表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
208/428

第二百八話 アメリカ行き決定

「折角、盛り上がっているところ申し訳ねえが、反対の者はいねえか。いたら留守番を変わってやる。……ちっ」


 反対の方はいないようです。

 ゲン様はそれでも、あきらめが付かないのか、全体をキョロキョロ見渡しています。


「では、俺が想定する敵の布陣と、こっちの布陣を説明する」


 シュウ様は凸型の黒い模型を出しました。

 それを、京都の場所に三つ置きました。

 そして、銀色の模型を、大阪城のまわりに五個置きました。

 その内四つを、京都方面へ向けて移動しました。


「黒い模型は羽柴軍、前田隊と柴田隊、そして浅野隊だ。銀色の模型は新政府軍、二番隊、九番隊、十一番隊、十二番隊だ。このうち十一番隊と十二番隊は装備が悪く、兵士の士気も低い。恐らくこの状態でほぼ互角……いや、これで新政府軍の方の分が悪いと思う」


「なるほど」


 柳川様が言いました。


「今回の木田軍の目標は、ハルラとの対決及び、遊郭から女性の救出だ。よって、まず京都で戦う羽柴軍と新政府軍の後ろを取り、大阪城に移動出来ないようにしたい。この場所へは、伊達、上杉連合軍に行ってもらいたい。最悪、羽柴軍と新政府軍の両方と戦わないといけない。激戦が予想される」


 シュウ様は黒と銀、合計七つの模型の後ろに、青い模型を二つ置きました。その後ろには大阪城と、遊郭があります。

 青い模型が伊達軍と上杉軍ですね。


「残りは、全軍大阪城に当たる。敵は十番隊だが、人数も強さも他とは桁違いだろう。全軍が戦っているうちに、十田家の四人と俺で大阪城に潜入する。そしてハルラを倒す」


「お、おおおおーーー!!!!」


「まあ、当日は色々、想定外の事が起きるだろうが、おのおの方の的確な判断を期待する。なお、総攻撃までは、新政府軍にも羽柴軍にもなるべく気付かれたくない。細心の注意を払って隠密行動で頼む」


「大殿、決戦の時間はどの位と考えていますか」


 美しい顔をした方が質問しました。

 まるで男装の麗人です。


「もちろん、短時間だ。関ヶ原の戦いぐらいだな」


「すると六時間位と言う事ですか」


「うむ、その間を耐えてくれ。羽柴軍とは美濃斎藤家の間で停戦協定中だ、うまくすれば羽柴軍が攻めてこないかもしれない」


「その時は、羽柴軍とは戦わない方が良いのでしょうか」


 今度は、眼帯をした立派な体格の方が質問しました。


「大阪城方面に進まなければ放置でいいだろう」


「わかりました」


「ああ一つ言い忘れた。木田家は……」


「不殺をもって最上とする!!!!」


 シュウ様が言うのをさえぎって、全員が言いました。

 ふ、不殺ですか。戦争で不殺。そんなことが出来るのでしょうか。


「ふふふ、この不殺は、敵を殺さず、味方は敵に殺されずと言う意味だ。全員死ぬ事は許さん! いいな」


「……」


 全員、暗い表情で返事をしませんでした。

 そうですよね。そう言っている本人が死ぬつもりなのですから。

 皆さんの気持ちは、シュウ様に伝わっているのでしょうか。




「うおっ!!」


 シュウ様が驚いてのけぞりました。

 両目が少し飛び出しています。

 何がシュウ様をそんなに驚かせたのでしょうか。

 シュウ様の視線の先を見ると、ゲン様のヒザの上の美少女あずさちゃんでした。


 特に驚くことは何も無いと思いますが何に驚いたのでしょう。

 美少女はとても美しいいい笑顔です。幸せそうな笑顔です。

 御光さえ見えます。この笑顔に驚いたのでしょうか?


「あ、あずさ。子供は参加させない。家で勉強だ」


「はああーーーーーーーーーっ!!!!!」


 う、うわあっ、凄く恐い顔になりました。


「しょ、しょ、しょうが無いだろう。戦争だ。子供の見るもんじゃ無い」


 シュウ様が焦っています。恐怖している様にも見えます。


「……」


 今度は無言で下を向きました。

 顔に影が落ち、表情は見えません、でもポトリポトリと畳の上に水滴が落ちて、黒く跡になりました。


「だ、伊達、そう言えば米沢牛って、どうなった?」


 シュウ様は焦りながら伊達様に質問しました。

 眼帯をした男性は、伊達様だったようです。


「よ、米沢牛ですか。それは、食いました」


 その伊達様が答えました。


「全部食ったのか?」


「はっ、それはもう一匹残らず食いました」


「ふむ、そうか。藤堂! 松阪牛はどうなった?」


「はっ、松阪牛も食いました。それはもう一匹残らず食いました」


 藤堂様まで伊達様の真似をして答えました。

 仕方が無いですよね。

 食べ物がないのですから、食べられる物は全部食べないといけませんからね。


「うむ、ならば牧場は空いているな」


「はっ、はあ?」


 伊達様も藤堂様も質問の真意がわからず、しまらない返事を返しました。


「よし、アメリカのフォード教授のところへ、牛をもらいにいこう。帰りはハワイに行こうかな」


「とうさーーーん!!!」


 シュウ様が言い終わると、あずさ様がゲン様のヒザから、すごい勢いでシュウ様に飛びつきました。


「一緒に来てくれるかな」


「行きまーーす」


 い、いいともじゃないのね。


「行きまーす!!!!!」


 うわあ、舞台の上の美女軍団まで答えています。


「行きます。行きます!!」


 ヒマリと、カノンまで答えています。


「わ、私も行きます!」


 なんだかよくわかりませんが、遅れを取るわけにはまいりません。


「やれやれだぜ、遊びに行くんじゃねえんだけどなー」


 シュウ様は、少し困り顔になりました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