リナ、「“プール初日”で足がすくむ」
**20xx年6月22日(月曜日) 高校1年生**
**朝**
アラームが鳴るちょっと前に、
雨の音で目が覚めた。
(今日は……“元気少なめの元気デー”かな)
・ふくらはぎ → ちょっと重い。昨日のストレッチさぼったのバレてる感じ。
・下腹部 → 「いません〜」だけど、たまにチクって主張してくる。
・頭 → 起きてはいるけど、若干どんより。天気のせいもある。
(でも“なんとかデー”ほどじゃないし、
プール初日サボるほどではない)
ベッドの横の壁を見る。
『6/19 元気デー(放課後水着ミーティング予定)』
『6/20 元気少なめ元気デー(家事手伝い多め)』
『6/21 なんとかデー(だらだら読書+眠)』
(だらだら読書デー挟んだから、
今日は“なんとか寄りの元気デー”って感じ)
ペンを取って、今日の欄に書く。
『6/22 元気少なめ元気デー(プール初日+緊張)』
(括弧の“緊張”、自分で書いてて笑うけどガチ)
布団から出て、洗面所へ。
顔を洗って、タオルで押さえるように拭く。
化粧水→乳液→日焼け止め。
(はい、3秒自分チェック+“一回目の一言実験”)
鏡の前で、自分の顔をまっすぐ見る。
一、二、三。
(うわ……って言いかけた、今)
ぐっと飲み込んで、
意識的に別の言葉を出す。
「……まあ、アリ」
小声で言ってみる。
(完璧じゃないけど、
“やば”じゃない言葉でスタートできたから今日のところは合格)
(クマもそこまでひどくないし、
肌のザラザラも“今週で一番マシ”くらい)
前髪をアイロンで整えて、
毛先を今日も少し内巻きにする。
(今日の“まあまあ好きポイント”は、
“雨の日にしては顔の色がちゃんと生きてる”で)
制服に着替えながら、
頭の中で英語の一行を先取りする。
(good enough.
I am good enough to go to the pool.
今日こそリアルタイムでこれ言いたい)
---
**午前**
通学電車。
窓ガラスには、
外の雨粒が線になって流れている。
吊り革につかまりながら、
バッグから『夏の途中の交差点』を取り出す。
今日は、
主人公がクラスの子たちと
海に行く約束をするシーンに入っていた。
> 「“海に行ける身体”ってだけで、
> 本当はけっこうすごいことなんじゃないか、って
> ふと思った。」
(それな)
(プールとか海とかってさ、
“見られる”ことばっかり気にしちゃうけど、
そもそもそこに行ける体力あるってだけでも、
けっこうありがたいことなんだよな、多分)
スマホのメモアプリを開いて、一行追加する。
『“海に行ける身体ってだけで、実はすごい”メモ』
(今日のプール前に、
こっそりもう一回読み返そう)
電車が最寄り駅に着くころには、
お腹のあたりがじわじわ緊張し始めていた。
(うわ、ほんとに今日なんだよな……)
---
一時間目は現代文。
二時間目の途中で、
体育の先生が教室の後ろに顔を出した。
「今日の五時間目、天候的にギリギリだけど、
一応プールやる予定です。忘れ物ないように」
(“一応”って何)
教室がざわっとする。
「え、今日か〜」
「見せられるコンディションじゃない」
「日焼け止めちゃんと持ってきた?」
女子たちの声が、
机の間を行ったり来たりする。
隣の席の子が、
小声で里奈に話しかけてきた。
「リナ、水着大丈夫?」
「“大丈夫”のハードルによる」
「昨日の“まあアリ写真”は?」
(ちゃんと覚えられてる)
「見返したけど……
一回“おつかれ私”って言ってから見たら、
ギリ許せた」
「実験成功じゃん」
隣の子がニヤッと笑う。
「今日もさ、
着替え終わったときの一回目の一言、
“まあアリ”でいこ」
「がんばる」
(鏡見て“うわ”って言うクセ、
高校卒業までには卒業したいんだよな)
---
**昼**
お昼休み。
机をくっつけて、いつものメンバーでお弁当タイム。
今日のお弁当は、
鶏むね肉の蒸し焼きとブロッコリー、
ひじきの煮物とプチトマト。
(たんぱく質+野菜+鉄分。
プールある日はちゃんと食べときたい)
「ねえ今日さ〜」
向かいの子が、
唐揚げをつまみながら言う。
「五時間目プールって、
絶妙にお腹重くない?」
「分かる。
でも食べないと気持ち悪くなるし」
「てかさ、
“お腹出したくないから昼抜く”とか言ってる子いて、
普通に心配なんだけど」
(それはガチでこわい)
「リナは?」
また急に話を振られる。
(今日なんか、回答求められがちじゃない?)
