決起集会
翌日、ヘルエスは怒られていた。
「生き物を的にするのは倫理的に辞めておくべきだったな。おまけにそれを回収しなかっただろ!全く何考えてるんだヘルエス。」
「動いてないと防衛の練習にならないと考えました。回収までは考え及ばず申し訳ございません。」
ヘルミウスは頭を抱えた。
「違うそうじゃないんだ。いや君を戦闘狂に育成したのは俺だから俺の責任でもあるんだが……。
よし職務終わりに俺の部屋へ来い。君に社会常識を教えねばならないようだ。」
ヘルエスは目に見えて慌て出した。
「え、ちょっとなんでそうなるんですか。教官意味わからない量を覚えきるまで帰すつもりないじゃないですか。」
ヘルエスは戦闘について徹底的に叩き込まれた。
魔法の適正が多めだったヘルエスにとって派生先の魔法も含めると覚える量はとてつもなく多くヘルミウスの徹底的指導とは相性があまりよろしくなかったのだ。
若干18の才女を育て上げた手腕は周りから高く評価されていた。
それは彼の誇りでもある。
故に社会常識まで教えがいかなかった事に彼自身心残りがあった。
そして運悪く色々なタイミングが重なったのである。
「そうも言ってられんのだ。君にも参戦してもらわねばならなくなった。
来週、改革派の決起集会が行われることが分かった。これを機に貴族が二分化される。おまけにこれにおそらく裏で糸を引いてる者が動く。
どうしても戦力がいるんだ。」
「それと社会常識にどのようなご関係が?」
不満気な問答はヘルエスの思いがけない返答が返ってくる。
「君には決起集会に内部潜入してもらう。無論顔は覆面で伏せてだがな。」
「はい?センニュウ?センニュウってあの潜入ですか?」
「あぁ君の補佐としてガイア君もつける。
判断は君たちに任せるよ。」
どうやらヘルエスとガイアはベストマッチング扱いのようである。
「また彼とですか。で具体的に何をするんですか?」
「それはまだだ。先に社会常識、作法、その他諸々覚えて貰わねばならん。ガイア君は履修済み、あとは君だけだ。」
ヘルエスは焚き付けられやすかった。
「わかりました。それで構いません。よろしくお願いします。」
「あぁ。理解が早くて助かるよ。」
ヘルミウスはヘルエスに対して微笑み返すのだった。
決起集会当日、改革派の貴族、有力貴族の子息などが数多く集まっていた。
ブラウン家、トール家の精鋭達は会場を密かに包囲を狭めていた。
ヘルエスはダイトトレイルもとい杖を付き老婆を演じる。
それはさながら名家の老婦人である。
「おやおや元気で良いわねぇ。頑張るんだよぉ。」
そう猫被り、ヘルエスはうっきうきで任務に臨んでいた。
「これは老婦人殿、ご機嫌麗しうございます。我ら生まれし王国のより良い未来のため励む所存でございます。」
話しかけた先はガイアである。
ガイアは影を応用して変装ができた。
彼は今ハルヌメス・ヨナ・アガスティアに変装中である。
それはつまり目の前に見える景色は憎たらしい顔である。
「おやハルヌメス殿息災ですか?何やら大変な目にお会いしたとお聞きしましたが命あって何よりでございます。」
話しかけてきたのはチャイル・ヴィンオーガ、ヴィンオーガ伯爵子息である。
「チャイル!いやまさかこの我輩が脅される日が来るとは夢にも思いませんでした。
王国軍が我輩のために動いて下さっておる。今回の決起はその戦力増強の機!是非とも成功させましょうぞ。」
ガイアのやつ中々の名演技であった。
「お集まりの皆皆様、今回司会を務めさせていただきますケント・フリューゲンでございます。まずは私の本、禁書不要論をお読みいただきありがとうございます。この国に残る無駄を省きより良い社会のためこの決起を王国転換の機となることを願い開幕の挨拶とさせていただきます。」
ヘルエスは顔を思わず上げてしまった。
その瞬間一瞬目が合った気がしたため微笑み返す。
「まず国賊の排除、ブラウン家、トール家に対して宣戦布告を改革案と共に貴族会議に提出を行い邪魔者を排除いたしましょう。我々が議会を占拠するのです。」
ヘルエスは気づく、彼が国賊の正体であり、王国基準で禁書に定められてもおかしくない魔導書による魔法の行使が行われていることを……。
そして周りはその魔術に掛かっていた。
ガイアとあらかじめ決めていた手話にて意思疎通を取りながら立ち位置を調整する。今この時間からここにいる全員が敵となる。
なんか面倒になって決起集会早めに書く事にしました。
もっと学生運動感生みたかったけどそもそも学生運動私勉強不足で知りませんでした。書けません。
もう少し動画残ってて欲しかったな。




