お姉さま、それは悪意の呪いですわ
姉妹の会話。
実際の姉との会話からヒントを得て、あえての姉視点で書いてみました。
「お姉さまは悪意の呪いにかかっていますのね」
妹のカトリンの言葉にわたくしはすぐに反応出来なかった。
『呪い』とか怪しい言葉が聞こえた気がするのだけど、気のせいかしら?
「何を言っているの?呪いとか怖いことを言うのは止めて」
「だって、そうではありません?お姉さまは悪意の呪いにかかっているとしか思えませんもの。年の離れた男女を見て「女性がかなり年上の恋人なんて可哀想」という感想が出てる時点で悪意しかありませんわよね?私には仲の良い親子にしか見えませんでしたけど、お姉さまには女性がかなり年上の恋人に見えましたのよね。それを嘲るように仰るのだもの。年が離れていても仲の良い恋人だと言うことだって出来たのに、お姉さまは「可哀想」だと言えることを探していましたのよね。というか他人がどうとかどうでもよくありません?親子だろうが恋人だろうが仲が良さそうならそれでいいではありませんか。機嫌や態度が悪い人を見て不愉快な気分を味わうより全然いいですわ」
いつもよりよく喋るカトリンの言葉が頭の中に入ってこない。
つまり、この娘は何が言いたいのよ。
「わたくしにはそう見えたという正直な感想を言っただけじゃない。正直に思ったことを話すことも許されないの?」
少しムッとして言い返すと、カトリンはため息を吐いた。
「自分の思ったことを正直に話すことはお姉さまにとっては正しいことなのかもしれませんけど、それを聞いた者が不快になる可能性を考慮して欲しいですわ。実際に私は仲の良い親子だと思えていればよかったのに、お姉さまの「年の離れた可哀想な恋人」発言で不愉快になりましたわ」
なによそれ!聞きたくないならカトリンが聞き流してくれたらいいことじゃない。それをわたくしがまるで悪いみたいに。
確かにカトリンは妹だから他の人より話しやすくて正直に思ったことを言ってしまうけども、それくらいいいじゃない。
気を許して話せる数少ない内の一人なのよ?
「別に、わたくしはそう思ったという話をしただけじゃない。あなたはそうは思わなかったならそれでいいだけの話だわ。わたくしの言うことをいちいち気にかけてくれなくていいわよ」
「言いたいことを言えたら満足ってことですのね。「気にするな」という気を遣ってくださるなら「始めから話さない」という気の遣い方をして欲しいですわ」
今日のカトリンは生意気ね。いつもはわたくしの話を大人しく聞いているのに、今日はいったい何なの?
「あなたは親子と思った。わたくしは恋人だと思った。個人の考え方の違いというだけでしょう?わたくしだって誰にでも思ったことを喋ったりしないわ。気の置けないあなただからこそ気が緩んでついつい言いすぎてしまうだけよ。それくらい聞いてくれてもいいじゃない」
こんなことで怒ってはダメよ、わたくし!わたくしは王子妃になるべく厳しい教育をされてきたのよ。心の制御をするのよ。
「考え方の違い!それが問題なのですわ!お姉さまは自分の考えだと思っていらっしゃるかもしれませんけれど、お姉さまの発言のほとんどが「否定的で悪意を感じる」上に「聞いていてとても不愉快」なものばかりです。この前なんて親子三世代の仲が良さそうな人々を見て「お金持ちの老婆がお金にものを言わせて他の二人を無理やり従えている」とか仰っていましたわね。明らかに三世代くらいの年齢差の仲の良さそうな人々に向かって!ねえ、それって異常ではありません?一番大人しそうだったおばあさんが偉そうに従えているなんて発想自体がおかしいですわ。更にお姉さまは自分は人とは違う視点で物事を見て、素晴らしい発想をしたと自慢そうにされていて、わたくしぞっとしましたわ。否定的なことを言っておきながら自慢そうにされるんですもの。お姉さまの仰ることはだいたい否定的で悪意を含んだものですし、常にそのような思考回路をしているなんてきっと『悪意の呪い』にかかっていると考える方が自然だと思ったのですわ」
落ち着いて、わたくし。確かにわたくしは時々考え方が暗いことはあるわよ?でもそれは最悪の事態を考えて行動しようという、どちらかというと思慮深い思考のはずだわ。
それをこの娘は何?悪意の呪いですって?わたくしそこまでとち狂った思考なんてしていないでしょう?