手の甲をちらっと見る。
何も書いてないけど、
“グレーな一言”スイッチを探す。
「私は……
“プールで倒れなきゃ合格”ってことにした」
「基準ひくくない?」
「だってさ、
お腹ペコペコでフラフラでプール入るの、
普通に危なくない?」
「それはそう」
「だから、
“見た目のために昼抜く”より、
“今日ちゃんと生き残る”ほうを優先することにした」
(生きるか死ぬかまで行くと大げさだけど、
方向性としてはそういう感じ)
「なんか“若く健康に生きたほうがよくない?”の
プール版きたね」
隣の子が笑う。
「水着姿はさ、
“まあアリ”まで行けたら今日は合格にしようかなって」
「“まあアリ”基準便利すぎる」
(実際、今の私にはちょうどいい)
---
**午後(プール前)**
五時間目。
更衣室に入ると、
独特の湿った空気と
シャンプーと日焼け止めの混ざった匂いがした。
「は〜〜〜〜〜」
誰かのため息が、
全員のため息代表みたいに響く。
ロッカーの前で、
三人並んで制服をハンガーにかける。
「じゃ、行きますか」
くすみブルーの水着の子が言う。
「はい、現実」
黒いワンピースの子が続ける。
里奈もネイビーの水着に着替えて、
肩紐をきゅっと整える。
(昨日の“まあアリ写真”より、
今日は照明が容赦ない気がする)
鏡の前に三人並ぶ。
(ここで“うわ”って言ったら負け)
心の中で、
さっき決めた実験を思い出す。
(鏡の前で“一回目の一言”を意識する)
「……まあ、アリ」
自分の顔を見ながら、
はっきり口に出す。
隣の二人が、
一瞬びくっとしてから笑った。
「えらい、自分に“まあアリ”出せた」
「じゃあ私も」
黒ワンピの子が、
自分のウエストを横から見て言う。
「うーん……
“この前よりはマシ”」
「それもアリ」
くすみブルーの子も続く。
「私は……
“脚の形はさておき、
肩はまあアリ”」
(“全部好き”じゃなくて、
“どこか一箇所まあアリ”ルール、
これはこれでいいかも)
心の中で、
英語のフレーズをもう一度つぶやく。
(good enough.
I am good enough to go to the pool.
