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魔王で♂ですが、JKやってます。  作者: ドブロッキィ
第二部 学生満喫編
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第十一話 **復活

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 一行は当初、拘束され行動不能になった巨骨に意識を向けていたが、その奥にある扉に近づくとその異変に直ぐに気が付いた。先程まではあまり気にもならなかった程度の物であったが、扉に近付くに連れ徐々に濃密になった魔力(それ)は、今や魔術師ではないスミス等盗賊たちにさえ知覚できる濃度になっていた。


「嬢ちゃん……こいつぁ。」


「魔力……ですね、今まで感じた事の無い感じの物ですが。何でしょう、禍々しいと言いますかなんと言いますか、寒気を覚える魔力ですね。」


 本来魔力というものは、それその物は只の力であり、個々人の資質により何かが変化する類の物ではない。しかし、この部屋から漏れ出る魔力からは、生物の本能に訴える絶対的な恐怖のようなものが含まれていた。この様な異常事態に突如晒された人という物は弱く、押並べて足は止まり、その表情は恐怖に凍りつき……


「オニキスちゃん凄い、凄いですよぉ!これは何やら剣呑な雰囲気です。お宝の匂いです!!」


「貴方、大体何が起きてもお宝の気配とか匂いとか言いますよね。でも私、未だにシャマさんがお宝ゲットした所見たこと無いんですが……と、言いますか、貴方のお宝に対する嗅覚って慢性鼻炎気味ですよね?」


「ふえぇ、そんな事言ってる場合ではないと思いますぅ~。」


「俺ぁ、もう何も考えないことにしたぜ……。」


 この様な異常事態に突如晒された人は、この様な事態に怖気づく事は無かったらしい。場には弛緩した空気が流れていた。


「とは言え、この空気というか魔力ッスか?普通じゃないッスよ。ここは慎重に進みま……。」


「たのもーう!」


 ゴシャァッ!!


 場の空気は読めないが常識人の盗賊マークの言葉が終わる前に激しい破壊音が響き渡った。


「うーわ、扉を蹴破りやがった……。」


「何驚いてるんですか、あの骨が半分以上壊してるんですから罠がないことは判ってますし、仮に罠があったとしても扉ごと破壊すれば罠は発動しないものですよ!!」


「爆破の罠とかだったら死んでますけどね……。」


「大丈夫です!シャマは運がいいからそういう事は滅多にないのです!」


「運任せかよ……。」


「あー、取り敢えずボクとしては奥から溢れてくる魔力が気になって仕方ないんだけど……。」


「よかった、まともな人も居たッス!!」


 シャマの蹴りによって大きく開かれた金属扉の奥からは更に濃厚な魔力が溢れ出し、部屋の奥の方からは低い駆動音のような物が聞こえてくる。すると突然天井に埋め込まれた棒状の物が煌々と光を灯し、室内の状況を照らし出した。


 そこは無機質な部屋だった。殺風景な金属の壁、奥に見えるのは古代文明遺跡によく見る何らかの装置。そしてその横には蓋の部分と思われるガラスが叩き割られた円筒状の巨大な寝台のようなものが備えられていた。恐らく先程のゴーレムはここから出てきたものと思われる。が、何らかの誤作動をしたのか、内部から破壊された装置は激しい火花を散らし、古代文明に詳しくないものが見ても、明らかに故障していることが見て取れる状態だった。


「さっきの奴はここから出てきた感じだな?蓋をぶっ壊して出てきやがったのか。」


「シャマさん、この装置がなにか解りますか?」


「うーん、ちょっと待ってくださいねー。」


 オニキスの問に反応し、シャマが火花を散らす円柱の横にある装置に手を伸ばす。ガラスで出来た壁には古代文字が映し出されシャマの操作する装置に反応しその表示を変化させていった。所謂遺跡装置の操作用コンソールであるが、これを操作するシャマの表情が徐々に険しいものへと変化していく。


「うーん、経年劣化かあのゴーレムに壊されたせいか判らないんですけど、どうにも文字化けが激しくてわかりにくい部分が多いですねえ。取り敢えずこの装置は無から有を生み出す装置と言いますか、何かこの遺跡にとって重要な物を作り出すための装置?みたいな感じみたいですね。この寒々しい魔力はこの装置の原動力兼、この何かを作り出す材料でもあるみたいですね。これ、とんでもない発見ですよ。」


「作り出すのはあの出汁のとれないゴーレムとかスケルトンとかですか?」


「まだ言ってるのかよ……。」


 オニキスは無限に湧き出すアンデットの群れを思い出し、シャマに問いかける。オニキスの言葉に再びコンソールを操作するシャマは、眉根を寄せつつ画面を睨みつけていたが、暫く操作すると首を横に振った。


「あのゴーレムは最終防衛の為に、この魔力で生み出された強力な個体みたいですけど、他のスケルトンは違うみたいですね。スケルトンの群れを制御しているのはこの装置ではなく別にあるようで、そちらはもう少し粗雑な魔力を使って自動的にスケルトンを生み出しているみたいです。素体になる人骨はガワだけ人の形をしてますが、構成する物質は単純な物みたいで、人骨とはちょっと違うみたいですね。この辺専門用語が多くてちょっとシャマには解からないです。ゴーレムに関しても無から作ったわけではなく一応あの骨、竜種の骨は組んであったみたいで、そこに魔力を注いで起動したみたいですね。完全に無から作り出すのはまた別のものみたいですけど、ざっと見た感じではちょっとわからないですね。」


