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二週目の人生はgood endで!

作者: みん

久しぶりの投稿なので、短編にしてありますが好評ならば続きを連載していこうと思うので、評価よろしくお願いします!

  ーー俺の人生は白黒テレビのようだ。


  見る景色全ては白黒で、何一つ色づかない。

友達、家族、教師誰からも相手にされず生きてきた。


  学校では机に落書きやイタズラ……なんて甘いものではなく、そもそも俺の机がない。机は2ヶ月まえに破壊された。


 家でもゆっくりできるはずはなく、親はまるで俺の存在なんかないかのように生活している。だから食事、洗濯などの家事はすべて自分でやらなければならない。


  ーーそれも今日までだ。


  今いるのは、とあるビルの屋上。下に見える車がミニカーに見えるほどの高さ。

周りに風を遮るものがないせいか、風もいつもより冷たく感じる。


  正直、ここに着くまでは死の恐怖に怯えていたが、今はそうでもない。


  むしろ、今までのことを考えればたった一度、たった一瞬の恐怖で楽になれるというのであればどれだけ幸せなことか。


  ーーあぁ、ようやく楽になれる。



  俺がビルの淵に足をかけ、重力に身を任せ飛び降りた。


  ーー本当何にもない人生だったな。せめて何か一つでも俺の人生が色鮮やかなものになればよかったのに……。


  薄れゆく意識の中で俺は、もう叶いもしない願いを心の中で呟いた。


  数秒後には地面と衝突し、俺はミンチになる。もう何かもわからないただの肉片。

そんなことわかってはいるが、やはり人並みの人生は送ってみたかった。


  みんなが見ている色鮮やかな景色を俺も一度は……いや、鮮やかでなくてもいい、一色だけでも見れたらそれで幸せだった。


  俺が落ち始めてから何秒が経ったんだろう。もう一分近く経っていないか?


  いや、そんなはずはない。俺が選んだビルはたしかに周りの建物に比べれば高い物ではあるが、落ちるのに一分もかかるほど高くはないはずだ。


  俺は目を開け下を見る。


  ーーそこにはあり得ない光景が広がっていた。


  下に見える車はすべて止まっていた。一瞬渋滞してるのか?  とも思ったが、周りを歩く人もみんな動きが止まっているのでそれはあり得ない。


  俺自身もどうしてこのような状況になったのか、全くわからないその時、俺の頭の中に声が聞こえた。


  ーー君は君の人生をどうしたい?


  聞いたこともない女性の声。透き通るような優しい声音。初めて聞くはずなのになぜが心が落ち着く。

人生をどうしたい?  そんなの決まってる。


  「もっと色鮮やかでカラフルな人生を送ってみたかった」


  これが俺の願いだ。これ以上は何も求めない。


  「わかった。なら私がその願いを叶えてあげよう」


  謎の声がそう言う。一体お前にどんな権限があってそんなことできるのか、俺には全くわからない。おそらく死ぬ恐怖で幻覚でも聞こえてるのか?  はたまたここはもうすでに天国なのか?  まあ、どっちにしても死ぬならなんでもいいか。


  「ただし、君にはある条件を飲んでもらうよ」


  「ああ、わかった。なんだかよくわからないが多分大丈夫だ」


  この際、こいつの話にとことん付き合ってみよう。今より結果が悪くなるなんてことはあるわけないのだから。


  「それは…………………………」


  ーー彼女たちを救ってあげてほしい。


その声を最期に謎の声は消え、時が進み……俺は肉片になった……。

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