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考えに耽っていると、焚き火の向こうに横たわっているシャオンが身じろぎした。
毒が抜けきっていないので、熱が出て寝込んでいる。
この調子だと2、3日は安静にしていないといけないだろう。
腕の傷もかなり深くまで達していたが、幸い神経は傷付いていなかったので安静にしていれば大丈夫な筈だ。
暫くするとシャオンが目を覚ました。
「派手にやったなぁ。まだ毒抜けきってないからあんまし動くなよ」
「…あぁ、分かってる」
そう言いながら掛けてあった布をどけ立ち上がろうとしてバランスを崩した。
「あ、ちょっと!!今動くなっていったばっかりじゃん!!」
倒れそうになったシャオンを慌ててアレンが支え、元の場所に寝かそうとした。
シャオンはその手を弱々しくつかむと苦しそうな顔をあげ、アレンを見つめて口を開いた。
「アレンに、言わなきゃ、いけないことが…っ。」
「元気になったらいつでも聞くから。今はとりあえず安静にしてなって!仮にも医者の娘でしょ!!」
息が上がって今にも倒れそうな体を震わせ、それでもシャオンは話し続けようとしている。
「わた…し、本当は…あのふたり、の、娘じゃ…」
「シャオン、無理しないでいいから。俺はどこにも行かないから、ね?」
気が動転しているシャオンを落ち着かせるように言い聞かせるが震えは止まらず、握った手が白くなっている。