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第百十八話 ハワイで海水浴

「よーし、帰ろうか」


 俺は、皆の食事が終るのを待って声をかけた。


「帰ろっかって、えーーーーーーっ!!!!!!」


 ミサが驚いている。

 全員がその声に気が付きまわりを見渡した。


「わあああああぁぁぁぁぁーーーーー!!!」


 全員が驚いている。


「き、消えている。全て消えている」


 広大なトウモロコシ畑から、全てが消えているのだ。

 あるのは広大な収穫の終った大地だけ。

 地平線まで何も無くなっている。

 当然地平線の向こうまで全て無くなっている。

 フォード教授が目を見開き、少し唇が震えている。


「ふふふっ……」


 全員の驚き顔がおかしくて、少し笑いがこみ上げてきた。


「アンナメーダーマン、隕石の時も驚いたが、音も立てずにこれだけの事を、こんな短時間で成し遂げるのだねえ。いやーー、隕石の時よりも驚いたよ」


 落ち着きを取り戻したフォード教授が静かに言った。


「はーーっ、驚いた。でも、そんなことより、帰るって何。折角泊まりの用意もしているのに」


 ミサが、少し不機嫌に言う。


「そ、そんなことより……」


 フォード教授が、ミサの言葉にあきれている。


「そうです。私の休みは四日間です。折角アメリカにきたのですからーー」


 坂本さんも、このまま帰るのは不服のようだ。

 全員が俺の顔を見つめる。


「しょうが無いなー。で、どこへ行きたいのかね?」


 あっ、フォード教授の言い方がうつった。


「ハワイーーー!!!」


 満場一致のようだ。

 あそこ、ゾンビはいるし、サメはいるし、あんまり楽しくないぞ。

 大丈夫なのか。


「わかった。わかった。フォード教授、日本に牧場の準備をしますので、もうしばらくここにいてください。用意が終ったら迎えに来ます」


「ああ、楽しみに待っているよ」


 フォード教授に、別れのあいさつをそれぞれが済ますと、俺達はハワイへ向った。






 青い海、青い空。

 後ろには群がるゾンビ。

 目の前の海にはきっと沢山の巨大ザメがいるのだろう。

 UFOを砂浜に降ろし、バリアをはった。


「な、なんですか、あれは?」


 古賀さんが驚いている。

 生のゾンビを見るのは初めてのようだ。


「ふふふ、映画でおなじみゾンビです。世界中にあいつらがいます。ハルラと言う男の超能力ですね」


 しかし、ゾンビは干からびてミイラになっていると思ったが、どうやらハルラの魔力の影響で、みずみずしいままだ。

 現役で人を襲うことが出来るようだ。

 人間の気配を感じているようで、ワラワラと集まりだした。


「ううっ、気持ち悪いねー」


 はるさんが少しおびえている。

 UFOの格納庫が開き、中から機動陸鎧天紫改が一体出て来た。

 ミサの機体だ。

 どうやら海にもバリアを張って泳げるようにするつもりらしい。

 砂浜に紫の機体が設置された。


「これで、ゾンビもサメも対策が出来ました。泳ぎましょう」


 坂本さんがUFOから降りてきた。

 真っ赤な露出の多いビキニを着ている。

 も、もう水着になっているのかよー。

 続いて、古賀さんとヒマリ、愛美ちゃんが出て来た。

 古賀さんまで、少し露出の多い紫のビキニを着けている。

 ヒマリと愛美ちゃんは、あずさとおそろいの白くて腰にフリフリスカート付き、お尻にスライムの絵の付いた水着だ。

 スライムの色がヒマリは黄色、愛美ちゃんがオレンジ色だ。


 天紫改のハッチが開きミサが降りてきた。

 ミサは、青い悩殺ビキニだ。

 普通に降りれば良いのに、飛び降りるものだから、ぶるんぶるん揺れている。

 ミサの胸はフージーコちゃーんのものに、そん色が無い。

 あ、あふれちゃうぞ。


 美熟女好きにはたまらないだろう二人がUFOから降りてきた。

 凜とはるさんだ。

 凛は紺色のやはり小さなビキニ。

 はるさんは緑のビキニだ。

 二人とも露出の割におしとやかに見える。

 たぶん、ミサのぶるんぶるんを見たからだ。


「おおおおーー」


 思わず声が出てしまった。

 美しい長い金髪のウルトラウーマンの登場だ。

 青と赤のアメリカの国旗のようなカラーのレオタード姿だ。

 その胸がすげー、ミサより一回りでかい。


「ふにゃーー」


 あたりがフラッシュのように光り、視力を奪われた。

 ウルトラウーマンが消えて、アメリが登場した。

 どうやら、変身が解けたようだ。

 はやいなーー。


「アンニャメーダーマンの前だと、ドキドキして変身時間が短くなってしまいましゅーー」


 どうやら、三分持たないようだ。大丈夫かー? 何秒持ったかわからん位、短かったぞ。

 変身が解けたウルトラウーマンは、幼女アメリになる。

 そのアメリは、何ちゅー、かっこうだー。

 幼女のくせに、超布の小さいビキニを着ている。

 青と赤と白のストライプだが、布が小さすぎて最初よくわからんかったぞ。


 女ばかりだからか、全員大胆な水着だ。


 ――あれ、あずさは?


「うわっ!」


 あずさは隣にいた。

 おそらく誰よりもはやく水着になっていたのだろう。

 いつもの水着姿だ。

 俺の顔を、上目遣いで見ると。


「皆、なんて水着を着ているのでしょう」


 あきれたように言った。


「本当です」


 ヒマリと愛美ちゃんが近づいてきて同時に言った。


「まあ、しょうが無い。女ばかりだから、安心しているのさ」


「えっ!!!」


 三人がすごく驚いている。

 そ、そんなに驚くことかなあ。


「じゃあ、楽しんでくれ」


「えっ、どこかへ行くのですか?」


 ヒマリと愛美ちゃんがふたたび驚いている。


「ああ、スイートルームを掃除しないとな」


 俺は、宿泊するホテルの掃除をする為、砂浜を後にした。


「やれやれです」


 三人のつぶやきが聞こえた。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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