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第二十二話 出発

 買い物が終れば次は食事だ。

 俺たちは、ま○屋へ向った。


「ここは、俺が払うから」


 さすがに、ここでは俺が払う。

 やっすいからね。


「うふふ、安さはうまさだ」


 小声で嬉しそうに、あずさが言っている。


「いらっしゃいませ」


 店に入ると、店員も他の客も全員の目が、あずさに釘付けになった。

 まあ、牛丼を食べるカッコウではないわな。

 視線を感じると、あずさはくるりと回転する

 すると、お尻のスライムの笑顔が顔を出す。


「おおおーー!!」


 店内に気持ちの悪い声が響いた。

 俺は知っているから声を出さないが、初見なら出していたかも。

 おっさんは、すべてロリコンである。しょうがない。


 俺は財布を出して牛丼並の食券を三枚買った。


「あと、お持ち帰り百杯」


「えっ!?」


 あずさが、恐ろしい事を言った。


「隕石でおなかが減ったら食べなきゃ」


 俺と柳川だけに聞こえるように言った。


「お客さん本気ですか?」


 中の女性店員が声をかけてくれた。


「はい!」


「店長、並百杯です。お持ち帰りー」


「みっちゃん、何言ってるのー」


 ここの店員もみっちゃんなのかよー。

 みっちゃん多いなー。


「お客さん、本気ですか?」


 店長が聞いて来た。


「はい!」


「会計はこちらで」


 本気だとわかると、中で会計してくれる様だ。


「とうさん、大丈夫?」


「ふふふ、男に二言はない。今日は五万円持ってきている。心配はいらない」


 ふふふ、五万円あれば何でも買ってやれると思ったら、牛丼しか買ってやれなかった。がっかりだぜ。


「なあ、柳川。柳川ってどんな事業をやっているんだ」


 料理を食いながら柳川に聞いて見た。

 お金持ちの柳川がどんな仕事をしているのか、あんまり興味は無かったけど、牛丼が出来るまで暇なので聞いて見たのだ。


「俺は、都心の歓楽街で飲食店や、風俗をメインでやっていますよ。まあ、ゲン一家の幹部はだいたい同じです。俺はそれと、不動産もやっています。最初は従業員の家を、借りる手続きをしてやっていたんですが、意外と面倒なので、賃貸物件を買い上げていったら、そっちが儲かりだして、最近は不動産の売買も始めました」


「へー」


 自分で聞いといて何だが、興味が無いので生返事になってしまった。


 あずさは、みっちゃんが出してくれるお持ち帰りの牛丼を、次々収納魔法で収納している。

 もちろん誰にもばれない様に足下でこっそりやっている。


「はい、これで百杯です。持って帰れますか……あれ!?」


「うふふ、イリュージョンです」


 あずさはとびっきりの笑顔をして席を立ち、スカートの裾を持ってツンと少し持ち上げた。

 店員も、他のお客もそれで納得した様だ。

 美少女の笑顔は無敵な様だ。

 最後の一袋のお持ち帰りだけ持って、店の外に出た。

 外に出ると、最後のお持ち帰りも跡形もなく消えた。


 その後、あずさの足が寂しいのでニーハイソックスを買って、お持ち帰りのハンバーガーを買ったり、お弁当を買ったりした。もちろんつまみ食いもして楽しんだ。会計はすべて実業家柳川だ。


「たのしかったねー」


 あずさは、今回のショッピングを十分楽しんだようだ。


「柳川、ありがとう」

「ありがとうございます」


 俺が柳川に御礼を言うと、あずさもそれにならった。


「とうとう、お別れの時間ですか?」


「そうだな、一日早ければそれだけ自殺者も減るしな」


「なんだか寂しいですね」


「ちょっと待って下さい。強化魔法をかけます」


 あずさは、柳川に魔法をかけた。

 そして俺にも、自分にもかけた。


「結界魔法か?」


 俺とあずさの体が、薄い光の玉に包まれたので聞いてみた。

 あずさはうなずいた。


「じゃあね柳川さん。元気でね」


「二人も無事帰って来て下さい」


「移動!!」






 宇宙というのは暗闇かと思ったら明るい。

 隕石の上は太陽のおかげか、明るかった。


「あなた達は何者?」


「うわーーーーーーーー!!!!! 宇宙人!?」


 不意に後ろから声をかけられ腰が抜けそうなほど驚いた。

 あずさもそれは同じで、目をまん丸にしている。


「そ、それは、こっちの台詞だ。あんたこそ何者だ!」


「私は、アマチ ミサ、どうぞ」


 ご丁寧に名刺を渡してきた。

 そこには、「宗教法人天地会 教祖 天地海山」と書いてあった。


「あんたは日本人なのか」


「そうよ。そんな事より、こっちの質問にも答えて頂戴」


「ああ、すまない。俺は木田とう、こっちが娘のあずさだ」


「ちがーーーう!!!」


 あずさが怒っている。


「えっ!?」


 俺が驚いていると、あずさは嬉しそうに言う。


「こっちがアンナメーダーマン」


「アンナダメーダー……」


 ミサがボソボソ繰り返している。


「そして、私こそが、アンナメーダーマンのパートナー。アイ、アム、ア、スライムマーン」


 あずさが、ネイティブな言い方で自己紹介した。

 スカートをめくってスライムを見せている。

 そうか、あずさの奴このための、水着かー。

 俺が、アメーバーを名乗るから、スライムにしたのかー。


「アンアスラーマン」


 ミサの奴、耳がおかしいのか、スライムマンだろー。


「えっ!?」


 あずさが驚いている。

 少し驚き方がおかしい。

 目に涙があふれんばかりに溜まっている。


「どうした?」


 俺は心配になった。


「アスラーマン! すごく懐かしくて良い響き! 私、これにするわ!!」


 目に浮かんでいる涙を拭き取ると笑顔になった。

 アスラ、何の事かわからないけど、あずさにとってはなにか、思い入れがある名前なのだろうか?


「あずさ。俺さー、アンナメーダーマンやめようと思うんだ。少し長いし、ださいだろ。なんかかっこいい奴にしたい。こうタイガーマンとか」


「あーはははは、あんたはどう見ても、ピッグとかロースとかでしょう」


 くそー、豚のことじゃねえか。ロースにいったっては肉の部位だろうがー。

 まあ、それは、いいとして地球から何億キロも離れた宇宙になんで日本人がいるんだよー。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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