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相羽総合サービス業務日誌3  作者: 笠平
プロジェクトマネージャー・小畑憲 篇
9/11

Ⅸ・はじめてのアポイント

 ――翌朝。小畑は定時30分前に出社した。

 事前に相羽社長より手渡された鍵を使い扉を開錠する。


 真新しい壁に囲まれ、ビニールを剥がしたばかりのデスクとPCが5台並ぶ小さな部屋。

 小畑の席から正面を見て、左側手前が沙希、奥が麻衣子。右側手前が森山、奥は予備席と『コの字』に並んでいる。

 真新しいゆえ、カレンダーも予定表もなくまだ殺風景に見えるこの旧第二倉庫が今は小畑の居城、新規事業推進室である。


 そして小畑の肩書きは各事業部門の本部長と並ぶ室長、正確に言えば室長代理という社内でも5本の指に入ろうかという重要なポジションを任されていた。


 勿論、今まで剣を振い、術を行使し戦い抜いてきた小畑にとって、その重要性は1割も理解できていないのだが――。


「さて、大将。では早速始めるかいっ」


 朝からハイテンションな男性が小畑に話しかけてきた。


 森山光行――入社6年目を迎えた27歳。入社以来営業畑であり前所属は第二営業部。

 かつての小畑、いやケインのパーティーメンバーであるライトにあまりにも酷似している青年。不揃いでラフな髪形をしており、やや長身で骨格も太く体育会系にありがちな風貌。スーツも着崩しているが、それが彼の豪快さとマッチし不快感を与えない。左手薬指にはシンプルな銀のリングが光る。

 何かというと妻に虐げられていることをネタにしている尻に敷かれた既婚者なのだが、付き合いの長いものであればそれが妻への愛情の裏返し、照れ隠しであることは容易に想像がつく。


「おはようございます、森山さん。早いんですね」

「おっと、大将。確かに俺の方が年上で先輩であるが、お前さんは俺の上司だ。もっとフランクに接してくれよ」

「えーと……うん、わかったよ」


 その様子を見て満足気にウンウンと頷きながら、森山は小畑に30枚ほどの紙の束を渡してきた。


「これは?」

「俺特製の研修資料。昨日徹夜で仕上げてやったぜ」

「えぇ?!、あ……ありがとうござ……いや、ありがとう、嬉しいよ」


 この面倒見の良さはライトのそれとほぼ被る。かつて力任せな自己流であったケインの剣術に、基礎から叩き直しつつ手ほどきしたのもライトであった。もっとも当時はこんなにも穏やかな関係ではいられなかったのだが。

 小畑は驚きで目を見開き唖然とするも、数瞬で思いとどまり自身をサポートする優秀な部下に報いる為にすぐさま紙面へと目をやった。


「最初に朝礼ミーティングの段取りからな」


 森山が表紙をめくり、最初の項を指差す。


「4人とはいえ、部門の長だ。先ず毎朝の各メンバーの進捗確認と予定の段取りを最初にまとめてある。そして会議室や各部署への通達手順は下の段だ。あとは報告書類など各帳票類、それとイントラの説明だが……これはあとで平井にでも教わってくれ」

「凄い……こんなに分かりやすく……」

「おーっと、ここは俺の領分じゃないんだな。それについては……おっとお二人さんも到着だ、じゃあ先ずは今の手順で手早く仕切ってくれよ」

「うん、了解だ」


 沙希と麻衣子に挨拶を返し、小畑は全員の着席を見届ける。

 


◇◆◆◆◆◆



「皆揃ったね。では今朝の朝礼を始めよう」


 予想以上に場馴れした小畑の透き通る声に、沙希と麻衣子はあっけに取られた様子で小畑を見つめ、森山はより期待を込めた眼差しで優しく笑みを浮かべる。


「先ずはプロジェクトの責任者として挨拶をしたい」


 小畑はゆっくりと決意表明を述べる。


「はじめに皆揃ってプロジェクトの初日を迎えることが出来たことを喜ばしく思う。僕はこれまでの人生で本当に大事なモノを認識できず、ただ流されるまま自分の自尊心のため、またちっぽな正義感のため戦ってきた。ただ無心で多くの仲間の血と屍を踏みつけてきたんだ」


(「ねぇ、何の話?」)

(「え~と……学生時代のコミケの時じゃないですかねぇ」)

(「あぁ、確かにアイツ、何も知らない私に店番押し付けて夕方まで戻って来なかったわね」)


「いつも振り返った時には……みんな散っていった。僕の指揮の基、絶対有利な戦でさえそれだ。勝利に意味を求めることなんて幼い僕にはできなかった。僕自身何度命の危機に見舞われたか……数えることすら馬鹿馬鹿しい」


(「……命の危機って何よ?」)

(「えとえ~と……新刊が手に入んなかったときによく『死ぬ~』とか言ってたじゃないですかぁ」)

