悪夢
あらすじの欄少し変更しました。そもそも描き始めた時ノープランだったのであらすじなんてなかったんや……。
ヘルエスは暗い洞窟の中にいた。
何も明かりがない。
炎で辺りを照らすと足元には無数の骨が落ちていた。
何があったのか思考を巡らせようにも思考は纏まらない。
身体に、脳に、心身に何かが纏わりつくようなそんな感覚……。
やがて気配が近づいてくる。
振り返ると先ほどまで骨だったものは起き上がり肉が湧いて付いていく。よくみればリカント達の顔だった。
老若男女関係なくおりその顔は涙で濡れていた。
「……夢……か。」
言伝を読んで以降定期的にリカント達の夢を見るようになった。
そして起きるたびに何かしないといけないようなそんな衝動に駆られる。
彼らは侵入したかった訳でも況してや死にたかった訳でもない。
今でも鮮明に彼らの悲痛な叫びが聞こえてくるようだ。
「さて……仕事いきますか。」
司書の方はだいぶ貴族やらの閲覧者も減って落ち着きを見せ始めていた。
その日のお昼にとある王命が下るまで……。
禁書不要論を禁書と定め禁書狩りを実施するとのお達しが下った。
仕事終わりに文官省の役員から指令書が手渡された。
「これ今からですよね?」
長そうな予感につい尋ねてしまう。
「えぇヘルエス様のご尽力願います。」
具体的内容は本の処分と護送で護送のための元本は既に押さえているとのこと。
なのでヘルエスの役割は本の処分だった。
やり方は各々の判断に任せるとのこと。
完全に投げやりである。
勝手がわからない、それこそ各々に任せるとのことなのだろうがあまりにも非効率的に感じたヘルエスは急遽シャルのご実家へ足を運ぶことにした。
「あらお久しぶりですね。あなたはお坊ちゃんの仕事仲間でありますね。少々お待ちください。」
着くと何も言葉を発する前にシャルに繋いでくれた。
「やぁまさか君から来るとはね。禁書狩りかな?ついておいで……。」
シャルの方にも届いていたようだ。
「俺はこの後禁書庫の番あるからね。ナイスタイミングだよ。えっと確か……お、これでいいか。」
そう言って渡されたのは狐面と深めのフード付きコートだった。
「お嬢やジークのように顔割れてる司書はともかくそれ以外は顔隠して素性伏せるのが基本だからね。」
「んで手順やら色々聞きにきたんだよね。
本当に好きにやっていいよ。司書と名乗って禁書指定された本を提出するように促すもよし実力行使で燃やすも良し。
ただ法には触れちゃダメ。あくまで禁書に対してなら何してもいいってだけだから。」
一つ疑問になっていたことを聞く。
「本屋はどうされてます?おいてますよね?」
「はは、それこそ実力行使よ。持ってるかどうかを会話で探って本見つけ処分する。」
どうやらみんな脳筋らしい。
「傷害罪の見解は?」
これはどこまで強気でいっていいかの質問である。
「そんな君にこれをやろう。」
回答になってない解答がやってきた。
渡されたのは二つの瓶である。中には液体が入っている。
「蓋が赤のが麻痺毒、青のが解毒薬。針に塗って刺して麻痺らせて調査して解毒薬塗った針刺したら訴えられてないからこれはセーフ。」
面倒くさがりなシャルらしい。
要はお邪魔してから刺して本あるか探して用が済んだらまた刺せば訴えるまでの時間に直って証拠不十分というわけだ。
「麻痺毒なんてあるんですね。」
「正確には麻酔だけど身体が痺れて動けなくなるから麻痺毒って呼んでる。俺の研究成果。」
「とりあえず個人でやれるだけやってみます。街中で会っても声かけませんしかけないで下さいね。時間使っていただきありがとうございました。それではまた。」
そう言い残しシャルの実家を後にするのだった。