「それじゃあ帰還用の装置はここには無いのですか?」


「それは大丈夫です。どうやらここから地上に出るための装置もあるみたいです。」


「ふえぇ、そんな事も解るなんて。シャマちゃんは博識さんなんですねぇ~。」


「大船に乗った気持ちで任せてくださいよ。シャマはこう言うの詳しいのです。」


「このセリフ……あ、ボクもうオチが見えたなー。」


 突然室内に警報が鳴り響き、地面が激しく揺れ始めた。


「……シャマさん?」


「ん、間違ったかな?」


「こう言う天丼(くりかえし)はしなくて結構です~!!」


 慌てる一同の頭上、壁に空いた小さな無数の穴、所謂スピーカーから女性の無機質な声で古代言語の放送が鳴り響いた。


『最終起*命令*認。これより*神*活プログラム、最終**を実行**します。…………システムエラー、培養槽の致命的破損確認。残*魔力と通*魔力併用で魔*素体構成は可能と判断、作*工程の*害をシミュレート*ます。高濃度魔力の漏洩が予測されます。職員は速やかに対**度魔力装備を***、指定の持ち場に***さい。…………想定*上回る魔力の漏洩を**。……プログラムの強制終了を致し**。システ*エラー、プログラムの強制終了に失敗いたしました。……再度プログラムの強制終了を致し*す。シ*テ*エラー、プロ**ムの強制**に失敗いたしました。非*事態**。**は速やかに施設の封*を実行し、*避をしてください。繰り返します……。』


「シャマさん、何かこれ物騒なこと言ってません?私、古代言語詳しくないので翻訳お願いしますよ。」


「うーん、途切れ途切れなんですけど、古代文明の何かを復活させちゃう所だったみたいなんですけど、何か壊れちゃってたので非常事態発生~みたいなこといってますね。良かったですね、何か良くない物の復活を阻止しましたよ!」


「おいおいおい、大丈夫なんスか?」


「大丈夫です!高濃度魔力が漏れまくってるだけみたいなんで!!」


「ふえぇ~、全然大丈夫じゃないぃ~。」


「オニキスちゃん、何か便利な魔法でパパっとやっちゃってくださいね!」


「何か便利な魔法ってなんですか、雑ですね!?取り敢えず漏れた魔力を地上に流す感じでいいですか?」


「多分大丈夫です……はじまりますよー!」


 どこか呑気な感じのする二人の掛け合い、しかしその表情から事態は中々に切迫していることが窺え、一同に緊張が走る。オニキスは魔力循環(アフィプニスィ)の要領で大気に漏れ始めた魔力に干渉する。漏れ出した魔力は只々待機に漏れた力であるために、魔力操作を得意とするオニキスの誘導に従い地上へと流れていく。


「うわぁ、本当になんとかしちゃうんだ……本当にめちゃくちゃだねえ……。」


「お姉さまが居ると大概の事は何とかなっちゃう感じがしますねえ。」


「流石、オニキスちゃんは便利で都合のいい女ですね!!」


「シャマちゃん酷すぎるよ!?」


『構成*力不足、通常魔力に**補填開始。これに伴い**の性質に多少の変***ることが懸*されます。』


「何か漏れてくる魔力から先程までの寒々とした感じが薄れてきましたね。」


 先程まで超高濃度魔力の操作で余裕がなかったが、徐々に漏れる魔力が通常のものに変化していった為、片手で魔力を操作出来るようになったオニキスは、空いた手を使ってシャマの頬を抓り上げる。


「痛い、多分この声が言ってる高濃度魔力から、痛い、補填用の通常魔力に切り替わったせいだと思いますね。痛いですオニキスちゃん。」


『工程完*。**顕現します。」


「あー、えーと、なんか出ます!」


「大雑把ですね!?」


 漏れ出す魔力が止まり、光が部屋の中を包み込む。オニキスは万が一の事態に備え何時でも角を開放できるように身構え、シャマもまたそれに続く。やがて光は薄れ、火花散る円柱の中に小さな影が見えた。一同は唾を飲み込み円柱の中の影を注視する。


 そして……。


「……んー、くぁ……。」


「えーっと?シャマさん、あれがその”何か”ですか?」


「た、多分……?」


 想像と違う物が出てきた為、戸惑う一同の前で”それ”は伸びをし、欠伸をした後、発声練習をし始めた。


「あ、あう、あー、あー。ケフン……。」


「んーと、おはよーございます?おとーさん。」


 彼らの目の前には、礼儀正しくペコリとお辞儀をする黒髪黒瞳の10歳位の全裸幼女が立っていた。



章タイトル変えたほうが良いかしら。


何時も拙作を読んでくださりありがとうございます。

感想を貰えるとドドブロッキィは喜ぶます。

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