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1-(19)

アレンは壊れ物を扱うようにそっとシャオンを腕の中に入れた。


「焦らなくていいから、言いたくなったらいつでも聞くよ。だからそんな悲しそうな顔しないで…」


そう言って子供をあやす様に背中を叩いた。


「アレン…ごめん、あり…が…と……」


シャオンはアレンの腕に抱かれ暫く固まっていたが、なんとか頭を回転させ消え入りそうな声で呟いた。


アレンは思っていたよりも細いシャオンの身体に更に腕の力を強くする。




暫くするとシャオンの力が抜けて、寝息が聞こえてきた。


シャオンの身体を横にならせ布をかけると、目もとにうっすらと涙の跡があるのに気付いた。


シャオンが泣いたのを見たのは村を出たあの日以来で、アレンは胸が締め付けられた。


あれ以来シャオンは泣かなくなり弱い部分もほとんど見せなくなった。


ため込んでしまうことも多くなったような気がする。


それを気付いていながらアレンは何もしてやれなかった。


「無理にでも聞いとくべきだったのかなぁ…」


そう呟いた声は誰に届くこともなく、火の粉の舞う夜空に消えていった。




第一章完


取り敢えず一区切りです。

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