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禁書庫司書の受難  作者: 睡魔ASMRer
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ヘルエス軍属する 5

ヘルエス軍属最終回です。

 全体の半分差し掛かる頃には日が暮れ宵も過ぎ、衛星の反射光以外の光はほぼ消えせていた。


 こうなると作戦の続行は不可能と言わざるを得ない。


 空からでは全てが真っ暗で見分けなどつかないからだ。


 それにここまでかなりの速度を出しており魔力の消耗も激しかった。


 ヘルエスは谷間にある王国軍の拠点へと帰還した。


 「司書様首尾はいかがでしょうか。」


 「ひとまず半分ぐるっと回って片っ端から倒して来ました。明日は朝から昨日回ったところ軽く見回ってから任務遂行致します。

 ひと足先に休ませて頂きます。」


 現状を報告し睡眠を取ることになった。


 拠点内の一角に座り込み隣にダストトレイルを置いた。


 何かあった時に対応できるように手はダストトレイルの上に置いて意識を張ったまま座って睡眠を取る。


 無論、そこまで休まらないがひとまず明日活動する分の魔力が回復すれば体力や脳の疲労など心底どうでもいいのだ。


 結果的にこの体制での睡眠は功を奏する事となった……残念ながら。


 それは深夜だった。


 ヘルエスは自身の前に何らかの気配を感じ取った。だがここは拠点内、人の気配がすること自体おかしくはなかった。


 次の瞬間自身の頬を撫でられたのだ。


 初級魔法・烈風波・三重発動


 背筋をぞわりと走るあまりにも悍ましい感覚を覚え反射的に魔法が発動された。


 「ぐええ。」


 思いっきり吹っ飛んで頭から着地したようでみっともない声が漏れ出ていた。


 相手はヘルエスが報告を行った人、部隊長だった。


 「貴方今私の頬を撫でましたよね?気持ち悪いですのでおやめくださいここは戦場ですよね?」


 「わ、悪かったちょっとした出来心なんだ。」


 「その出来心に私が殺傷性の高い魔法で返さなかったことに感謝して下さい。次はありませんので誰であろうと容赦なく高火力魔法で消し飛ばしますよ。周知させておいてください。」


 戦場という殺伐とした空間に紅一点が舞い降りるというのはそれだけで理性を狂わせるには十分であった。


 ヘルエスはそういう奇行も加味して前日は氷の城を築いたのだがここは森ではなく荒野であるため城なんて築こうものなら遠距離からモロバレである。


 いくら谷といえどそこまで深くもなくリスクが高いと言わざるを得なかった。


 故に築かなかったのが裏目に出た形である。


 翌日、軍属最終日を迎える。


 ヘルエスは日の出と同時に飛び立つ。


 前日の続きから空爆を開始した。


 帝都に近づくにつれて兵士の数が増えていた。


 それはただ帝都に近いからではなかった。


 王国による道路封鎖が周知されその対応に人員を送り込んだからだった。


 それは本来なら何も間違った判断ではない。


 流通の機能不全は経済的にも軍事力的にも両方に損害を与えるため早め早めの対応策が必要となるからだ。


 その点帝国のこの手は本来正解なのだがたった1日、このズレのせいで悪手へとなったのだ。


 3日後、約五千の兵の謎の焼死体が発見される。


 なぜ謎なのか、それは異質さにあった。


 まず誰1人として生還者が居ないため当時の状況は死体から察する他ない。


 だがどうだろう、兵は隊列を組んだまま焼死していた。


 それはどこの小隊、中隊もそうである。


 強いて情報があったのは護衛されていた商人からである。


 具体的な内容は錯乱し誰も答えられなかったものの彼らは口揃えてこういった。


 荒野の魔女の天罰だと……。


 後に荒野の魔女は1人の捕虜の男の語り草として国際社会へ広まる話である。







 ヘルエスは作戦完遂後、ガイアと合流し森の中で一泊を行っていた。

 「……でさ撫でられたの。ほんと気持ち悪いったらありゃしない。戦争中よ?マジあり得ない……。焼き尽くしたかったわ。」


 ヘルエスはボロクソに愚痴っていた。


 「まぁ慰安婦の存在意義はこういうことの抑止なんだろな。で明日の計画は?」


ガイアは冷静に宥め賺して明日の話へ軌道修正させた。


 「ノープラン、とりあえず帝都に単独侵攻してケント探すわ。ケント見つけたら影封じよろしくそれまで私の影の中でのんびりしてていいから。」


 キッパリと自信ありげにノープランを宣言した。


 「大丈夫かよそれ。」


 「何、私が殺されるとでも?罠貼ろうとするなら上から魔法で消し飛ばすまでよ。」


 ヘルエスは脳筋思考に占領されており会話が成立してなかった。


 「いやお前がそれでいいならいいけどそう簡単に居場所割れるもんかね。帝都から離れてこそこそしてる可能性もあるだろ?」


 ガイアは冷静であった。


 「そうね。その場合は諦めるわ。1日じゃできる事限られてるもの。じゃおやすみ。私に手だしたらあんたでも容赦しないから。」


 ヘルエスは魔力と心身の回復のため寝る事にした。


 ヘルエスはガイアに釘こそ刺したものの本心では彼を信頼しており杖は木に立てかけて自身は横になり熟睡し始めるのだった。


 「おやすみ。あ、明日先に例の俺の任務の手伝いよろしく。」


 手を上げ返事だけするとヘルエスは意識を手放し深い眠りについた。

 

皆さんは17の少女の寝顔を見ても頬を撫でたりましてや破廉恥行為に至るのは犯罪なので辞めましょう。

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