プールに行ける身体ってだけで、実はけっこうすごい)
---
**午後**
水面は、
どんよりした空を映して
少し暗めの青だった。
プールサイドに並ぶと、
足の裏がひんやりする。
「今日は、
25メートルのタイムを測る前の確認として、
とりあえず一往復してみましょう」
先生の声が響く。
(はい、急に本番みたいなやつ)
順番に水の中に入っていく。
「冷たっ」
「やばい、心臓止まる」
あちこちから声が上がる。
里奈も、
ゆっくりと胸のあたりまで浸かる。
(うわ、やっぱりお腹出てる気する……)
一瞬、
“マイナスチェックモード”に入りかけたとき、
今朝の本の一文を思い出す。
(“海に行ける身体ってだけで、
本当はけっこうすごいこと”)
(プール版でも同じだよね、多分)
“見られる自分”より、
“ここまで歩いてここに来られた自分”を
一瞬だけ優先してみる。
「じゃあ、順番にいきまーす」
里奈の番が来る。
スタート台ではなく、
プールサイドから普通に入水スタート。
「リナ、がんばれ〜」
後ろから小さい声が飛んでくる。
(25メートル全部泳げなくても、
“前よりちょっと進んだ”なら合格にしよう)
笛の音と一緒に、
ゆっくり泳ぎ始める。
息継ぎのタイミングで、
何回か水を飲みかける。
(やっぱりクロール苦手)
(でも今日は“溺れなきゃ合格”)
10メートル地点で一回立ちたくなるけど、
(あと5メートルだけ)って
自分に小さく言い聞かせる。
結果、
20メートルくらいまでは
なんとか泳ぎきって、
最後の数メートルだけ歩いてゴールした。
「はー……」
プールサイドにつかまりながら、
肩で息をする。
(全部泳げなかったけど、
去年よりは確実に進んだ)
(これ、“できたこと”に入れていいやつ)
---
プールのあと、
タオルで体を拭きながら
更衣室に戻る。
「私、途中で普通に立った」
「私なんか、
最後ほぼウォーキングだった」
みんな口々に言う。
「でもさ、
とりあえず“今日プールに来られた時点で偉い”ってことにしない?」
里奈が言うと、
数人が「それな」と笑った。
「来週はさ、
“今日より一メートルだけ進めたら合格”とかでもよくない?」
「それめっちゃ優しい世界」
(“全部完璧に泳げたかどうか”じゃなくて、
“自分比でちょっと進んだか”を基準にするやつ)
制服に着替え終わったあと、
隣の子がスマホを取り出す。
「ねえ、今日さ、
“ノーマル一枚縛り”やってみる?」
(あ、昨日の実験)
「うん、やる」
三人で鏡の前に並んで、
まずはノーマルで一枚撮る。
パシャ。
「……思ったほど終わってはない」
黒ワンピの子が言う。
「“プール後だからこれはこれでアリ”って感じ」
「“髪の毛ボサボサだけど元気そう”っていうジャンル」
くすみブルーの子も笑う。
(フィルターなしでも
“まあアリ”って言える瞬間、
増やしていきたい)
一応、
“ちょい明るくするだけ”バージョンも一枚だけ撮って、
その場は終わりにする。
(盛れ盛れフィルターに行かなかった自分、
今日はちゃんと褒めたい)
---
**夕方〜夜**
家に帰るころには、
雨はほぼ止んでいた。
玄関を開けると、
台所から野菜を蒸す音が聞こえてくる。
「ただいま〜」
「おかえり。プールどうだった?」
「溺れなかった」
「それは何より」
お母さんが笑う。
「今日の夕ご飯は、
蒸し鶏と野菜と、
鮭とキノコのホイル焼き」
「たんぱく質祭り」
「プールの日は、
ちゃんと回復させてあげないとね」
(“若く健康に〜”って
お母さんもどこかで思ってるのかも)
冷蔵庫を開けると、
この前買ったブルーベリーの隣に
スイカが入っていた。
「それ、新入り?」
「うん。
今日安かったから買ってみた」
(季節の果物、来た)
「今日のおやつ、
スイカ+ヨーグルトにしてもいい?」
「いいよ。
砂糖入れなくても甘いから、
ヨーグルトは無糖でいけると思う」
(“季節の果物が一番おいしい”ってやつ、