ああ、ダメ。怒ってはダメよ。
「呪いだなんて怖いこと言うのはやめて。少し考えすぎよ。あなたの思考こそおかしいのではないの?」
「私が変なのは前からですわ。でもお姉さまがこんな風になってしまったのはきっと殿下の婚約者になってからですわ。昔のお姉さまはもっと優しい考え方をしてらしたもの。だから呪いにかかってしまったのと同じようなものだと言いたいのです。そうでなければただ素でお姉さまの性格が悪いというだけの話になってしまうもの」
ねえ、これって怒っていいわよね?
この娘はわたくしに変な呪いがかかっているか、そうでなければ性格が悪いのだと言ったのよね?
「さっきから失礼ね!人のことを呪われているとか性格悪いとか!あなたの方こそ失礼なことばかり言っているじゃない!わたくしをバカにしてっ」
「誰かを常にバカにしているお姉さまに言われたくありませんわ。お姉さま気付いております?お姉さまの発言はほとんど人を小馬鹿にして嘲りがあり、人を不快にさせる物言いをされているのですよ。ですが仕方ないのです。だって、悪意の呪いですもの」
「ふざけないで!変なことばかり言って!」
なんなのよ、なんなのよ!?
こんなに腹が立ったのは久しぶりだわ。
わたくしが悪いの!?わたくしはこんなにも頑張っているというのに!
こんな失礼なことを言われるなんて、妹とはいえ許せないわ。
「お姉さま、ですから殿下との婚約はもう解消なさいませ」
怒っていたはずなのに、カトリンの言葉に動揺してわたくしはすぐに言い返すことが出来なかった。
「お姉さまももうお分かりでしょう?殿下を待っていても無駄ですわ。お姉さまはもう22才ですのよ。十分頑張ってこられたではありませんか。お姉さまの頑張りを無下にして遊学に行って帰ってこない殿下を待つ必要なんてないではないですか」
そんなこと、分かっているわよ!カトリンに言われるまでもなく、殿下を待っていても無駄なことくらい!
それでも待つしかないじゃない?
わたくしから婚約の解消なんて言えるわけないのに。
「か、簡単に解消なんて出来るわけないでしょう!?」
この婚約は王家との契約だもの。婚約を解消したいだなんて言ったら家にも迷惑がかかるし、家を継ぐカトリンにだって他人事ではないのに、この娘は気軽に言ってくれるわね。
「お姉さま、ちゃんと現状を知ってまして?お姉さまと殿下の婚約が解消されないのは、お姉さまが殿下のことを慕っていると思われているからなんですのよ」
「はあ!?」
カトリンの言葉に変な声が出てしまった。
わたくしが殿下を慕っている!?
誰がどうしてあの愚か者を慕っているというの。
決められた婚約者が気に入らないからと今まで一度もわたくしのことを見ようともせず逃げ出すだけのあの愚か者に!
「お父様もお母様も、陛下達も、みんなお姉さまが殿下を慕っていると思っているから婚約を解消しようとしないだけですわ」
「何をバカなことを言っているの?あのような男を慕う女なんて頭の中が空っぽな残念な女だけよ」
殿下に暴言を吐いてしまった気がするけど、カトリンは聞き流してくれた。
「だって、お姉さまは今まで殿下を慕っているとも言われていませんが、慕っていないとも言われたことがないでしょう?お姉さまの頑張りは全て愛する殿下の為。お姉さまは婚約者の為に頑張る健気な娘としてみなさんに認知されていますわ。「黙って従っていただけ」でも周囲には愛しい婚約者の為に健気に尽くす立派な婚約者としてうつりますのよ。だって、お姉さまははっきりと殿下を慕っている訳ではないのだと言葉にされたことがありませんもの」
本当に何をバカな?
