ヘルエス軍属する 2
ヘルエス式船上制圧方法。
1、とりあえず船沈めるぞと脅します。
2、烈風波で船体に何度も打ちつけて再度交渉します。
3、それでも聞かないなら中級魔法・氷結弾を船底に向けて撃ち穴を開け再度交渉します。
これに乗る場合は中級魔法・アイスウォールで塞ぎ乗らない場合は一度立ち去ります。
4、船が3分の1程度沈んだあたりで最後の交渉をします。
交渉案に乗らないなら沈没、乗るなら魔法で船を帰還させます。
5、沈没させた船から乗組員を飛行魔法で無理矢理に街まで飛ばします。
最初に乗り込んだ船はというと……ヘルエスの提案をガン無視である。
それもそうだろう。唐突に敵国の魔法使いがやってきて船沈める?船港に引き返すどっち?と迫られてもふざけるなの一言で返されるわけで……。
ただそれが普通の魔法使いならそれでも良いだろう。複数人で囲み捉えれば済む話だ。
魔法を放った直後、何も出来ない間に攻めれば良い。
だがヘルエスはどうだろうか。
なぜか側からみればなぜか魔法を連発しているのだ。おまけに複数の魔法も同時に使ってくるときた。
囲おうが跳ね飛ばされ壁も張られ手も足も出なかったのである。
それでも帝国民としてのプライド、愛国心が提案を呑むことは到底受け入れられるものではなかった。
ましてや軍事侵攻によって併合しまくり大きくなった国、争い事において相手の要求を呑むというのは敗北者、屈辱を意味するからだ。
故に最初の船は沈むこととなった。
「なんなんだ!てめぇ!」
訳がわからず錯乱状態の乗組員はそう叫ぶも飛行魔法で遠ざけられてその声がヘルエスに届くことは無かった。
ヘルエスは次に向かう船を選別する。
軍艦は無視、というか商船以外全部無視で良かった。
結果的に選ばれた運のない船にヘルエスは降り立った。
この船は沈みかけでヘルエスの要求をやむを得ず呑み港へ送り返した。
このようにヘルエスはひたすらに船を港にから出さないように強硬策をとっていた。
当然帝国軍に目をつけられ多数の軍艦が押し寄せるもこれをヘルエスは上級魔法・インフェルノを連発し撃沈、その一件後はヘルエスの噂も回りきって帝国民も恐れを成したこともありヘルエスに従うようになり出した。
ある帝国商人はヘルエスに問うた。
「海通らなければお好きに商売なさって下さい。」
ヘルエスの返答にその手があったかと言わんばかりに引き返し荷造りを始めた。
だがその商人は手遅れだった。いやヘルエスが到着した時点で手遅れと言えた。
陸路は王国軍が順番に閉鎖させていってるからだ。
今から荷造り、出発している間にも次々と陸路が塞がれていた。
果たしてヘルエスは早々に暇を持て余すことになったのだ。
船がめっきり通らなくなった。通っても漁船、漁船は積荷チェックだけして通していた。
当然商売品が見つかれば引き返させるか沈めるかさせていた。
手を尽くしたのか純粋な漁船しか通らなくなった。
では暇してる間何しているかというと倉庫上で海をぼーっと眺めていた。
船を監視するというのもあるが水平線、行き着く先まで何もないその景色を見続けるというのはぼーっと眺めるのとなんら変わりは無かった。
日が傾き出した頃、突如として背後に気配がしてヘルエスは身構えた。
「ってえっと……グロリアさん?ですか?」
現れたのはガイアの母だった。
「はい!ガイアの母、グロリアです。よく覚えていらっしゃいましたね。流石司書様。」
満面の笑みである。名乗ってもないのに会話の流れだけで名前を覚えていたのが嬉しかったみたいだ。
「それはグロリアさんの息子さんもでは?」
返答で返すと満面だったのがより輝きを増した後急に真顔になってヘルエスは身構えてしまった。
「ご報告に伺いました。主要道路の封鎖を完了、船で王国軍が向かっております。到着し次第ヘルエス様は陸路の方へ加勢よろしくお願いします。」
報告を聞いてヘルエスは構えを解いた。
「道沿いへ行けば良い感じですかね。
というか首尾よく勝てたんですね。
もっと時間かけるものかと思ってました。」
そこでまたグロリアに笑みが戻った。
「ノア様1人で敵軍500前後を瞬殺でしたね。捕虜数名残して鏖殺でした。」
どうやら相当一方的な戦いだったようだ。
「それはまた……。」
「それでは失礼します。」
そう言い残しグロリアは影に潜って戻っていった。
王国側へ沈む夕陽に照らされた海辺、軍属初日の夜がやってくる。
軍属ヘルエス終わったら一気に終戦予定です




