第四百二話 援軍到着
学校の中に次々入ってくる憲兵隊は、五百人位いるのだろうか。
全員が中に入るのに少し時間がかかった。
銃を持っているのは百人程度、俺達の囲みの最前列に並んで銃をかまえている。
「ふうぉぉぉぉ。ふぁ、八兵衛! やばいぞぉー、銃を、銃を持っているーー。銃を持っているぞおーー!! ふぉぉぉぉぉ……」
黒いアンナメーダーマンの残虐大臣が震えて、今にも腰が抜けそうだ。
「ひゃははは、一人腰抜けがいるじゃねえか。いまなら許してやる。物資を置いて逃げて行け。銃弾もこれで、結構貴重なんだ」
「お、おい、八兵衛! 許してくれるそうだ。逃げよう。物資より命だ。逃げるぞーー!!」
残虐大臣が、俺の服を引っ張る。
「隊長さん、悪いなあ。ご婦人方が人質のうちは、食べ物を置いていくことも考えていたのだが、人質がいなければまた話が違う。ここの食糧を、市民に配ってくれると約束してくれるのなら喜んで渡す。政府の上級国民が独り占めするというのなら渡すことは出来ない。まあ、そう言うことだ」
「はあーーっ!! てめーらは、この状況がわかっていねえのか。てめーらが条件を言える立場にはねえんだよ。お前達は泣きながら命乞いをするだけの立場なんだよ。ふざけるなーーーーーー!!!!!!」
パアアァァァァーーーーーン
銃声が響いた。
「ば、ばっきゃあろーーっ!!!! 誰が引き金に指をかけていたんだーー!! 撃たねえときは、指を引き金にかけるなといつも言っているだろうがーーーー!!!!」
どうやら、誤射のようだ。
「ぐっ、ぐああああぁぁぁぁ!!!! やられたーー!! ……????」
弾丸は黒いアンナメーダーマンの残虐大臣に命中したようだ。
黒いアンナメーダーマンは両膝を地面につけて崩れ落ちた。
「ひひひひ。まあ、しゃあねえか。可哀想に一人死んじまったか。ひひひ」
憲兵の隊長は崩れ落ちた、黒いアンナメーダーマンの姿を見て笑い出した。
「は、八兵衛! 何だこれは、なんなんだこれはーーーー!!!!」
黒いアンナメーダーマンの残虐大臣は、ゆっくり立ち上がると人差し指と、親指でつぶれた弾丸をつまんで俺に見せた。
「ふふふ、アンナメーダーマンに銃弾は効きませんよ」
「なっ、なにーーーーっ!!!! は、八兵衛ーー!! それを早く言わんかーー! ふふふふ……」
さすがは残虐大臣だ。銃弾が効かないとわかると急に強気になったようだ。
「八兵衛さーーん!!!!」
空から声が聞こえた。
「なっ、なんだあれは? 鳥か? 飛行機か?」
憲兵の隊長が空を見て叫んだ。
部下の憲兵達も空を見上げた。
今日の空はいちだんと青くて美しい、雲も真っ白だ。
「ふふふ、あれは、アンナメーダーマンですよ!!」
「なっ、なにーーーーっ!!!! アンナメーダーマンは空を飛べるのかーー!?」
黒いアンナメーダーマンの残虐大臣が驚いている。
「当たり前です。飛べますよ」
「ク、クザン、俺も飛ぶぞ!!」
黒いアンナメーダーマンが垂直に猛烈な勢いで飛び上がり、ぎゅんぎゅん旋回した。
「ぎゃああああーーーーーー!!!! やめろぉぉーー!!!! もおいいーー!!!! こわい、こわいこわい、こわい。こわいいぃぃぃーーーーーー!!!!!!」
クザンは楽しくなったのか、すぐにはやめずにしばらく旋回してから着地した。
「ひいいいいぃぃぃぃぃーーーー!!!! クザン!! もう二度と飛ぶんじゃねえぞ!!」
着地した残虐大臣は、ガタガタ震えて内股になっている。
まともに立てなくて、まるで生まれたばかりの子鹿だ。
「ぎゃはははははははーーーーー」
それを見ている全員が爆笑した。
そういやあ、この大臣スピード恐怖症だったような気がする。
「八兵衛さん、なんですかその楽しい人は?」
空を飛んできたのは信さんとスケさんとカクさんだった。
俺は、小さな声で三人に函館で捕まえた賊の親玉と教えた。
「うおおーーっ!!!!」
憲兵達がざわめいた。
だろうなあ。
この三人が来たと言うことは、あの三人も来たはずだ。
三人の女性アンナメーダーマンが降りてきて、わざわざステージの上に降り立ったのだ。
一人はめちゃめちゃ胸がでかい、その三人がステージの上でフワフワスカートをひるがえし、大人なスケスケパンツを丸出しにしているのだ。
「ふふふ、八兵衛さん、どうかしら? 丁度いいタイミングだったみたいね」
古賀さんがステージの上で言った。
「ぐぬぬぬぬぅぅーーーー!! なめやあがってぇーー!!!! 全軍バカ共をぶっころせーー!!!!」
隊長が叫んだ!!
「おおおおぉぉぉーーーーーっ!!!!!」
配下の憲兵隊の声が轟いた。
そして、銃撃の音が響く。
「うわあああああああぁぁぁぁーーーーーーーー!!!!!! バッ、バカ野郎ー!! 反対側の奴は撃つんじゃねえーーーー!! バカなのかーー!!!! 当たるだろうがーー!!!!」
憲兵隊の隊長の足元に銃弾が飛んできて、ぴょんぴょん跳びはねている。
丸く囲んでいるのだから、全員が撃ったらそりゃあそうなるわな。
だが、奇跡なのか同士討ちにはならなかったようだ。
さすがにアンナメーダーマンが十一人もいたら、みるみる憲兵達が倒れて立っている者がどんどん減っていく。
「なーーーーっ!!!! な、何なんだお前らはー!! なんなんだようーー!! くそう!! 覚えていろ!!!! 全軍引き上げるぞーー!!」
「うわあああああああーーーーーーーー!!!!!!」
学校の校舎の屋上から歓声が上がった。
多くのご婦人達が、昇って隠れていたようだ。
「シューパー戦隊ーー!! アンナメーダーマァァーーーン!!!! かっこいいーーーー!!!!」
子供達も声援を送ってくれた。
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