確かにわたくしは殿下を慕っている訳ではないと言葉にしたことはなかったわ。でも、普通わざわざそんなことを言わないでしょう?あんな男を慕っていないことくらい見たら分かるじゃない。
それなのにあの殿下を慕っていると勘違いされていたというの?
状況的に殿下と婚約を解消されても不思議ではないのにと思っていたけど、両陛下も両親も何も言わないからわたくしが堪えるしかないと思っていたのに。
わたくしが殿下を慕っているから健気に堪えているなんて勘違いをされているなんて、まさかそんなバカな。
あんな浮気男を慕うバカな女だと思われていた?
ありえない。
それでも、確かに周囲はそう思っていたのかもしれない現実に気付いて、わたくしは怒りが消えて脱力してしまった。
「本当に?そんなバカな勘違いをされているというの?」
尋ねた声はとても弱々しいものになってしまった。
「私がこんな嘘をつくとでも?お姉さま、あの殿下の為にお姉さまの大切な時間を浪費するのはもう止めにしましょう?大丈夫です、お父様もお母様も、お姉さまの本当の気持ちを伝えれば分かってくれますわ。今まではお姉さまが殿下を慕っていると勘違いしていたから何も仰いませんでしたが、お姉さまの気持ちがないと分かれば結論は決まってますわ。両陛下も話の分からない方々ではないはずですもの」
カトリンの言葉が弱った心に毒のように染み込んでくる。
お父様もお母様も本当に分かってくださるかしら?
陛下と王妃様も、そんなに簡単に話がつくかしら。
そう普通に疑問に思おうとしても、記憶にあるその人達の人柄はカトリンの言葉を肯定している。
お父様とお母様は基本的に優しいし、「最後に大切なのは結局は心だ」とわたくしに教えてくれたのは王妃様だわ。
「でも、わたくし、もうこんな年齢になってしまったわ」
婚約を解消したからといって、わたくしはこれからどうしたらいいというの?
「大丈夫ですわ!お姉さまは気付かれていないようでしたけれど、ウィルグス公爵家の次男のジェイク様がお姉さまの見た目の美しさに惑わされて盲目状態ですので、アプローチいたしましょう」
カトリンはにこやかに言っているのだけれども、わたくしの頭が追い付かない。惑わされているとか聞き流していい言葉ではないはずなのにわたくしにそこを細かく問い詰める気力がなかった。
「ジェイク様は確かにまだ婚約も結婚もされていないけれども、だからといって王家と婚約解消をするような娘となんて」
確かにジェイク様から好意に近い感情は感じたことはあるわよ。
ジェイク様が未だにお相手がいないのも不思議だったけれど、ジェイク様は跡取りではないから必ず結婚しなければならない訳でもないのだし。
それに、もしジェイク様と結ばれたとしても、我が家はカトリンとその婚約者が継ぐ予定になっているのだから、わたくしの行く場所がないことにかわりないわ。
問題だらけじゃない。
「お姉さま、大丈夫ですわ。ジェイク様に我が家に婿入りしてもらえば良いのです。我が家はお姉さまとジェイク様が継いでくださいませ。私とブレイトンは領地の端にこっそり住まわせてくださればいいですわ」
カトリンとブレイトンが家を継がない?何を言っているのよ。
「カトリン、あなた達から立場を奪うほどわたくしは非情な人間ではないわ。それにブレイトンともちゃんと話し合ったの?」
「話し合ったからこその話なのです。私とブレイトンは領主になるには向いておりません。お姉さまが家を継いでくださった方が我が家は安泰ですわ。そこにジェイク様のようなしっかりした方が側に居てくださったらより安心ですわね」
「でも、あなた達の今までの努力が台無しになるのよ?」
「お姉さま、私とブレイトンはその努力から逃げ出したいと思っているような実に領主に相応しくない無責任な者なのです。人には向き不向きがありますわ。私達は領主の責任を負いたくない情けない者達なのです。私とブレイトンのような無責任者はお姉さまのように堪える力を持ちません。己の命の浪費に堪えられないのです。堪えるくらいなら気軽に最悪の結論を出してしまうでしょう。そんな者達に領主の地位は相応しくありません。領主には相応しい者がなるべきです」
カトリンの言葉は最もらしく聞こえたような気がするわ。
それでもわたくしの気のせいなのかしら?