最近ほんとに実感してきた)
---
お風呂に入って、
しっかりめにシャワーで塩素を流す。
湯船には、
ちょっとだけぬるめのお湯。
(プールの日は、
体力全部持ってかれるから
お風呂でガチで温まりすぎないほうがいいって
本で読んだ気がする)
体を拭いたあと、
保湿クリームをいつもより丁寧に塗る。
腕、肩、脚。
特に、
日焼け止め塗ってたところは念入りに。
鏡の前に立って、
今日二回目の“一回目の一言実験”。
一、二、三。
「……今日の私としては、まあアリ」
口に出したあと、
ちょっと笑ってしまう。
(さすがに、
全身水着じゃない状態でも
“まあアリ”言えたの、
今日のハイライトかもしれない)
---
リビングで、
スイカおやつを作る。
スイカを一口大に切って、
プレーンヨーグルトの上に乗せる。
ほんの少しだけハチミツを垂らす。
(今日は“スイカ+ヨーグルトの、
プールおつかれさまボウル”って名前にしよ)
一口食べる。
(あま……)
冷たくて、
ちゃんとスイカの甘さがあって、
ヨーグルトの酸味とハチミツのやわらかい甘さが
ちょうどいいバランス。
(“糖分ください!”じゃなくて、
“今日一日頑張った自分へ、ちゃんと水分と甘さどうぞ”って感じ)
お腹も、
“もういいや”ってなる手前くらいで止まる。
(プールの日のおやつ、
これはレギュラー入りかも)
---
部屋に戻って、
机の前に座る。
壁の紙を見る。
『元気デー:35分×3セット
なんとかデー:30分×2〜3セット
おやすみデー:日記+ストレッチだけ』
(今日は“元気少なめ元気デー”だから、
30分×2セットくらいにしておこう)
一セット目は、『二人の季節』。
今日は、
主人公たちが市民プールに行く回の続き。
> 「“全部泳げなかった”じゃなくて、
> “去年より三メートル進んだ”って数え方に、
> 今年は変えてみない?」
> そう言って、
> 彼は彼女のゴーグルをそっと直した。
> “good enough.”
> 彼女は、水の中でだけ通じる小さな声でつぶやいた。
(自分で書いてて、
自分に返ってきてる感じすごい)
二セット目は英語。
ノートに書く。
『今日の英語:
I am good enough to go to the pool.
→ プールに行く自分としては、今の私で十分。
The fact that I can go to the pool is already amazing.
→ プールに行ける身体ってだけで、実はけっこうすごい。』
(“既にできてること”のほうを
ちゃんとカウントしたい)
タイマーが鳴ったら、
ペンを置いてベッドへ移動する。
枕元に、おやつ日記用のノート。
『6/22のおやつ
・スイカ+プレーンヨーグルト+ハチミツちょっと。
(スイカを一口大に切って、
ヨーグルトの上に乗せて、
ハチミツを小さじ1/2くらい垂らすだけ。)
味の感想:
→ “プールのあとに必要な水分と甘さを、
ちゃんと補給しました”って感じの味。
頭がぼーっとならずに、
むしろちょっとしゃっきりする。
“今日の私、おつかれさま”って
やっと素直に言えた。』
新しい付箋に書く。
『明日のリナへ:
鏡見たときの一言、
“とりあえずまあアリ”でスタートできたら100点満点でいい。』
付箋を壁に貼って、
電気を消す。
(プールサイドで足がすくんだ自分も、
20メートルまで頑張った自分も、
スイカヨーグルト作った自分も、
全部まとめて“good enough”でいいや)
目を閉じながら、
水の中で必死に進んだときの
あの苦しい感じと、
ゴールした瞬間のちょっとしたスッキリ感を思い出す。
完璧じゃなくても、
“去年の自分より少しは進んだ”って
ちゃんと言えた気がして——
今日はこれで、よし。
## 後書き
**日記**
**20xx年6月22日(月曜日) 高校1年生 田中里奈**
今日は、
「“プール初日”を、
“まあアリ”と“good enough”でなんとか乗り切った日」だった。
