表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王で♂ですが、JKやってます。  作者: ドブロッキィ
第二部 学生満喫編
50/90

閑話 エイプリルフール企画 コイツ本当はこんなでした。

エイプリルフール企画。


プロット段階でのキャラを死蔵させるのももったいなかったのでこんな感じでしたーと書いてみました。


一個目の話は一人称視点で”僕”と言っているのがオニキスです。

ヤツは最初の予定ではボクっ娘でした。

48




「角付き女がこのデトリチュス子爵の次期当主、スクビデア=ミュル=デトリチュス様と同じクラスに居るのか?全く学園の品位も落ちたものだな。多少見た目が良いからと言い気になるなよ?フェガリの売女。」


 スクビデアと名乗った子爵の息子は僕に品のない視線を向けてきた。何かひどく侮辱されているようだが僕はこの男の気に障ることをしてしまったのだろうか?


「フェガリから出てきた田舎者に、この私がサントアリオ式の挨拶を教えてやろう。」


 そう言うとスクビデアは教室の隅にあった掃除用のバケツを手に取り、僕の頭から汚水をぶちまけた。


「アハハハハハ!!!お似合いだよアバズレ。水も滴るいい女になったじゃないか?」


「何をしているのです!!」


 スクビデアの下卑た笑いがこだまする教室に、凛とした美しい声が響き渡る。


 声のした方を向いたスクビデアが声の主が誰なのか確認すると、彼の顔が歪みその表情が僅かに動揺した。

 僕も声の主を確かめると、そこには神々しいほどに美しい金髪の少女が立っていた。その美しさは儚げな雰囲気を纏いつつも、その双眸に強い意志の光を湛え、彼女の高貴な心を現しているかのようだった。


「スクビデア様、彼女に何をなさっているのかと問うております。」


「く、フェガリの田舎者に都会の流儀を教えてやっただけです。只の挨拶ですよ。なあ、オニキス=マティくん?」


 彼女の登場に焦りつつも尊大な態度は崩さず、スクビデアはメチャクチャな事を口にする。それを聞いた彼女の眼光が一層鋭さを増していく。


「そうですか解りました。貴方はクラスメイトにただ挨拶をしていただけだと。そうおっしゃるのですね?」


「そうだとも、ボクと彼女は友人だからね、まあ多少は巫山戯あったりもするものさ。」


 軽薄な笑みを浮かべるスクビデア。しかし、彼女はそんなスクビデアに臆する事もなく、まっすぐに目を見てこう言い放った。


「……わかりました、それが挨拶だというのでしたら、是非クラスメイトである私にも同じ事をなさってください。」


「な、ちぃっ……。」


 スクビデアはバツが悪そうな表情を浮かべると、短く舌打ちをし、その場を無言で立ち去った。

彼が立ち去るのを確認すると、彼女は泣き出しそうな表情を浮かべて僕の方へ走り寄ってきた。


「ああ、申し訳ありません。折角遠くフェガリからいらっしゃってくれた方にこんな……。どうかこの事で私達サントアリオを嫌いにはならないでくださいませ。」


 僕は突然の事に呆気にとられていたが、心配そうな彼女が僕の髪や顔をハンカチで拭いてくれたおかげで

意識を現実に戻すことが出来た。


「あ、ダメですよ、僕今汚れてますから!ハンカチが……。」


「ボク?ふふ、とてもかわいらしいのに男性のような言葉遣いをなさるのですね。」


「え、あ、うぁ……。」


 咄嗟の事に、ついついいつもの調子で僕と言ってしまった。これじゃあ僕が女装している男だってバレてしまう。

 そんな事を考えパニックになっていたが、彼女は優しい笑みを浮かべ僕の汚れを拭ってくれていた。


「あ、あの、僕オニキス=マティといいます。」


 わぁ、何で自己紹介してるんだ、突然過ぎて脈絡がないだろ……馬鹿か僕は。


 僕はパニックに近い状態で謎の自己紹介をしてしまい、穴があったら入りたいほど恥じ入っていたが、彼女はそんな僕を馬鹿にするでもなく自己紹介をしてくれた。


「ご丁寧にありがとうございますオニキス様。私はリーベ。リーベ=グリュックと申します。」






シャマ オニキス リコス「「「誰だよっっっ!?」」」


リーベ「ふぇぇぇぇ!?」







 ―――― シャマ編







 サントアリオ聖王国の西、川を挟み対岸にそびえる白亜の城、

魔王城フェガリカステロ。


 魔王城なのに白亜、違和感を大きく感じる建物ではあるが、

そもそもこの世界においての魔王とは

人族の支配地域であるサントアリオ聖王国を除く国の王のことを指す。


 つまり人族から見た異種族の王すべてが魔王であり、

その者が邪悪の化身かと言うと全くそのようなことはない。

 しかし、それぞれの国が友好的なのかというと

その呼び名から想像できる通りあまり良好とはいえない。


 サントアリオ聖王国を中心に、北に獣人の国クティノス。南に竜人の国レピ。

東には大森林が広がり、大森林を超えた先に鳥人の国フテロマ。

そして西に有角族の国フェガリがある。

 中でもフェガリとサントアリオは50年前、先代魔王の時代に直接戦争を起こしているため、

今も国民の中には互いに対する敵対心が少なからず残っていた。


 フェガリカステロの最奥、玉座の間。

そこに座す黒髪の少年。

フェガリカステロの城主、魔王 オニファス=アプ=フェガリである。


「……由々しき事態だ……。」


 オニファスは誰にともなくそうつぶやき、横に控えている側近を見つめる。


「何を悩んでおいでなのですか?」

 

「サントアリオとの交易がほぼ途絶えてから早50年。

先の戦争にて互いに疲弊した後、

相互不可侵の条約を結び一応は終結したように見えるが終戦の宣言はしておらぬ。」


「それがどうかなさいましたか?」


「解らぬか?……グレコ。」





シャマ「え゛ぇ゛ッッッッッ!?」









実はこの物語の正ヒロインはサントアリオの聖女 リーベ先輩だったのです!


2つ目の話は殆どプロローグと一緒の文章ですが、後ろに控えているのがシャマではなくグレコです。

そうです、シャマは最初グレコだったのです……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