(「それは確かに馬鹿馬鹿しいわね」)


「だけどいつからか僕の隣には仲間が一人、また一人と増えていった。隣にいてくれる彼らの存在が僕の凍てついた心を癒してくれていたんだ。マイ……江藤さんと出会ったのも確か僕が12歳の時だ。彼女のチームが囮部隊となって全滅、唯一の生き残りである彼女自身も全身の出血で意識朦朧としていたところを運よく通りかかったのが出会いだった。あと数分発見が遅かったら手当も間に合わなかっただろう」


(「アンタとアイツが出会ったの大学の新歓の時だったハズよね?」)

(「…………ぅ、ウチの裏山で転んで、小学生の時に……アハハぁ」)

(「どういう状況で、全身血まみれになるのよ!」)


「今だからこそ僕は思う。自分自身の向上心や野心も時として必要だ。だけど色んな偶然によって出会えた仲間と守り守られ、共に成長し、死線を越えた先にしか見えないものがある。それは乗り越えるべき障害を越えた達成感でも、到達点に届いた自己満足でもない。皆とのつながり、絆がその瞬間にあらゆる景色を暖かく彩っていくんだ。僕はあの時、最後の瞬間は独りよがりだったかもしれないけど……それでも守れて良かったと強く思う。だから、今度は……今度こそ一人じゃなく皆と辿り着きたい」


(「……よ、よく分からないけどサークルでアイツぼっちだったことあったっけ?」)

(「……そ、そぉいえば浜田さん達が単位落したとき、『一人で印刷所の納期守った』なんて言ってましたよぉ」)

(「……ふ~~ん、そんなことあったかなぁ。私が覚えてないはずないんだけどなぁ」)


「僕は確かに知識も経験もない。皆に教えを請う立場だ。それでも一日でも早く追いつく努力はする、皆を守れるようになると約束する。だから皆も僕を信じて着いてきて欲しい。よろしくお願いします」


 小畑が直角に頭を下げると同時に拍手が鳴り響く……ただしその音の発生源は森山の手からだけであった。


「えっとぉ、ねーちゃん方……大将の真面目な決意表明の最中になにくっちゃべってんだよ」


 沙希と麻衣子は「そんなはずない」「いーえそぉでしたぁ」と何やら小声で言い争いを繰り広げていた。

 森山はそれを無視し、小畑への研修を始めることにした。



◆◇◆◆◆◆



「では俺の本業分野、営業についてレクチャーするとしよう」

「ああ、よろしく頼む」


 森山は30分ほど時間をかけて、相羽総合のリソースやノウハウを体系別に解説する。

 そして、売り込み手法についても幾つかのパターンに分けて補足していった。


「えーと、大雑把に考えると少額商品と高額商品ではセールスの意味合いが異なる、ってことかな?」

「そうだ。各社によって、また各社の窓口となる営業先の担当者によって決裁権というものが大きく変わってくる。そしてその決裁権の幅が担当者で収まるものか、稟議を通し全社予算から引っ張り出すかによっても変わってくる」

「つまり、自分の小遣いと、家計の違い、かな?」

「まぁ概ね似たような考えで良い」


 森山の説明は以下のように分けられた。

 小畑の財布の中に5万円入っているとする、そして小畑家の貯金が2000万あるとする。

 小畑の前にセールスマンが現れた場合だ。


  ①3万円の模型を売るセールスマン

  ②500万円の新車を売るセールスマン

  ③1億円の高級車を売るセールスマン


 ①の場合は単純だ。担当者である小畑が気に入るか気に入らないかで済む。

 ②の場合は、どうしても担当者である小畑が必要に駆られれば、上司的立ち位置の父親へお願いし、家族会議により稟議を通し、経営者である母親の承諾によってはじめて売買が成立する。

 ③については更に高度なものとなる。どうしても必要に駆られた場合は、家族総出で金策に走る。貯金としての予算が溜まるまで数年単位でのお預けなどセールスマンの手腕よりも、顧客側のアクションが重要となる。


 だが現実には分割払いや、金融会社との抱き合わせ、共同購入など多岐にわたる解決策はあるのだが、その説明は追々となる。


「つまり低額な商品の場合は対担当者へと向けた営業マン単体での手法……人間性やマニュアルトーク、そして数撃てば当たるなどの方向性でも売れるっちゃ売れる。まぁモノによりけりだが」

「では高額というのは?」

「たとえば、不動産物件やウチの売り物である大型の基幹システムなどだな。通常数千万単位の商談は営業マン単体でどうにかなる話しではない」

「さっきの家族の話でもいい、具体的に教えてほしい」

「ああ、たとえば営業には幾つかの段階、プロセスがあるんだ。アポイントをとって、訪問して、提案をして、成約が決まって、契約に至ると」

「……プロセス、つまりは過程だね」

「ああ、その提案段階でだが、営業マン単体ではなくより高度な知識を持った技術者や開発者を伴い、先方も担当者だけではなく同様に技術者や経営陣を交えて打ち合わせを重ねる必要が出てくる」


