ヘルエス軍属する 1
軍属ヘルエス回始まり始まり
「貴様!王国兵か!かこめかこめ!ここは戦後我が帝国の領土となる地、下賤な王国の犬に死の宣告を!」
剣、槍、ハルバード、弓、各々の武器を各々が構えてヘルエスを囲った。
たった1人を除いて……。
その者は街の中心部へと走り去っていく。
それを見届けた後、ヘルエスは魔法を発動させた。
初級魔法・烈風波・三十連発動
突進してくる者、隙を窺う者、裏に回り挟み込もうとする者達を1人づつ確実に壁に向けて弾き飛ばしていく。
当然これくらいでは無力化できない。
起き上がった側からもう30連追加で発動させて今度は対岸の壁に向けて吹き飛ばしていく。
その間もヘルエスは街の中心部への歩みを止めずただ向かって来るなら吹き飛ばし壁に激突させる。そんな光景が続いた。
中央広場に到着すると慌ただしくなっていた。
ヘルエスはその光景を見て指揮官を断定、それ以外の殲滅を開始した。
最上級魔法・ブレードオブテンペスト・三重発動
初級魔法・烈風波
円形の中央広場に等間隔で3発の振れると切れる竜巻を設置、そこに向けて周りの兵士たちを烈風波で弾き飛ばしていく。
フルプレート、甲冑、剣すらも当たっては切れる竜巻は発生場所を死地へと変えた。
当たりどころが悪い人は頭と胴が1発で別れてしまっていた。
広場は一瞬にして阿鼻叫喚と化すがそんなことはお構いなしにヘルエスは隊長格に向けて杖を突き出した。
「さぁ降参するなら貴方の命までは取りませんよ。」
目を見開き絶望の様相で男は装備を足元に置き投降の意を示した。
残り鏖殺するだけとなったヘルエスの街制圧は10分もかかることはなかった。
「ノアいますか?」
ヘルエスがスドンバに戻るとちょうどスドンバからルキハに一団が向かおうとしているところで着くなり早々にノアを呼びつけた。
「おやヘルエス早いねぇ兵士鏖殺も終わったのかな?」
ノアの言葉に頷き返すと周りは動揺する。
懐疑的な声を上げていた者達は呆然と眺めていた。
「次は何をすれば?」
ノアは即座に次の仕事をだした。
「じゃあ敵の貿易海路潰して貰おうかな。
地図渡すね。」
ノアは兵士の1人を呼びつけると地図にスラスラと書き足してその後ヘルエスへ渡した。
「ガーベルトは元々交易の都市でね意図せず潰れてからはさらに東の海岸都市レクイアがその役割を担っているんだよね。
陸続きの国々はどこも帝国を危険視しているが海を挟んだ国々はどこ吹く風、交易は盛んに行われそれが帝国が大国で居させ続ける。というわけで船全損させるか陸路潰すかは任せるからとりあえず潰してきてね。」
ノアはそういうと地図をヘルエスに手渡した。
ヘルエスはパッとレクイアの街の位置と貿易ルートを確認すると地図を丸めて飛行魔法を発動させた。
飛び去るヘルエスを眺める一団、眺めながら彼女について語り合っていた。
「隊長!バスティユニへ複数人派遣させた方がいいですか?」
「だな。負傷兵を遺体の回収作業として送り込もう。」
「負傷兵をですか!?」
「鏖殺自体完了してるとのことだ。ですよね?ノア様?それならルキハへ負傷兵を連れて行くより遺体の回収に回した方が効率的だ。
その後駐屯してもらって休養をとって貰えば良い。」
「だね。僕もそれに賛成するよ。」
ノアが賛同したことにより異論を唱える者はいなくなった。
「そもそも短時間による街一つの制圧って何者なのですか?悍ましいというか理解の範疇を超えているのですが……。」
また1つここにも芽が生えていた。
「悍ましい……か。彼女は魔法のスペシャリストだ。最近では剣術も嗜んでいる。近づけば剣がそうこうしていると魔法が襲ってきたらどんな防衛力高い街も堪ったもんじゃないんだろうね。」
「それなら戦争は勝てそうですか?」
若い兵士が質問する。
「戦争は上が始めて上が終わらせるものだ。勝ち負けも上の判断、被害を被るのはいつも下、相手国に劣勢を押し付け続けて心を折らねば戦争は勝つも負けるもないんだよ。」
ノアの答えを聞いて若い兵士は黙り込んだ。
それは1人が暴れても戦争が終わるとは限らないことを理解したからである。
それと同時に自身の影響力の無さに絶望も覚えていた。
「そのための交易海路潰しだ。ルキハを制圧後、半分に分かれて陸路を潰す。
隊長、それでいいよね?」
ノアの言葉に頷きその場は収まったのだった。
スドンバから飛行魔法で約40分、距離にして200キロ、ヘルエスはようやくレクイアに到着した。
街の規模はガーベルトとほぼ同等、ただ急設された倉庫が乱立しておりどこか狭苦しさを感じさせる街並みだった。
ヘルエスはまず何からやるか悩む。
海路、陸路、どのルートでもいいからとりあえず貿易を止めさせて経済的に圧迫するのが目的である。
ただ戦争犯罪を防ぐために軍関係者以外の殺害はヘルエスにとっては任務遂行の障壁となっていた。
なんでもありなら全ての船を沈め続ければいいだけだからだ。
ヘルエスはとりあえず海路の出鼻を挫くことに決め地を蹴った。
降り立つは船の上、一か八かの直談判である。
「すみません。この船、港に戻ってもらって良いですか?でなきゃ沈めます。」
とった手法は直談判とは名ばかりの脅しだった。
「あぁん?なんだてめぇ!」
帆船の船出直後はとても忙しい。
そんな中での交渉もとい脅しは猛烈な乗組員の反感をかった。
そんなことはお構いなしにヘルエスは勧告する。
「沈められたいんですか?」
ヘルエスは杖を構えてより顕著に脅しをかけ始めた。
軍属回のうちに魔女不審を広めておこうかなと思います。
既にある程度の種は撒かれていますが……。




