episode8~アネモネ~
そこは白い場所だった。
永遠に白が続いていた。
周りには何もなかった。
物と言えるものは何一つなかった。
でも、そんな空間がとても居心地が良かった。
初めて来た場所にも関わらず‥‥
「やぁこんにちは」
後ろから突然声がした。
後ろを振り返るとそこには宙に浮いた小さな少女がいた。
その子の髪は光が反射してそのままの色を残してしまったかのような綺麗な銀髪で。
目も海のように青く輝いたの焼き付けたような青色だった。
服はふわふわとした真っ白なポンチョみたいなのだった。
一言でいえば神々しかった。
私は少し胸が高鳴った。
こんな子に今まで一度も会ったことがなかったからだ。
だぶん一生見れないと思っていた。
私の頭は好奇心で溢れかえる。
そして、その好奇心は私の口に移され質問となる。
「あなたは誰なの?」
興奮した様子はあまり見せないように冷静に質問をする。
この時のスイッチの切り替えは自分でも驚くほどだ。
「君とても珍しね、僕の姿を見たら大体は驚いてどっか行っちゃうのに。」
この少女は私の質問には答えず私をみて不思議そうにそんなことを言ってきた。
そりゃ私だって驚いたさ。
でも、逃げると言う選択肢は私の思考にはない。
少し前の私だったら逃げていたかもしれないが、今は聞きたい。
多分この少女は魔法もしくは異能力に関係がある。
これは私の直感だが当たっているだろう。
じゃないとこの白い空間になぜ私がいるのか。
この少女がなぜ宙に浮いているのか。
納得がいく説明をできるもんなやってみろと言いたくなる。
「面白いね!君!気に入った!」
少女がそう言った。
次は私に興味を持ったように目を輝かせた、そのせいか少女の青い目も一層輝きが増していた。
「僕の名前はセリア・ガレット。よろしくね!」
セリア・ガレット。名前まで神々しかった。
「私の名前は結。よろしくね。セリア・ガレットさん」
「堅苦しいなぁ、ガレットでいいよ。結」
少女は優しい笑顔を向け握手を求めてきた。
こういうことはあまり慣れないがたまにはいいと思った。
ガレットの透き通ったような白い肌は私が触れたら壊れてしまいそうだったので少し弱めに握った。
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「ガレット」
「どうしたの?」
「ガレットは魔法か異能力どっちに関係があるの?」
そう、私が一番知りたかった質問。
これを聞かなきゃ始まらない。
「ふふ、ほんっっっとうに結は面白いね!いいよ教えよ!」
ガレットは笑った。
満面の笑みで。
「僕はね、魔法の神様なんだよ。」
魔法の神様‥‥
予想はしていなかったけど。
でも、この神々しい容姿。
神様と言われても納得がいく。
「魔法の神様って言うことは魔法を作り出したってこと?」
「うーーん少し違ううんだよ。」
違う?
「魔法は最初から存在していたって言ったらいいのかな」
私が予想していたこととはかけ離れたことだった。
魔法が元からあったって。
右斜め上を突き抜けられた感じだな。
「魔法は元からあってね、その魔法の魂みたいなのが人に乗り移って、そして魔法使いの完成みたいな感じかな。」
とても簡潔でわかりやすかった。
じゃ、アスネさんもその一人になるのかな。
うん、だっったらなんで‥‥
「そしたらガレットいらないような気もするんだけど。」
「ひどいなぁーそんなことないよぉー」
とプクーと頬を膨らませた。
いや、だって魔法の魂が人に乗り移って魔法使いの完成なら、ガレットの出番ていつなんだ?
「僕の出番いつなんだとか思ったでしょ。」
と機嫌を損ねた声で私が考えていることを見破った。
「じゃちょっと説明しよう。」
そして、一呼吸置き話始める。
「昔の時代にね魔女狩りってあったんだ。」
そんなこと聞いた事がなかった。
「その魔女狩りは魔女に恐れをなした人間が一般人をも巻き込んだものでとても残酷だった。
その時代魔女も本当にいたわけだからね。哀れな人間はその生け捕りにした一般人を拷問。
最後に「私は魔女です」と言うまで拷問し続けた。」
実際にこんな話を聞くのは初めてだった。
私は少し吐き気をも感じた。
「で、そんなことはとても見ていられなかった僕が一時的に魔法使いの魔法の塊も奪って、一般人の記憶を消したってわけ。どう?僕案外すごいことしてるでしょ?」
いや、凄すぎるだろ。
時代変えたぐらい凄いことをしている。
「ところで結」
と突然話しかけられた。
私はガレットの顔を見るなり少し驚いた。
ガレットがとても真剣な表情をしていた。
私は体の自由が利かなくなっていた。
「ちょっとだけ眠っていてくれるかい?」
そう言われた。
驚きはしたものの信用はしていた。
「いいよ、後で事情を聞かせてね。ガレット。」
「もちろんさ」
そうしてガレットは私の額に中指を当てた。
そこから私は気を失った。
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「さしぶりだね、セリア・ルーラ」
「あぁさしぶりだなセリア・ガレット」
一か月更新サボるとか何様なんでしょうね。
本当にすみませんでした。