 つまりは「売る話」主体のセールス、からお互いの利益を捻出する「打ち合わせ」を先導するのが営業の役割となる。


「さっきの家族の例だが、担当者である息子が車を欲しい、技術者としての立ち位置である父親が、息子が乗る車の高級性や詳細な技術保証を求めているとする、そして経営者としての母親がいかに家計への圧迫を回避するかの舵取りを行うとする」

「そうすると、営業マンは息子へのセールスに加え、技術知識を含めた高度な知識、そして財務への指導までを来ない必要がある、と?」

「駄目だ駄目だ、そんな一から十までやってるような御用聞き、たんなる器用貧乏で終わっちまう。いいか、必要なのはその商談を取りまとめるバランス感覚だ。進行役が小難しい頭でっかちでいても得することはほぼない」

「でもそれだと先に進まないよ?」

「だからこその調整役だ。小難しい話聞きたい奴には、小難しい話に特化した人材を、家計についても専任のアドバイザーや同目線で話ができる経営陣を用意し、その場をセッティングし、そして司会進行を執り行うんだ」

「つまり案件が大きくなればなるほど、売り手側・買い手側双方の担当人数も肥大化していく。だけど常にその中心として話が頓挫しないようにしていく必要がある、と」

「そういうことだな。まぁ、ある程度中規模だと営業からシステムへと案件を引き渡してそのまま忘れた頃に決めてくれて、出番が必要になるのは契約書持ってく時だけっていうケースもあるけどな。そういう時でも案件の進捗確認だけは怠らないようにしなくちゃダメだ」

「……ぁはは、覚えること、経験しなくちゃいけないことが多そうだね」

「ま、習うより慣れろだ」


 森山は笑いながらテキストのページをめくる。


――『相羽総合サービス営業部 トークマニュアル① アポイント編』

 そう記載された欄を指で抑えながら、重ねて「習うより慣れろ、だ」と電話機へ目に向けた。


 小畑もここ数日の麻衣子のフォローにより、それが異界の念話装置だと把握している。使い方も小型端末、大型端末共に問題はない。


「最初に俺からやってみよう」


 森山はお茶を僅かに口に含むと、手始めに実践してみせてくれた。

 電話機から4コール発信音がなり響くと、通話状態へ移行した。


『お電話ありがとうございます、マナカ建設でございます』

「私相羽総合サービスの森山と申します。恐れ入りますがシステム部ご担当に御取次頂きたいのですが」


――会社の部門一覧はwebサイトにて事前にチェックすべし、とある。


『どの様なご用件でしょうか?』

「実は御社webサイトを拝見いたしまして、その中で3月期決算短信の経営指標と中期戦略の項目で質問がございまして」

『……少々お待ちください』


――基本的に一時受付で小難しい話を持ちかければ、体感的に8割方の企業は『要りません』とガチャ切りされることはない。

 また事業者対消費者における電話勧誘の場合は、事業者が必ず事前に住所氏名目的を明示しなければならないが、事業者対事業者はその適用除外項目にある。


『代わりました、システム部です』

「恐れ入ります、相羽総合サービスの森山と申します。当社豊島区を拠点としたSIerなのですが、御社webサイトを拝見したのですが、幾つかお役立てできるのではないかと思い連絡いたしました」

『ふむ』


――担当者につながった時は『何屋さん』か伝えないと嫌われる傾向にある。


「御社の決算短信の項目の中で、『コア事業』の欄に『他社との差別化と徹底したコストダウンによる収益確保』という一文を目にしたもので。とすれば他社との比較検証をシステム部内でも命題になっているのではないかと愚考した次第になります」

『確かにウチの部署にも上からは頻繁にそういう指示出てるねぇ』


――受付回避の為に嘘はつかない。徹底的に対象の情報を確認した上で連絡を入れるべし。


「そうですよねっ」


――相手の同意は強く相槌を打つ。


「実は当社納入企業300社の導入後の検証データを基に、様々なパターンの事例集を発行しておりまして。勿論基幹システム等はいますぐどうこうという問題でもないでしょうが、一度ご挨拶に伺っても宜しいでしょうか」

