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第一話 クリぼっち

 世間はクリスマスで、まい上がっている。

 俺は部屋で、クリぼっちを決め込んだ。

 食べ物はこたつの上の三つのみかんだけだ。

 腹は空いたが、買いに行くのは面倒だ。作るのはもっと面倒くせー。


「はーーっ」


 ため息をついて、こたつに入ったまま、横になりボロアパートの天井を見つめた。

 俺は、コロちゃんという伝染病のため職を失った。

 今は失業保険で暮らしている、四十四歳の冴えない、お宅のおっさんだ。

 新しい職は、なかなか決まらない。

 介護と警備の仕事は求人が多い。だが、内容を調べると思い切って飛び込む気にはなれない。


 今までも、派遣の仕事で安い給料に、賞与も昇給もなかった。もちろん退職金も何も無い。

 給料は十万円台だった。後半じゃ無いよ。


「この先も、こんな安い給料で仕事を続けるのかよーー!!」


 思わず一人きりなのに声が出た。

 社会は無情だ、何もかもが値上がりする中、底辺の人間の年収だけは上がらない。

 結婚も彼女も考える事すら無い。

 自分が食っていくのでカツカツだ。

 すでに回転寿司も随分行っていない。


「夢も希望も何も無いなー」


 俺はこのまま「死んだほうがましなのでは」と、心でつぶやいた。

 まあこの時この瞬間だけは、本気で生きる気力を失っていた。


「なっ!!」


 こたつのテーブルの上が黄色く輝きだした。


「こ、これは!?」


 魔法陣のような模様も見える。

 光が消えると、テーブルの上に黄色いベチャッとした物が残った。


「ふふふ、何だよこれ、美女とか出てくるわけじゃ無いのか。底辺の俺にはこんなもんだよな」


 ベチャッとしているくせにウネウネ揺れている。


「スライムかな、いやアメーバーか」


 それは蜂蜜にも見える。

 いや、蜂蜜に見えてきた。

 いやいや、蜂蜜でしょう。


「ちょっとだけ味見して見るかな」


 俺は、それに指を突っ込み、味見をした。






 深く眠っていたようだ。

 上体を起こすと、こたつの台の上に視線が行った。


「あれ、みかんが無くなっている」


 俺のこたつはちょっと変わっている。

 まず普通に布団をひいて横になる、その状態で胸の上に小さめのこたつのテーブルを置く。

 まるで、病院のベッドのテーブルのようにする。

 普通のこたつの使い方をすると、電源を入れないと寒い。

 この使い方だと、電気がいらない。そして温かい。いつでもパタンと倒れれば眠る事が出来る。


 難を言えば、トイレとか布団から出るのが面倒臭い事だ。

 そういえば、腹があまり減っていないな。どうしてだ。


「まてまて、部屋が綺麗になっている」


 俺の部屋は当然ゴミ屋敷だ。

 そのゴミが無くなっている。


「あっ、ゲームまで無くなっている」


 人生が終った感じがした。

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― 新着の感想 ―
この度は拙作に感想をいただきまして本当にありがとうございます。 お礼といってはなんですが拝読に参りました! 宜しくお願い致します♪ タイトルからしてワクワクがとまりません(笑 ウネウネさんはなんだ…
[一言] 初見です! 面白そうだなと思い来てみました! 楽しみに拝読させていただきますね(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”
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