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1-(10)

その瞬間少女はクレッシュにクナイを一本投げつけた。


油断していた為反応が少し遅れたが、彼は難なくそれをたたき落とした。


しかし、たたき落としたクナイの後ろからもう一本こちらに向かってくるクナイがあった。


とっさにそれをよけた為バランスを崩しかけたが、なんとか体勢を立て直す。


「なんだ。その程度の攻撃…っ!!」


クレッシュはもう一度少女を見るが、そこに目的の姿はない。


クナイに気を取られている間に彼女は男の真横に移動していたのだ。


気配を感じて振り向いたその顔に、綺麗な回し蹴りがお見舞いされた。


「うっ…」


辺りに鈍い音を響かせ、クレッシュはゆっくりとした動作で地に伏せた。


自分たちのリーダーが倒れ、他の男たちは動揺し後ずさっている。


少女の方は彼らを睨みつけ完全にこの場を支配しているように見えるが、次第に傷のある方の足の感覚がなくなってきた。


それでもここで弱みを見せてしまったら危険であることを理解しているため、足を庇うことはできない。


少女は相手を見据え、口の端を上げて余裕を見せた。


「あんたらの大将さんは倒れちゃったけど、まだやる気??」


そう言い放って、思う様に動かない体を動かし左前にいた男に詰め寄り鳩尾に一太刀あびせる。


少しバランスを崩しそうになったがなんとか右足で支え、近くにいた一人に左足で蹴りをお見舞いし後退した。


彼女の攻撃を食らった二人は難なく倒れ、更に他の男たちに動揺を与えた。


彼女の動きは、はたから見ると毒の影響を受けていないように見える。


そのため男たちはたじろぎ始め、少しずつだが後退している。


だが、訓練されているだけあって誰も逃げ出そうとはしていなかった。



(厄介ね。ちょっと癪だけど何とか逃げ出さないと…)


動いたせいもあり、少女の意識はだんだん朦朧としてきた。


しばらく風と木の葉の擦れ合う音だけがあたりを支配していたが、ほんの一瞬足の感覚がなくなり姿勢を崩してしまった。


それを見た男たちの内の一人が、決死の形相で少女に向かって剣を振り下ろした。



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