~始まった長い夜~
※ホモ臭いストーリーではございません。
この話はにわかには信じがたいことだと思う。俺も実は夢だったのではないかと思うほどだ。
とても長かったようで短くもあった……
これはとある男と子供に出会った、
最初で最後の長い長い夜のお話だ。
プロローグ━1
「始まりの夜」
夜。それは毎日来るものだ。
どんな事があろうと人の感情なんかじゃ変わりはしない。
それは普通であり変わることの無いものだ。
「ふぅ…。」
俺はバイトが終わり家に帰ってきた。
いつもと変わらない、いつも同じ事の繰り返し。
たまに違う道から帰ってみても結局はいつもの家に帰る。
平凡な日常を送っている。
バタンッ
帰り道のコンビニで買ってきた弁当を温める。
ピーー
温め終えた弁当を取り出す。
「アッつ!?」
温めた夜ご飯を落としてしまった。
「はぁ…まただ、今日はホントについてないな。」
ついてないと言ってもとても些細なことだ。
朝起きた時、ベットから落ちたり、目玉焼きを焦がしてしまったり、バイトに少し遅れたり、帰り道、車に水をかけられたり……数えているだけでも嫌になってきた。
「もう寝よう…」
今日のついてなさに呆れて寝ようと思った。
グゥゥゥゥ…
腹が減った。
もう寝たいが飢餓には抗えずたまたま家にあった食パンを手に取った。
そしてトースターに入れようとした瞬間、俺は手を止めた。
「危険だ。」
俺はふと呟いた。
しかしこれはトースターだ。
昨日も使って何も起こらなかった。
少し離れてトースターを見てみると、トースターのコンセントが途中で切られトースターに繋がっている。
「なんだ…これ…?」
運が悪い……じゃないよなこれ。
「誰か俺の家に入ったのか?」
いや、そんなはずない……というか無いと信じたい。
特に恨みを買うようなことをした覚えはない。
俺は至って普通の大学生だ。どこにでも居る。
成績は中の中。特に取り柄もない……
すると「ズガァン!!」という大きな爆発音が響き、家の電気が消えた……そして夜の月明かりが部屋を照らした。
「ついてねぇな……ホントよォ。」
家に大きな穴を開けて一人の男が飛んできた。
飛んできたと言うのは少し語弊があるだろう。突っ込んできた、といったほうが適切だろうか?
まぁ、いまはそんなことはどうでも良い。こいつは一体なんなんだ…?とそんなことを考えていると、瓦礫を分けて男が立ちあがり
「いやぁ〜実に運がないここまで酷いのはいつぶりだろうか。なぁ、君はどう思うかね?少年よ。」
しばらくの沈黙の後俺は思い出したように言った。
「はぁ…!?お前、誰だよ!」
「誰だと言われてもなぁ…誰だと思うかね?」
と男は言った。誰だと思うもなにも分かるはずがない。突っ込んで来たのだ。家に。
「誰だと思うって…人の家に突っ込んできたオッサンってところか?」
俺は皮肉げに言った。
それに気付いていないかのように男は
「まぁ、家は後で直してやるから気にするな。」
「気にすんるな。じゃないだろぉぉぉぉぉ!お前、どういうつもりで突っ込んできたんだよ!」
そう言うと男は思い出したかのように言った。
「そうだ…忘れるところだったよ、ありがとう少年。話があってきたんだ。それは──」
(忘れかけていたことを思い出させただけでお礼を言うのに家を壊したことは謝んないのかよ)とツッコミたい気持ちを我慢してその言葉の続きを待った。しかし、
ブンッ
と言葉を遮るようにして男と同じ程度の大きさの拳が飛んできた。
そして男はその拳を軽々しく足で止めた。
「フンっ!!」
と、その拳を蹴り返し
フゥ……と吐息をつき
「邪魔が入ってしまったね、12秒程度待っててくれないかい?」
「はっ……はぁー?」
頭の理解が追いつかない。目の前には自分の身長よりでかい拳を蹴り返したオッサンと
その拳を飛ばした人(?)いや、明らかに人ではない大きさの化け物がいた。
するとオッサンが動いた化け物の顔を蹴り飛ばし、その化物の首を飛ばした。
ボトッ
生々しい音を立て、化け物の首が落ちた。
「さて、やっと本題に入れるよ。」
とにこやかに笑いながらこっちを見た。そこから俺の長い夜の時間が始まった……
初めての投稿でしたがいかがだったでしょうか?
今後の改善に努めていきたいと思いますのでご意見などをよろしくお願いします!
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