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第百三十六話 紅白の下着姿の美女二人

「うおっ!!!」


 扉の中を見たゲンと俺は声を出して驚いた。

 ドアを開けるとすぐにカウンターがある。

 奥を見ると大きな机が有りこれが社長専用の机と思われる。

 その机の影で黒服が五人で金属バットや、ゴルフクラブ、鉄パイプなどを振ってカンカン音を出している。


 そして、少し空間を空けて、応接用のソファーとテーブルがある。

 テーブルにはティーカップが二つ置いてあり、一つが半分ほどに減り、もう一つは手を付けていないようだった。


 そして、ソファーに俺とゲンが驚いた原因がある。

 ソファーには女性が寝ていて、上半身が下着一枚なのだ。

 つまり、ぶらじゃー、一枚なのだ。

 しかも巨乳だ。それはもうフージコちゃーんを想像させる。

 顔を、さらさらの美しい髪が覆い隠し、あごのラインくらいしか分からない。でも、そのラインがすでに美しい。

 そうとうな美人を想像させる。


 ぶらじゃーは純白で、美しい装飾が施されている。

 美女なら当たり前にも感じるが、普通なら勝負下着と考えても良いのではないだろうか。

 純白のぶらじゃーに負けないくらい、白く美しいふくらみが、こぼれそうになっている。

 そして、下半身はスカートをはいている。

 そのスカートの中に頭を突っ込んでいる馬鹿がいるのだ。


 俺とゲンが一瞬で部屋の状況を見て把握し、この馬鹿に気が付き驚いたのだ。


「おい!!」


 ゲンが表情は無表情のまま、機嫌の悪い声で言い、馬鹿の尻を軽く蹴った。


「このやろー!! 何をするんだーー!!」


 すごい剣幕でスカートの中から顔を出した。


「うわっ!」


 やれやれだぜ。こんなことなら、猛獣のような奴が出て来た方が何倍もましだった。

 頭がはげ上がり、横には毛があるマフィアのボスのようなおっさんがスカートの中から出て来た。

 その鼻からは、大量の鼻血が出ている。

 俺は、美女のスカートに頭を突っ込んで鼻血を出している奴を初めて見た。

 鼻血を出したハゲたおっさんの顔を見て、また驚きの声を出してしまったのだ。

 俺達は偶然にも美女のピンチを救うことが出来た様だ。


 視線をハゲから女性に移した。

 ハゲが、勢いよくスカートから頭を出した為に、スカートがまくりあがったままになり、ぱんてぃーがチラリと恥ずかしそうに顔を出してしまっている。

 ぱんてぃーが、ハゲの鼻血で赤く汚れているのが見える。

 もとは純白の装飾の美しいぱんてぃーだったようだ。

 俺は、蜂蜜さんにスカートをそっとなおしてもらった。


 どうやら、この鼻血ハゲがボスのようだ。

 映画で見たマフィアのボス、アルカポネのようだ。

 体もでっぷりと太っていて、ダンディーなスーツを着ている。

 長袖から出ている手の甲に、毛がモサモサに生えている。

 頭頂部には毛がねえくせに、こんなところはモサモサだ。

 どうやら、過剰に男性ホルモンが出ているようだ。

 きっと、胸毛もモサモサだろう。


 まあ、スカートを脱がさずに、はかせたまま、ぱんてぃーを見るなんざあ良いセンスをしている。

 ふふっ、俺もやってみたいもんだぜ。

 まあ、女性の同意がもらえないから無理だろうけど。

 こいつみたいに、無理矢理はやりたくねえしな。


「てー、てめー達は何もんだ」


「アンナメーダーマン」


 俺は、間髪入れず返事をした。

 めんどうくせーから、少し早口に機械的に言った。


「はあーーーっ」


 ボスがハゲた頭で、あきれた口調でいった。

 どうせ、聞き取れていないのだろう。

 こんな、奴は放っておいて、もう一度状況を整理してみよう。

 探偵少年コナンドイルのように、あー違うわ。

 シャーロックホームズのようにだ。


 もう一度俺は、テーブルの上を注意深く見てみた。

 ティーカップとティーカップの間に四角い髪が置いてある。


「師純興業株式会社、芸能部、部長……」


 ふむ、どうやら、この女性は、スカウトされてきた女性のようだ。

 こんな世界に芸能人なんかいねーだろうに。

 いや、近くアイドルコンサートもあるぐれーだから、だまされちまったのかな。


 でも、待てよ、ティーカップは二個あるぞ。


「おい、兄弟!」


 ゲンが何かに気が付いた用だ。

 ゲンの視線を見ると、女性の巨乳を見ている。

 やっぱりゲンも、巨乳には関心があるのだなー。

 などと思っていると、胸の谷間に何かが見える。


 東北地図。

 紙が少しはみ出していて、そう書いてある。

 世界広しと言えど、胸の谷間に地図を挟んでいる女など、知る限り一人しかいない。


「すべて、謎が解けた!」


 あの二つのティーカップは、一つはミサが飲んだもの。

 睡眠薬でも入っていたのだろう。

 もう一つの飲んでいない方のティーカップは、恐らくシュラの物だ。

 そして、社長用の大きな机の影でカンカン言っているのは、ミサを人質に取られて、抵抗の出来ないシュラが叩かれている音だ。

 決して、スカートの中をのぞくハゲの、おはやしでは無い。


「はああっ、馬鹿かてめーは何を言っている」


「ふん、シュラ、ミサは俺が守る。お前は何も心配せず、お前を叩く者にお仕置きをしてあげなさい」


「ハイ! マスター」


 ドゴーーッ!!


 シュラは立ち上がると、武器を持つ黒服五人を、掌底で吹飛ばした。

 まったく、シュラといい、あずさといい、俺の真似をして敵は掌底で攻撃をする。

 まあ、女性が拳を使っては、美しくない。

 これで良いのだろう。いや、これでいいのだ。


 黒服五人は壁を壊し、隣の部屋でのびている。

 シュラの可愛いメイド服がボロボロになっている。

 どれだけ酷く叩かれたのか。

 真っ赤な下着が丸見えになっているじゃないか。

 暴れたので、ぶらじゃーの肩ひもが片方切れてしまった。


 シュラは慌てて、胸が出ないように両手で押さえた。

 うーーむ、両手で押さえる仕草がとてもかわいい。

 でも、まてよ。俺は、シュラに純白のエッチな下着を着せたはずなのだが。

 あーそうか。あれは、美術館のレプリカの方だった。


「こ、このやろーー!!!!」


 ハゲおやじが、社長机の裏から巨大な銃を出して構えた。

 銃口は、事もあろうに両手がふさがっている、シュラに向いている。


 やばい!

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