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禁書庫司書の受難  作者: 睡魔ASMRer
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3カ国会談と6カ国訴追

 終戦から一年経ったある日、3カ国会談が行われていた。


 出席国はパーナルト王国、カンバ帝国、ツドイ連邦国である。


 議題に上がったのは謎の魔女による国家的危機である。


 ツドイ連邦国、カンバ帝国では8ヶ月ほど前より定期的に村や街が消えぬ炎で焼かれ数を減らしていた。


 その情報交換ともいえる会談が行われていた。


 因みに王国側ではそのような被害は確認されておらず外聞的主観の情報交換となっていた。


 ヘルエスは会場警備として呼ばれていた。


 一剣士として……。


 「カンバ帝国のショルです。よろしく。」


 「同じくチャルです。よろしく。」


 「ツドイ連邦国、ガハバだ。」


 「同じく、ダルハです。」


 「パーナルト王国、ヘルエスと申します。以後お見知りおきを……。」


 軽く自己紹介を済ませていた。


 帝国、連邦国が2人ずつ、ヘルエスは1人で馬車の防衛に呼ばれていた。


 「おいおいあんた大丈夫か?か弱い少女1人だなんて防衛舐めすぎだろ。そんなに人手不足なら俺ら誰かそっちの馬車に回ろうか?」


 連邦国のダハバがそう提案してきた。


 「いえ、問題ありません。お心遣いありがとうございます。」


 ヘルエスは丁重に断った。


 「はん。ちゃんと女としての礼節はあるみてえだな。もしピンチなら助けてやるよ。」

 

 「ありがとうございます。」


 何様だこの雑魚、そんな気持ちがヘルエスに過ぎるも顔には出さずに感謝を述べた。


 実際ヘルエスの見立て的に精々シャルに相打ち取れる程度、取るに足らない小物ではあった。


 それは司書全員規格外であることを彼女は忘れている。


 無論彼らは国の最精鋭ではない。


 国の最精鋭同士でないのに比べること自体御門違いである。


 そんな彼らは相手が規格外なことを知らない。


 女性であると見下していたのだ。


 そんな馬車護衛も非常に穏やかである。


 3日間の護衛の末3カ国の国のトップはそれぞれの国境が交わる地点から会談のある王都へと到着していた。


 会場に到着してからは会場警備である。


 「た、体力はあるようだな。」


 「お褒めにいただき光栄にございます。」


 ヘルエスの脳内は他国への風評被害だけは是が非でも防ぐ一色であったため全力で猫を被っていた。


 「ダハバさん多分この人ダハバさん100人いても勝てませんよ。」


 顔色何一つ変えていないヘルエスを観察していたダルハは確信を持ってそう伝えた。


 「んなことあってたまっか!」


 「私めはしがない剣士でございます。そのようなことはございませんのでご安心くださいませ。」


 2人とも反発した。


 そう反発した直後、大量のゾンビ兵が影より湧いてでた。


 「っ!頭!頭を潰せばこいつら止まります!帝国から逃走してる戦争犯罪者の魔法です!」


 咄嗟にヘルエスは情報を伝えて前にでた。


 一体、また一体、剣で的確に頭を潰していく。


 ふと振り返ってヘルエスは絶望した。


 ヘルエスが4体処理終えてもまだ1体目の処理に手間取っているのだ。


 このままだと処理が追いつかずに会場内に雪崩れ込んでしまう。


 ヘルエスが危惧していた魔法を使わざるを得ない場面が来てしまった。


 噂回避なら火系統の魔法は使わずに戦う必要がある。


 「愚図め。」


 ヘルエスは4人に向かってそう吐き捨てて魔法を発動させた。


 中級魔法・氷壁・十五重発動


 会場入り口、窓を覆うように氷の壁が出現する。


 「なっ……中は!中は大丈夫か!」


 中にはガイア達が派遣されている。


 心配するだけ無駄というものである。


 最上級魔法・ブレードオブテンペスト・三重発動


 会場から少し離れて他の護衛が巻き込まれなさそうな3箇所に魔法を置いた。


 「ひいぃなんだこの竜巻入ったもの片っ端から切れてるんだけど!?」


 ショルが悲鳴を上げながら竜巻から距離を取ってきた。


 この魔法は吸い込む力すら切断する力に変換されているため吸い込む力はほぼないのだが恐怖心を煽るにはこれ以上ないほど木っ端微塵のバラバラのゾンビ遺体が散乱するのだ。


 「だ、誰なんだよ。なんなんだよこれ……。」


 「くそゾンビめ!」


 場が荒れてパニックを起こす者まで現れ出した。


 だがヘルエスはそんな奴らに構ってる余裕はなく魔法と剣を両方を駆使して着実に数を減らしていくのに集中していた。


 「あのガキ、魔女……なのか……。」


 その声もヘルエスに届くことはなかった。


 






 



 会談は無事に終わり外へ現れて始めて事の大きさが明るみになった。


 首謀者はケントとカザムニティということになったもののパーナルトの魔女の話は各国に持ち帰られ拡散されてしまうことになってしまった。


 当の本人はゾンビ兵の処理に追われておりそれどころではなかった。


 遺体処理、つまりは焼却処分である。


 無論ヘルエスは自前で墓まで作ったのだが問題は燃やすのに魔法を行使した点といえよう。


 そこまで頭を回らせる余裕が無くなっていたのだが謎の魔女=ヘルエスという誤解が広まるきっかけになってしまった。


 それは危惧していた司書の厄災との結びつきも行われるのに十分すぎた。


 影より現れ燃やして消える、まさしく謎の魔女そっくりである。


 そして遂に6カ国訴追としてパーナルト王国とヘルエスに対して共同声明が発表、国家として死刑を求刑するように迫ったのだ。

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