---
### 今日できたこと
1. **鏡の前の“一回目の一言”を、ちゃんと“まあアリ”寄りにできた。**
朝、いつものクセで
鏡を見た瞬間「うわ」って言いそうになったけど、
意識的にそれを飲み込んで
「……まあ、アリ」って言い直せた。
更衣室で水着姿になったときも、
三人で「まあアリ」「この前よりマシ」「肩はまあアリ」って
それぞれ一箇所だけでも肯定する言葉から始められた。
完璧に好きじゃなくても、
“一発目をマイナスじゃない言葉にする”っていう実験、
初日としては成功だったと思う。
2. **“プールに行ける身体ってだけで、実はすごい”って視点を使えた。**
『夏の途中の交差点』の一文を思い出して、
「海に行ける身体ってだけで、本当はけっこうすごい」って
通学電車でメモした。
プールサイドで足がすくんだとき、
“見られる自分”じゃなくて
“ここまで歩いてここに来られた自分”のほうを
一瞬だけ優先することができた。
そのおかげで、
「全部泳げなかった」じゃなくて
「去年よりは進んだ」と数え直せた。
3. **“おやつは家にあるものだけルール”で、スイカヨーグルトを作れた。**
プールのあと、
コンビニに寄ろうと思えば寄れたけど、
ちゃんと家に帰ってから
スイカ+プレーンヨーグルト+ハチミツの
“プールおつかれさまボウル”を作った。
甘さはスイカとハチミツに任せて、
ヨーグルトは無糖にできた。
食べたあとお腹も頭もスッキリしていて、
「今日の私、おつかれさま」って
素直に言えたのは大きかった。
---
### 今日できなかったこと
1. **25メートルを全部泳ぎきることはできなかった。**
結局、
20メートルくらいで限界が来て、
最後の数メートルは歩いた。
“全部泳げなかった自分”に
一瞬がっかりしたのも事実。
前よりは進んだのは分かってるけど、
「全部泳げる子いいな〜」って
こっそり思ってしまった。
2. **“good enough”をリアルタイムに口に出すのは、やっぱり難しかった。**
英語ノートには
“I am good enough to go to the pool.”って書いて、
頭の中でも何回かリピートしたのに、
実際にプールに入る前は
「やば、緊張する」しか出てこなかった。
更衣室で「まあ、アリ」は言えたけど、
“good enough”はまだ心の中だけだった。
3. **夜のスマホ前“白湯orストレッチワンクッション”は、片方だけで終わった。**
今日は白湯を一杯飲んでから
SNSを開くことはできたけど、
ストレッチまではいけなかった。
白湯を飲んでちょっと満足したあと、
普通に動画を見始めてしまった。
完全なだらだらではなかったけど、
“両方セット”作戦は
まだ実装できていない。
---
### 障害とその分析
1. **“全部できて当たり前”みたいな体育の空気が、まだ頭のどこかに残っている。**
周りが普通に25メートル泳いでいるのを見ると、
「自分もできなきゃダメ」っていう
昔からの思考回路がすぐ顔を出す。
“去年より進んだ”って分かっていても、
「でも全部泳げてないしな……」って
比較モードが自動的に起動する。
ここを少しずつ書き換えたい。
2. **“good enough”=“妥協”みたいに感じてしまうクセ。**
頭では
“今の自分としてはこれで十分”って意味だって分かってるのに、
心のどこかでは
「もっと頑張れたでしょ?」って
追加条件を出してくる声がある。
“十分”って言葉を自分に許すのが、
まだちょっと怖い。
3. **“プールの日くらいコンビニスイーツよくない?”っていう内側の声。**
家に帰る途中、
コンビニの前を通ったとき、
「今日くらいご褒美にケーキとかプリンとか……」って
ちらっと考えてしまった。
“一生禁止”にしてないぶん、
“今日だけ特別”の誘惑が
これからも絶対に出てくると思う。
---