カトリンとブレイトンは責任を負わない気楽な人生を歩みたいと言っているのよね?
「立場というものは相応しいとか相応しくないとかではなく、その者の相応しくあるよう努力が必要なのではないかしら?」
「ですからその努力が出来ないのが私やブレイトンのような世にいう弾かれ者ですわ。お姉さまが思っているよりも儚くなる決断の壁は私やブレイトンにとっては低いところにありますのよ」
努力を怠る言い訳にしか聞こえないわ。
言い返そうとしたけれども、わたくしはやめることにした。
だって、カトリンが家を継がないというのならわたくしのいる場所は保証されるのだもの。
「あなた達が家を継がないというのなら、本当にわたくしが継いでもいいのね?あなた達は領地の北に行ってもらうことになるわよ?数年前におじ様が亡くなってから誰かが行かなくてはいけないはずだった所よ。領主の親族が近くにいるだけでも領民は安心するだろうから。山と畑だけの何もない所よ。若いあなた達に娯楽の少ないその地が堪えられる?」
「もちろん、お姉さまが継いでくださった方が私とブレイトンも安心ですわ。北の地も了承しました。ブレイトンは静かに詩作にふけれるならどこでも構わないとのことですわ。私やブレイトンのような弾かれ者は常人らしく振る舞うよう常に気を張っているのです。心が常に疲弊しておりますので、静かな環境は望むところですわ。私もブレイトンも常人らしくあれと自分で自分に気を遣うのにバカらしくなってしまいましたの。無能者になるなと厳しく躾られてきましたけれど、一番の無能者は自分の声すら聞けない自分自身ですわよね。自分の声を聞けない者が他人の意見を聞けるわけがありませんもの。領主には向いてませんわ」
カトリンの婚約者のブレイトンを思い出したわたくしは複雑になった。
確かにブレイトンとは世捨て人のような雰囲気を持っていた。わたくしには良さが全く理解出来ない詩作に夢中になっていて、勉強はかなりおろそかにしていたことも知っている。
カトリンは読書は好きでも勉強は好きではないようなので、本当に領主になりたくないのかもしれない。
王子妃になるべく学んできたわたくしには理解し難い話だわ。
常人らしくというのもわたくしには理解出来ない。わたくしは将来上に立つ者としての覚悟を持って生きてきたのだから。上に立つ者にはそれなりの覚悟が必要になるもの。
「心が決まったのなら早速お話に行きましょう!」
カトリンはまだ戸惑うわたくしを両親の元へと連れていくと、殿下との婚約を解消する話をすすめた。
わたくしが殿下のことを慕っている訳ではないことを伝えると、お父様もお母様も本当に驚いていた。本当に勘違いされていたのね。
その勢いのまま、両親はすぐに両陛下にも話をつけに行き、わたくしと殿下の婚約は驚くほどあっさりと解消された。
こんなにも簡単に話が終わってしまうなんて、今までのわたくしの苦痛は何だったの?
