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1-(4)

「いつまで逃げ続ける気だ?」



クレッシュとカインはにらみ合ったまま動かない。



「その方をこちらに渡せば、これまでの功績により命だけは助けてもらえるかもしれんぞ? 」



クレッシュが嘲笑うようにそう言い、カインに降伏を要求した。



「それは出来ないっ!」



カインはなおも戦意を失わず、斬りかかってくる男達をなんとか倒していく。



「カイン…もう、ダメなようです。私を残して貴方だけでも逃げてください」



今まで黙っていた少女だったが、不意にカインの肩に手を置き、目を伏せてそう言った。



「だめです!いくら貴女でもどうなるかっっ!此処で諦めたら…」



カインは少女の手を引こうと自分の手を伸ばしたが、彼女はそれをやんわりと拒み首を振った。



「そうかもしれません。ですが、このまま二人とも捕まってしまえばそれこそ意味がありません」



彼女の意志は固く、引き下がらない。



「…っ。それでも、貴女を置いていくことは出来ません。もう、誰も守れないのは嫌なんです…っ」


「カイン…」



そう言うカインは何かを後悔するような悲痛な表情で、少女はそれ以上何も言えなかった。



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