待っててね
ゲームの主人公視点です。
僕の名前は、天野 星夜 十七歳。
天川高校の生徒会長である。
僕には前世の記憶があって、かつて腐男子とよばれる類いだった。
そんな僕にはとても気に入っていたゲームがあり、『天シリーズ』と呼ばれるBLものだった。そのシリーズの中でも特に気に入っていたのは『キミホシ』だ。理由は、物凄く好みの攻略対象者が居たから。
その攻略対象者の名前は――桜水 凉彦。
主人公のふたつ下で、このゲームシリーズ"唯一"の受けだった。
そして、他の攻略対象者よりも若干劣っていた。
そう、『劣っている』のではなく『劣っていた』のだ。
容姿は、若干癖っ毛の黒髪に黒曜石が埋まったような瞳。そして、パーツと配置は良いのにあまり目立たない顔。身長も女性が理想とするものよりも、やや低い。なによりも、性格に癖が無いのが他の攻略対象者とは大きく違う所だろう。
だが、彼は選択によっては自分好みに変えられるのだ。
それはもう、人気が出た。
しかし、エンドはとても彼が幸せとは言えないものばかりだった。
これには、プレイヤー達が嘆いた。残酷な終わりかたにゲーム本社に問い合わせをした者達も居た。因みに僕も問い合わせをした。
本社曰く、彼の真のエンディングがあり、それはレジェンドエンドというらしい。
多くのプレイヤーがそのエンドを目指した。だが、どんなに頑張ろうともそのエンディングにたどり着けた者は、一人も居なかった。
そして、一人、また一人と彼の真のエンディングを諦めた。
僕は、諦めずに彼の真のエンディングを目指した。
だが、睡眠時間を削っていた為に車に気が付かず、道路に飛び込んでしまったのだ。
車に撥ね飛ばされたにも関わらず、最後に考えていたのは凉彦の事だった。
次に目を開けた時には、僕はもう『天野 星夜』という主人公に生まれ変わって居た。
僕は、前世の僕が出来なかった夢を果たそうと、思った。
今度は、『ゲームの凉彦』じゃない『現実の生きている凉彦』を幸せにするのだ。
明日は、入学式。凉彦との出合いだ。
待ってて、絶対に僕が幸せにしてみせる。あんな、最後ではなく。
『真の最後』を。
書いてて、自分勝手な奴だなーと思ってしまいました。
でも、これはプロローグ。まだまだ、未來は判らないものです。