『まぁ話を聞く分には構わないよ。来週であればいつでも空いているし』


 聞く分にはデメリットは無い……恐らくは情報交換目的の軽いヒットではあるが、新人への見本としては十分だろう。

 ここまで来れば相手の名前を確認し、時間を合わせるだけだ。

 所謂通常の対法人へのアポイントである。

 森山は手慣れた手つきでイントラにある自身のスケジュール帳へ予定を組み込んだ。


「ま、こんな感じだ。さっき言った低額商品の売り込みじゃなければ、よっぽどニーズが合わない限り会社相手で邪険にされることはない。これが営業の第一段階だ」

「……なるほどなぁ、すごいや」

「ほら、感心してないで大将もやってみ」

「あ、あぁ」


 小畑は森山に推されるままにリストから候補を搾り出し、連絡を入れた。

 発信音がなる。緊張で手に汗がうっすらと滲んでいた。


『はい、クライシ建機でございます』

「あっ、はい、こちら相羽総合サービスの小畑と申します」

『お世話になっております』

「はい、こ、こちらこそ……すいませんが近藤専務はいらっしゃいますか」


 森山がお茶を吹く。小畑に渡したのは上場企業のリストのハズだ。中小企業ならともかく、いきなり役員に取り次ぎ依頼して回して貰えるはずがない。

 しかも緊張でガチガチである。朝礼の堂々とした態度は何処へ行ったのだろうか。


『どのようなご用件ですか?』

「ブログで、解体工事中に図面には鉄骨が大量に出たとお嘆きしているのを拝見し、お役にたてるのではないかと」

『え?』

「三洋学院の旧校舎ですよね? えと、これから僕の名刺と会社案内を送ります。それと1号棟を15秒後消失させますのでご確認を」


 小畑は失念していた。「送る」と記載されていたものがFaxや郵便であって、転移術ではないことを。あまりにもブログで見た専務の表情が切羽詰まっていたから、英雄としての血が騒ぎなんとかしてあげたいという想いに駆られ、一般常識を見誤ってしまったのだ。


 受付嬢もまた、うさんくさい電話に対しそろそろ電話を切るかと思っていた矢先……自身の目の前に光と共に名刺と会社案内が現れた。不可解な現象に放心すること30秒後、役員室の方角から『1号棟が消えたぞ!』『まじか、どうやったんだ!』と狂喜乱舞する声が漏れだしてくる。


「もしもし」

『……は……はい?』

「近藤専務に御取次は?」

『……少々……お待ちください』


 放心状況でフラフラと専務を呼びに行く受付嬢。近藤専務も錯乱しながらも『1号棟の原因』という言葉に飛びつくように電話へ出てくれた。


『き、きみ……本当に1号棟消してくれたのか』

「はい。やわらかい金属だったので簡単でした」

『えと、残りも……消したりできたりするの?』


 もはや近藤専務も真っ当な思考状況ではない。何せ自身で契約した2,000万円での解体工事の予算は図面通りなら十分大きな利益が出るものだが、イレギュラーな鉄骨が地下深くに埋まっていた。戦時前後の突貫工事の合間に失われた名残だろう。これを除去するだけで大幅な赤字である。オーナーからは追加費用一切受けない文言と引き換えに受けた案件なだけに今度の役員会で首が飛ぶのも覚悟していたところだ。


「えと、2号棟・3号棟・プール下まで延びている奴ですよね」

『そう、それデス』

「余裕ですよ」


 森山は受話器を持ちながら、ブツブツと窓に向かって手を伸ばす小畑を訝しむ。実際には超高速で移動して斬って、場所確認して戻っての繰り返しなのだが、一般人の目からはただの奇行だ。


「終わりましたよ」

『ぇぇ、ホントに?』


 近藤専務の呟きは、周囲の絶叫を伴った報告にかき消されると同時に、小畑の発言が事実であると裏付けされたものだった。念のため、鉄骨消去跡地に自身の名刺も置いたので確認はとれているはずだろう。


『えと……小畑くんと言ったか、キミは一体何者で……、いやなんの目的で?』

「ただの“しすてむいんてぐれーたー”ですよ」

『は、はぁ?! なぜシステム屋が?』

「営業電話なのですが……」

『ぁぁ、もう、わけわからんが分かった。キミはどうやら私の命の恩人のようだ。私の権限で3,000万以内だったらウチの事業所の基幹システムを契約しようじゃないか。これからシステム担当の人つれてウチに来なさい』

「わかりました、では本日15時に伺います」


 ふぅ、と一息つくと、小畑は森山の方を見やる。


「大分時間かかったみたいだが、すごいじゃないか、専務直々か。初アポおめでとう」

「いや、実は……」

「ん?」

「3,000万程度なら契約するからシステムの人連れて来いって……」



「なんじゃそれぇぇぇ!!」


 森山の叫びが狭い室内をこだました。





 さて、小畑が異世界能力を無自覚で発揮し、初のアポイントを飛び越し、初の大型受注を決めた一方。


「だから、私がアイツのことでおぼえてないことなんてないっての!」

「なに言ってるんですかぁ、沙希さんの記憶なんてあてになりませんよぉ。彼女であるワタクシを差し置いて調子に乗らないでくださいなぁ」


 ……女の闘いはまだ続いていた。


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