### 明日以降の具体的な対策(小さな実験)
#### 1. プールの日は、「去年の自分比ポイント」を一個書く
* 今日みたいに、
「全部泳げなかった」じゃなくて
「去年より○メートル進んだ」みたいな
“自分比での進歩”を
必ず一個メモする。
→ 「人と比べるモード」だけじゃなくて、
「去年の自分と比べるモード」を
少しずつ強くしていく。
#### 2. 鏡の前の“まあアリ一言”を、一日一回は必ず声に出す
* 朝でも夜でもいいから、
鏡を見たときに
「今日の私としては、まあアリ」
みたいな一言を
声に出して言ってみる。
→ 心の中だけじゃなくて、
実際に口に出すことで、
“good enough”を身体に覚えさせる作戦。
#### 3. プールの日のおやつは、「果物+ヨーグルト」固定でしばらく続けてみる
* 少なくとも今月の残りのプール日は、
おやつを
“季節の果物+プレーンヨーグルト+ハチミツちょっと”の
パターンから選ぶ。
→ “プールの日くらいコンビニ……”って
自分の中の声が言い出したとき、
“スイカヨーグルトもけっこうご褒美だよ?”って
返せるようにする。
---
### 中期目標のメモ(継続)
① 理科・国語・英語を「土台科目」として、
週のうち三日はどれか一つに必ず触れる。
② 進路や将来の話題が出たとき、
「翻訳した一言」+「自分の本音一言」を返す。
今日は、
* ① → 英語で
“I am good enough to go to the pool.”と
“The fact that I can go to the pool is already amazing.”を書いた。
国語成分は、
『夏の途中の交差点』の
「海に行ける身体ってだけで、実はすごい」って
感覚を一行メモにして、
『二人の季節』のプール回にも反映できた。
* ② → お昼のとき、
「見た目のために昼抜く」の空気に対して
「プールで倒れなきゃ合格」っていう
ちょっとふざけた翻訳+
「今日ちゃんと生き残るほう優先したい」って本音を
混ぜられた。
進路とか将来の直接の話ではないけど、
“生き方の方向性”の話としては
同じライン上にある気がする。
---
### 繰り返しの意識
蒸し鶏や鮭や鯖を食べて、
野菜とひじきと豆腐をお皿に乗せて、
お風呂で塩素を流して、
湯船にほどほど浸かって、
保湿して、
日焼け止めを塗って、
体調メモに「元気少なめ元気デー」って書いて、
3秒自分チェックで“まあアリポイント”を一個探して、
鏡の前で一回目の一言を
「まあ、アリ」から始めてみる。
通学電車で、
『夏の途中の交差点』から
「海に行ける身体ってだけで、本当はけっこうすごい」って
感覚をもらって、
英語ノートには
“good enough”のフレーズを書き足して、
『二人の季節』の子たちにも
“去年より三メートル進んだ”って
自分比の進歩を数えさせる。
それから、
焼き芋の日も、
ブルーベリーヨーグルトの日も、
今日みたいなスイカヨーグルトの日も、
“自分を罰するんじゃなくて、大事にするおやつ”を
ちょっとずつ増やしていく。
そうやって、
“全部完璧に泳げる私”じゃなくて、
“去年よりちょっと進んだ私”と
“プールに行ける身体をちゃんとねぎらった私”を
ちゃんとカウントできるようになったら、
プールサイドで足がすくむ回数も
少しずつ減っていくのかもしれない。
自己採点は、
“元気少なめ元気デー”。
(“緊張しながらもプール初日に参加して、
20メートルまではちゃんと泳いで、
鏡の前で“まあアリ”を言えて、
スイカヨーグルトで自分をねぎらえた日”)
まだ、
25メートル全部泳げないし、
コンビニスイーツの誘惑も
普通に強い。
でも、
good enough.
(今日の私としては、これで十分)
って、
ちゃんと夜に言えたから——
スイカとヨーグルトの味を
“今日の自分カード”にそっと貼りつけて、
今日はこれで、よし。




