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第三百七十話 金髪のお客様

「がふっ!!」


 海底に体を打ち付けた。

 その衝撃波が海底の砂を円形に巻き上げていく。

 地鳴りのような重い音が後を追いかけた。

 きっと、地震になっているなあ。

 日本でも観測されそうだ。

 ゆっくり体を動かすと、どうやら怪我はなさそうだ。


 俺は、海底をちょんとけって浮上した。

 海上では、敵艦載機は沈黙している。

 海面に、パラシュートとパイロットがぷかぷか浮いていた。


「だ、大丈夫ですか?」


 ヒマリの乗っているジグリオから声がした。

 ヒマリはいつもやさしいなあ。


「あ、ああ。あずさの奴……滅茶苦茶するなあ、死ぬかと思ったぜ」


「アンナメーダーマン!! 無事でしたか?」


 サンダーアメリカがうれしそうに俺を見た。


「おめー、女だな!!」


「はあああぁぁぁぁーーーーー!!!! そんなの見れば分かるでしょう!!」


 あずさが激おこだ。


「えーーっ!! 分からんよ。髪の毛は短くてツンツンだし、顔は美形で中性的だし、胸はねーし、ズボンはいているしー!!」


 だいたい、アメリカ人は全員ボインボインが相場と決まっているだろーがよう。金髪にちいせーおっぱいの女なんていねーだろー。


「最低ですね」


 柳川まで敵にまわった。


「お、おめーはわかったのかよう」


「恐らく分からないのは、大殿だけですね」


 まわりを見たら、全員がコクコクうなずいている。


「す、すまなかったな、サンダーアメリカ。俺が悪かった」


 俺は心から反省してあやまった。

 言い訳するのなら、男だと思ったんだよー。

 その確認をしたつもりだったんだーー。

 女なら、せめてスカートをはいてくれーー!!


「いいですよそんなこと、謝らないで下さい。アンナメーダーマンなら、いつでもさわってくださってけっこうです。うふふふふ」


 少女のようにわらった。


「ひゃはははははーー!!!! いいってさ!!」


 俺は勝ち誇った様に笑った。

 俺の嫌いな笑い方を自分でしていた。


「……!?」


 まわりの連中は全員沈黙している。


「なあ、サンダーアメリカ、なんで日本がそんなに嫌いなんだ」


「えっ!? 日本なんかアメリカ人も、フランス人も、ドイツ人も白人はだいたい嫌っていますよ。好きなのはアニメ好きの一部の人だけですよ」


「えっ!?」


「日本なんて、アメリカの言いなりの植民地みたいなものだし、政治は腐敗しているし、笑いもの以外の何者でもありません。気づいていないのですか?」


「か、海外では、日本はそんな評価なのか?」


「えーーっ?? じゃ、じゃあ日本人は、自分の国をどう評価しているのですか」


「……!?」


 俺は言葉に詰まってしまった。

 政治家がどうとか言いながら、自国に対しては百点満点中、九十一点位付けている。

 底辺で生活させられていながら、最高の国と思っていた。


「まさか、最高の国とでも思っていたのですか?」


 お、思っていたーーーー!!!! まーちがいない!!


「じゃ、じゃあ、聞くがサンダーアメリカはアメリカをどう思っているんだ」


「ひゃはははははーー!!!! アメリカが最高なんだよ。世界一の国だーーーー!!!! 世界はアメリカの前にひれ伏せばいいのだーーーー!!!! はあーぁーはっはっはっはーーーーー!!!!」


 提督が、両手を広げて叫んでいる。

 くそーーこいつ!! アメリカナンバーワンか!

 ……だが、客観的に見るとそうなのかもしれないなあ。

 自分の国がやっぱり一番好きなんだ。いや、好きで良い。

 急に他所の国は好きになれないし、行った事のない他所の国は自分の国より上にはならない。


「うふふ、私も、アメリカに対しては提督とだいたい同じです。でも同じ位アンナメーダーマンを尊敬しています。あの隕石にいましたから、全部目の前で見ていました」


 はーー! なんだこいつ!!

 良い奴じゃ無いか。


「わかった。あずさ。提督と空母、海に落ちているアメリカ人は、アメリカが大好きらしい、アメリカへ帰ってもらおう」


「はい」


 あずさが返事と共にサンダーアメリカ以外を消した。

 恐らく潜水艦と同じ所へ送り届けてくれたのだろう。


「サンダーアメリカ。あんたはどうする。アメリカへ帰るか?」


「うふふ。私は、アンナメーダーマンと行動を共にします」


「えええっ!!!!」


 巨大ロボから驚きの声があがった。

 そんなに驚く事かなあ。

 俺は、密かにサンダーアメリカに日本の良いところを見せて、日本好きに変えてやろうと考えていた。


「柳川、俺達は先に帰る。あずさ頼む」


 あずさに、大阪へ送ってもらった。

 そして、俺は、サンダーアメリカをエスコートだ。

 暗黒の大阪城に案内した。


「す、すごいです」


「ふふふ、おなかは空いていないか?」


 俺が聞いたら、サンダーアメリカのおなかが鳴った。


「は、恥ずかしいです」


 な、なんだー。こいつ、けっこう可愛いじゃ無いかー。

 大阪城天守閣最上階へ案内した。

 俺の後ろに付いてくる四人の美女からは暗黒のオーラがただよっている。

 せっかくのお客さんだから、もっと歓迎してやれば良いのにと思っていた。


「ささ、座ってくれ」


 魔王城の最上階レストランの開店だ。

 サンダーアメリカは、テーブルの前に来ると椅子にすわった。

 最上階の窓の部分を、透明にして外の景色が見えるようにした。

 丁度太陽が沈みかかっていて、あたりがオレンジ色に輝いている。


「とても美しいです」


「ふふふ、君も同じ位うつくしい」


「まあ」


 そういって、サンダーアメリカは頬に手をやり赤くなった。かわいいなあ。

 四人が俺の顔を滅茶苦茶にらんでいる。

 お客様だからしょうが無いだろう。

 あっ、誰かが足を蹴った。どうせアドだな。


「アド、桃井さん、オオエ、いるのなら姿を見せて下さい。一緒に食事をしよう」


 言った瞬間三人が現れた。

 やっぱりいた。


「わお! かわいい猫ちゃん、そしてジャパニーズ忍者ーー!!」


 どうやら、サンダーアメリカには好評のようだ。

 さて、なにからお出ししましょうか。

 俺の腕の見せ所です。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


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