後編
続きです。
そうしたら、いきなり目が覚めたんです。
まだ夜も明けない暗い時分で、
枕元の小窓から、
何やら規則的に回転する、
赤い光が射していました。
そうしてだんだん我に返ると、
そんな時間にしては、表がなにやら騒がしくてね。
上着を肩に引っ掛けて、様子を見ようと立ちましたら、
玄関の戸を慌ただしく叩く人があり、
私の名前を呼ぶ声がしました。
何かが起きたに違いない、そんな胸騒ぎがしましたので、
素足にサンダルを突っかけて、急いで顔を出したんです。
するとそれが制服着た警官で、
家の脇には救急車が停まっているもんだから、
驚きましたよ、本当に。
それでそのお巡りさんがね、
私の家の門口に、あろうことか
赤ん坊が捨てられていたって言うんです。
新聞配達の人が偶然それを見つけて、
救急車を呼んだから良かったものの、
泣き声も上げられない程弱っていたから、
発見が遅れていたら死んでいたかもしれない、
赤ん坊について何か知らないか、って。
まさか私の子ではなし、
知りませんと答えましたけれどねぇ。
電線が風に鳴る音、あれがひょっとして
赤ん坊の泣き声だったかもしれないと思うと、
手足どころか背筋まで凍る気がして、
昨晩は、もう、寝付けませんでしたよ。
都合よく無視したいものは、何ですか・・・?
この作品は、前作「ろばの耳」「けはい」と共に「変な風に怖い話」シリーズとして書きました。
今後も思いついた時ゆるゆると投稿しますので、見かけたらよろしくお願いします。
あなたの次に出会う物語が、よい出会いとなりますように。
お読みいただきありがとうございました。
内野さびねこ