までの中で嫌な朝だったのかもしれないな)
と、そんなことを考えながらそのまま支度して学校へ小走りで向かった
私はいつも通り授業を受け終え、そのまま帰るつもりだったが、
(…今日部活あるじゃん)
そう、こんな私でも一応部活には入っているのだ
とは言えどもちろんサッカー部などの陽キャが集まるような暑ぐるしい部活ではない
ましてや、茶道部や書道部などといった陰キャが陽キャにやってるところを見られるとギャップ萌え〜みたいな出会い系部活(ど偏見)みたいなところでもない
私が入っているところは…
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「あっよろしくお願いしま〜th …」
私がと軽く挨拶をすると、
「あ、よかった来てくれた〜もう辞めたのかと思ったよーほらほら、あんたの絵を見たくてしょうがないから
〜そこにモデルがあるから水彩スケッチして!」
と小走りでこっちに向かってきながらそんなことを話し、そこにある皿の上にあるリンゴとバナナのモデルを指さした
…そう、私が入っているところは美術部だ
至って普通の美術部だ
放課後は時間と心の余裕があれば行くが、最近は文化祭があってか美術部を見学する人が多くなった
今日はそんなことは無さそうだったため、スラリと入れた
「もおーいくら人が多いの苦手だからってそういうのは先輩が悲しむからやめて欲しいねー?:)」
「す、スァセンシタ…」
先輩としての圧を感じる
この人は花咲マイ先輩で、私から見るとかなりの陽キャだ
みんなと仲良くできるし、勉強は私までとはいかないがそこそこできるし、運動も本気になれば平均の男も越せる
そんな先輩がなんで私と絡めるのか
正直私は陽キャという存在は苦手だ
陽キャを目指してる私が言うのもなんだがあの勢いが苦手だ
じゃあなんで陽キャを目指しているのかというと、友だちかほしいからだ
私からするとコミュ障脱却すればもうそこで陽キャだ
つまりはみんなから見る一般人だ
そんな人に私はなりたい
話を戻して、なぜこんな良い先輩と私が絡めるのか
それは彼女は私の先輩であり、幼なじみでもあるからだ
正確には覚えていないが小学生のころからコミュ障だったが、そのとき唯一話しかけてくれた相手が先輩だったからだ
それ以来、私はコミュ障でありながらこの先輩に話せるのだ
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「…ふぅ…終わりましたよ」
そんなことを言って先輩のほうに顔を向けた
「おっできたできた〜?」
と犬のように小走りでこっちに向かって、私の作品を見た
「おお〜…相変わらずチーターだねwなんかもう凄すぎて笑うしかないよww」
と嬉しいことを言ってくれた
正直久しぶりに絵を描くため、ほとんど感覚で書いたが満足してくれてよかっt(((
「ところでさ、これ、久しぶりだよね?:)」
「ェ…?」
またあの圧だ…
「だっていつもの癖出てるよー?無駄に影をつけすぎ〜」
「ア、スミマセン…」
謝ることしか出来なかった、この先輩はいつも私の本気の作品を欲したがる
とんだ欲望だ
「…次からどんなことがあろうと絶対に部活にくること!」
「…ゑ?」
素っ頓狂な声が出た
仕方がないだろう
今まで自由度高かったあの美術部が
先輩の見えない力によって束縛されるところと化したのだから
「返事は…?:)」
「…ハィ…」
その時私は拒む勇気すら出なかったためイエスマンと化していた
……最悪だ
スライドお疲れ様っす