第0話「異世界に倫理は存在するのか?」
初めまして!この小説を読んでいただき、ありがとうございます。
この作品は、異世界で「倫理学」を教えることになった主人公が、
様々な種族と対話しながら哲学的な問題を解いていく物語です。
今回の話では、主人公が異世界に召喚され、
「この世界には正義の概念がない」という衝撃的な事実を知ることになります。
果たして、倫理とは何なのか?
主人公は、この世界で答えを見つけられるのでしょうか?
どうぞ、楽しんでください!
――強き者こそ正しいのか?
その答えを決めるのは誰なのか。
力を持つ者か? それとも……知を持つ者か?
俺は――異世界で、倫理を問うことになった。
***
時は深夜。
俺は大学の研究室で、卒論生たちが書いたレポートをチェックしていた。
テーマは「正義とは何か?」
人間は時代ごとに異なる価値観を持ち、正義の定義も変化する。
「まあ、いつものことだな……」
コーヒーを飲みながら、俺はペンを走らせる。
その時――。
机の上の本が、不自然に光り始めた。
「……何だ?」
次の瞬間――視界が歪んだ。
***
俺が目を開けると、そこは壮麗な玉座の間だった。
目の前には黄金の王座に座る女帝。
「貴様が……召喚された者か?」
「……いや、ちょっと待ってくれ。状況が全くわからないんだが?」
「お前は異世界の知識を持つ者。ならば、我が帝国に倫理を教えよ。」
俺は混乱した。
――何故、俺が倫理を?
だが、次の一言で俺は納得せざるを得なかった。
「この世界には、"正義"の概念がない。」