「お姉さま、後ろ向きに考えている時間なんてありませんでしてよ。若さで闘える内にジェイク様を騙して結婚してしまいましょう」
ちょっとカトリンが何を言っているのか分からないわ。
つまり、わたくしの本性を知るとジェイク様が逃げてしまう可能性があるから、見た目で騙されている内に手込めにしてしまおうということかしら?怒るわよ?
なんて、わたくしには戸惑っている時間もありませんでしたわ。
わたくしの婚約が解消されてすぐにジェイク様から結婚の申し出があったのです。
王家との婚約が駄目になってしまったわたくしの信用回復の為に王家に近い公爵家のジェイク様と結婚する方がいい、とまた話は急激に進み、婚約期間も最低限にジェイク様と夫婦になってしまったわ。
ジェイク様は本当にわたくしの見た目に騙されている、と自分で言うのも何だけれども、わたくしがちょっとお願いしただけで何でも言うことを聞いてくださるのよ。
男の方ってこんなにも簡単だったかしら?
殿下の時は自分で決めた訳ではない相手など認めない、と心を開いてくださることもなかったからよく分からないわ。
「うふふ。お姉さまったら惚気ですのね。わたくしもお姉さまが幸せそうで嬉しいですわ。悪意の呪いも解けたのではなくて?お姉さまが優しいところがあることを私は知っていましたけれども、悪意の呪いはその優しさを霞ませてしまいますもの。わたくしも不快な思いをすることが減って嬉しく思いますわ」
カトリンは定期報告として年に数回は領地の端から帰ってくる。
カトリンも相変わらず元気そうね。わたくしの今の悩みはこのケンカを買うべきかどうかかしら。
「確かに以前より考え方が穏やかになったような気はしているけれど、呪いだなんて言い過ぎだと思うわ」
「お姉さま、悪意は向ける方よりも向けられた方が覚えていますのよ。お姉さまが無自覚に放ってきた悪意は目に見えないので分からないかもしれませんけど。あのままでしたらきっと今も「みんなも不幸になればいいのに」と心の中で呪いながら過ごしていたに違いないですわ。誰も幸せにならない悪意のある見方をし続ける意味なんてないでしょう?」
カトリンの言葉に少しドキッとしてしまった。
どうしてわたくしがみんなも不幸になればいいのに、なんて王子妃にらしくない考え方をしたことがあるのを知っているの?
「そうそう、ブレイトンがこの間隣国に遊びに行った時に聞いたらしいのですけれども、殿下はもう帰ってこないと思ってよさそうですわ。どこかの王子様が他国を外遊中に旅の踊り子に夢中になって次の国まで追いかけたのに、その踊り子にはふられてしまったそうです。その国は今内戦状態らしく荒れているそうで、その王子様は反政府軍に捕まってしまったらしいです。自分はある国の王子だから助けろとその者が叫ぶので、我が国にも確認が入ったそうですが、陛下達はそんな者は知らないと返答したそうです。国交を結んでいない国で騒ぎを起こすような者は国として助ける価値はないですわよね」
カトリンは穏やかに笑いながら言っているけど、その話は笑って話すことかしら?
ところでわたくしが結婚してからカトリンとブレイトンも結婚したのだけれども、それまでは領主になりたくないが為に結婚を延ばしていたそう。
わたくしがなかなか結婚しないから2人も結婚が出来ないと思っていたのに違ったのね。
定期報告に来る度にブレイトンがあちこち行った話をしてくれるのだけれども、ブレイトンとの夫婦仲はちゃんと良好なのか気になるわね。
わたくし?
わたくしの方は旦那様はずっと優しいわ。
わたくしだってわたくしの性格が良いとは言えないことは分かっているのだけれども、旦那様はわたくしの醜い部分にいつ気付くのかしら?
もし気付いてしまったら、わたくしをどうするのかしら。
そう思うと心配で、前よりも自分の言動に気を遣うようになったわ。
思ったことを全てさらけ出すことが正しい訳ではないと分かってきたの。
旦那様は、わたくしの醜い部分を知っても変わらずに想っていてくださるかしら?