表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/54

2-(24)

久しぶりに動いたせいか、横になり休んでいたらいつの間にか眠ってしまっていたらしい。


気付けば部屋に西日が射し始めていた。


特にする事も無いので、シャオンは建物の周りを散歩しようと腰を上げた。


もしも何かあった場合、周囲の地理を知らないが為に策が限られてしまっては不利になる。


例え地図上で確認していたとしても、実際に目で確認しなければ判らないこともある。


そう考えながら、シャオンは早速外に出て散策し始めた。




******




病院の裏手は深い森に囲まれており、正面には街までの一本道がある。


此処は小高い丘にあり、周囲に高い木があまり無いので見通しは悪くない。


逆に言えば、敵にも都合が良い事になる。


正面の方へ出て行けば、自分達の姿を隠せないので格好の的になるだろう。


(あちらさんがこっちから来てくれれば…って、向こうも馬鹿じゃないからそれは無さそうね。後は…)


シャオンは様々な状況を予測し、それらを頭に入れながら歩みを進めた。




正面から見て右手には、畑を挟んで小さな協会がある。


左手には広い果樹園があり、その奥は森が続いている。


(敵に囲まれたら森に逃げ込んで、左手の川沿いに下っていくしかないか…)


セレスティアから借りた地図には、裏手の森の先には崖があり、その下に川が流れていたはずだ。


そこに一カ所だけ橋が架かっていて隣街に続いているが、余程間抜けな敵でない限り気付かれる筈だ。



そこは使えない。



(橋を渡らずに、川沿いに果樹園の裏を抜けていくのが妥当ね。そっちから攻められたら厄介だけど、なんとか抜けなきゃ…)


どこまで下ってから川を渡るかは今確認出来ないので、シャオンはそこで踵を返した。


(ある程度敵を引きつけないと、病院に被害がでる可能性が高いのよね。一番良いのは、敵に居場所がばれる前に此処を出ないと)


そう結論づけて、病院に戻ろうとしたシャオンの耳に聞き慣れた声が届いた。


「ーーっ、ーーがーーって!」


畑の方から聞こえてくるその声に、彼女の足は自然と向かっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