辞職
お久しぶりです。書く気力初めて失いました。
ヘルエスの休職から一ヵ月半が経っていた。
1ヵ月間の休職も明け、邪魔者は吹き飛ばしての勤務を続けていた。
今日もまた暗殺者という名の邪魔者が文官省の出入り口で待ち構えていたのだ。
放たれた吹き矢は烈風波によって防がれた。
「ちっ。」
暗殺者の過ちはヘルエスに手を出した事と舌打ちをしてしまったことである。
「そこ!」
初級魔法・烈風波
戦争を経てヘルエスの烈風波の発動速度は雷帝に勝るとも劣らない速度になっていた。
吹き飛ばされたのち毒を盛られ動けなくなった暗殺者をその場に放置して追っ手を撒くために飛行魔法で空へ逃げた。
帝国方面の森で着地した。
「お仕事お疲れ様です。ヘルエス様。」
待ち構えていたのはガイアの母ことグロリアである。
「いつもすみませんねありがとうございます。」
森の中に佇む岩、ここが目印となっており影を使って追っ手を撒くのだ。
影の中に潜って暫く待っていると誰かがやってきた。
無論そのやってきた人の影に潜る。
やってきたのは王国軍であり貴族を連れ添っているのが分かった。
飛行魔法は逃げには便利だが距離差が1日分出せない距離だと魔力光で簡単に捕捉されてしまう。
ガブンまで飛べばギリ消えるかどうかぐらいであるがそんなのガブンに潜伏してるのが丸わかりである。
例え別の街を経由しても魔法を扱える貴族というのは領主という形で各地に点在しており移動経路が割り出されてしまう。
これが1番確実な方法であった。
当然ヘルエスがお金を払って雇っている。
人が多いところでないと彼らから距離は取れない。
一旦どこぞの貴族の影に潜り彼らの動向を伺うことになった。
これで微力に発する魔力光も自身の影に注力する機会がなければバレることはない。
「本当にここなんですか?足跡の1つもありませんが……。」
「このバードゥンを信用出来ないと?」
「いえ……ただなんというか袋小路に誘われた時のような感覚がありまして……。」
貴族がこぞって出しゃ張るのにも理由がある。
国が直々に確保に動いているため家で確保すればそれだけで国に恩を売ることができるのだ。
故に彼らは昇進のために必死である。
「まだこの近辺にいるはずだ!探せ!」
正解、貴方の真下に潜んでます。
どのみち捕える手段など彼らにはないのだが平穏な生活を送る上では邪魔でしかない。
疲弊され続けるとヘルエスでも逃げ続けるのは困難であり休職後も状況はあまり良くなっていない。
小1時間、捜索の末諦めた貴族の後をつけ王都へ帰還、その後街道を通りガブン家へと帰宅した。
「グロリアさんありがとうございました。
こちら今回の輸送費です。」
「ヴァンプ輸送便ご利用ありがとうございます。」
他愛のないやり取りの後リビングへと足を運ぶとブラウン家、トール家の司書2名が座していた。
「ジークにアスティナまでどうされたんですか?」
2人はヘルエスの帰還を確かめた後、本題を切り出してきた。
「ヘルエス、後グロリアさんも少し良いですか?」
見届けていたグロリアも名を呼ばれリビングへ足を運ぶ。
「まずヘルエスには悪いけど辞職願を受理して2名の戦争犯罪者の確保に動いて貰うわ。」
アスティナが口火をきった。
「まぁ2週間ずっとガイアの家族にはお世話になりっぱなしでしたしね。」
「というより状況がよろしくない。司書が国家の意向に反していると見られていてな。
国家の意向が変わるまで司書はどのみち辞めなければいけないところまで来てしまった。
流石に4つの貴族だけではどうにもならなくてな。すまない。」
ジークは謝ってきたもののヘルエスにとってはそこは重要ではなかった。
「で辞職して犯罪者2名確保してその後は?」
「これが国と我がブラウン家が交わした契約書だ。
ケットラーズ、カザムニティ2名の戦争犯罪者の身柄引き渡しの対価としてヘルエスの保護する内容になっている。」
ジークが1枚の契約書を提示してきた。
紙には現国王の名、そして国家の紋章で割印と押印が押されている。
王族と貴族との正式な契約であることが窺えた。
「グロリアさんとアルバさんにはヘルエスの補助をお願い致します。
今回の報酬は司書と同額分、成功報酬もさらに上乗せ致しますのでご協力よろしくお願いします。」
アスティナがグロリアに向けて説明をした。
「もちろんご協力いたしますわ。ドーンの遺体を回収できるならこちらも願ったり叶ったりですので……。」
「具体的作戦は?」
「お前に一任する。探し出して捕えろ。
最悪殺しても構わん。」
「ノープランですね。グロリアさん出立いつがよろしいですか?」
「明日にでも構いませんよ。いつもの場所でお待ちしておりますね。」
ヘルエスの最後の戦いが始まった。




