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禁書庫司書の受難  作者: 睡魔ASMRer
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葬儀

 ヘルエスは家に着くと庭の一角に魔法陣を書き出した。


 「炉ではなく魔法で火葬するんだな。」


 レオがヘルエスへ歩み寄る。


 「えぇ私たちは色々な魔から生まれたので魔で返して上げたいんです。」


 これはヘルエスが弔うと決めた時に既に頭にうかんでいたことだった。


 今回は膝を突き祈りながら魔法を発動させるため魔法陣から5メートルほど離れた所にも魔法陣を描きそれを火葬用魔法陣と繋ぎ描いていく。


 座る所には熱波を防ぐための魔法陣を組み込んでおき火葬用魔法陣の出力を操作するための魔力経路も書き足しておく。


 やがて出来た魔法陣に棺桶をセッティングし盛り塩、お香、そして魔力導体としてよく使われる魔樹科の種子を三角3点に置くように棺桶の上に乗せた。


 盛り塩は清きを表し、お香は天までの道を創り、種子は死後繁栄を意味している。


 「ヘルエス、何故樹木の種?普通は麦だの野菜だの食べ物になり得る種じゃない?」


 本来種は食物の種子なのだがここはヘルエスの拘りであった。


 「私たちは生まれから穢れておりますから。」


 レオは黙り込む他なかった。


 魔樹科は樹木の中でも極めて成長が遅い植物である。


 長い繁栄と穢れし生まれを塩と合わせた魔力の浄化、それらを狙った選択であった。


 実際は気持ちの持ちようではあるのだがヘルエスは思考に思考を重ねた結果この選択に行き着いたのである。


 黙り込み突っ立っていたレオは何か思いついたかのように家の中へ入っていった。


 それを見送ったヘルエスは膝を突き座り込みカレンの魔石を握り締め手を合わせ祈り始めた。


 徐々に魔石に魔力を流していく。


 そして魔法を発動させた。


 特殊中級魔法・焔咲


 火力と発動時間、範囲の調整された中級魔法が発動された。


 ここから約半日間、飲まず食わずでひたすら祈りながら火葬を遂行していくのだ。


 祈り始めて5分後、レオが椅子を持って戻ってきた。


 そしてヘルエスのとなり、少し後ろ側に置いて座った。


 「ヘルエス、付き合います。」


 一言添えてレオも手を合わせて祈り始めた。


 ヘルエスは何も言わない。ただ祈るのみである。


 安らかなれ、と。






 日が昇りきり折り返し暑さだけを残して沈んでいく。


 時は経ち夜の帷が降りていた。


 宵を過ぎ夜の静寂があたりを満たす頃、冷え出した空気の中、火は徐々に威力を落として消えていった。


 熱を感じながら祈っていたレオが真っ先に反応する。


 「終わり、ですかね。」


 「ですね。お付き合いいただき感謝いたします。貴方。」


 ヘルエスは立ち上がり火葬場へ近づいた。


 火葬後の熱波を放つ中ヘルエスは金属製トングを手に骨を二重に織り込まれた分厚い麻袋に入れていく。


 仏骨を除くほぼ全ての骨を袋に詰め終えると麻布の口を締め、手のひらサイズの壺を取り出した。


 その壺に仏骨を入れると蓋を閉め札を取り出して封をする。


 レオはこの一連の流れを一歩下がった位置で見届けた。


 その後麻袋とお金、花を手に墓場へ向かった。


 徒歩で向かうと墓石を掘っていた男性が待っていた。


 「ヘルエス様、こちらご用意できております。」


 墓石を掘った後、時間をガブン家から聞き現場で待っていたのだ。


 「墓石、ありがとうございます。こちら今回の報酬です。では埋めて参りますね。」


 一礼してヘルエスは墓石前の自身で掘った穴に降りると麻布を置き土で穴を埋めた。


 パーナルト王国のメジャーな葬式は埋葬である。


 金をかけれる場合は死への橋渡しとして火葬後の埋葬する。


 土を戻した後墓石の下に一束の花を備えて再度祈りを捧げた。


 ここから更に半日の祈り、そう夜明けまでの行である。


 ヘルエスは何も苦に取らず成し遂げるのだった。

 文化創造、凄く頭使って楽しかったです。

 何かしら意味持たせたり理由付けするの普通に大変ですね。

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