蒼穹のフィロ 私は失った誇りを取り戻す
遠い昔、人類は空を眺めるだけだった。
美しい澄んだ青の先に、どんな世界が
広がっているのか?
そんな取り留めのない思いを描きながら、
いつのまにか童心を忘れ、大人となる。
そんな幸せな日々が連綿と続く
平和な世界だった。
しかし、帝歴850年、神聖帝国南部のジム
という都市で重税に耐えかねた
市民の起こした暴動が混乱と激動の時代の
導火線に火をつけてしまった。
最初はほんとうに小さなボヤだった。
だれもがすぐに収まると信じて疑わなかった。
だが、帝国領土全体でくすぶっていた
重税重圧に対する憎しみ、打倒帝国を掲げる
隣国の介入もあり、複数の国家を巻き込む
戦いが始まった。
戦争は激化し、地上が暴力と略奪に
支配されるようになるにつれ、
不自由な大地と対称な空という世界への
憧れはもはや信仰へと昇華し、
晴朗教(せいろうきょう)
という宗教組織を生み出すに至る。
人々のよりどころとなる晴朗教は富と人材を
集め、その莫大な権力とエネルギーは
革命的な技術を生み出すことになる。
帝歴900年、晴朗教によりフィコと
呼ばれる飛行装置が発明されると
ひそかに空の開拓が始まった。
専属の魔道部隊を抱える帝国は、
当初、無骨な機械技術で生み出された空を
飛ぶ装置を取るに足らないおもちゃと
考えて放置した。
しかし、フィコに乗った晴朗教が
天空に浮かぶ謎の遺跡(フィコケープ)を発見し、
それが戦争を終わらせるきっかけとなった。
晴朗教の経典にはこうある、
「圧倒的な力こそ戦争の墓標なり」
抗うことすらできない力を手に入れたものが
勝者という、これはそんな思想の渦巻く世界で
「旧領(オルト)」
と呼ばれる地に生まれた少女の物語。
美しい澄んだ青の先に、どんな世界が
広がっているのか?
そんな取り留めのない思いを描きながら、
いつのまにか童心を忘れ、大人となる。
そんな幸せな日々が連綿と続く
平和な世界だった。
しかし、帝歴850年、神聖帝国南部のジム
という都市で重税に耐えかねた
市民の起こした暴動が混乱と激動の時代の
導火線に火をつけてしまった。
最初はほんとうに小さなボヤだった。
だれもがすぐに収まると信じて疑わなかった。
だが、帝国領土全体でくすぶっていた
重税重圧に対する憎しみ、打倒帝国を掲げる
隣国の介入もあり、複数の国家を巻き込む
戦いが始まった。
戦争は激化し、地上が暴力と略奪に
支配されるようになるにつれ、
不自由な大地と対称な空という世界への
憧れはもはや信仰へと昇華し、
晴朗教(せいろうきょう)
という宗教組織を生み出すに至る。
人々のよりどころとなる晴朗教は富と人材を
集め、その莫大な権力とエネルギーは
革命的な技術を生み出すことになる。
帝歴900年、晴朗教によりフィコと
呼ばれる飛行装置が発明されると
ひそかに空の開拓が始まった。
専属の魔道部隊を抱える帝国は、
当初、無骨な機械技術で生み出された空を
飛ぶ装置を取るに足らないおもちゃと
考えて放置した。
しかし、フィコに乗った晴朗教が
天空に浮かぶ謎の遺跡(フィコケープ)を発見し、
それが戦争を終わらせるきっかけとなった。
晴朗教の経典にはこうある、
「圧倒的な力こそ戦争の墓標なり」
抗うことすらできない力を手に入れたものが
勝者という、これはそんな思想の渦巻く世界で
「旧領(オルト)」
と呼ばれる地に生まれた少女の物語。
1-1.第一戦 ビーム上空にて
2019/03/24 22:35
(改)