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一流執事、絶対絶命

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屋敷に入ってからも追っ手は途絶える事なく押し寄せてきた。


正面エントランスを潜り抜けたは良いが、大勢の兵士達が集まってくるため、入口ホールからなかなか先に進めずにいる。


「くっ、いくら倒してもキリがない!ロズベルグ、ここを切り抜ける方法は無いのか?!」


「無ぇよ!あったらとっくに使ってるっつーの!」


ロズベルグが周囲攻撃の旋風盾を繰り出す。

周囲を取り囲む兵士達を、旋回する大楯で薙ぎ倒した。

そのおかげで包囲網にわずかな隙間が生じた。


「今だ、そこの階段から上へ!」

 

「でも階段にもわんさか兵士がいるぞ」


「細い通路は俺が突破する。背後の防御は任せたぞ」


「おうよ!しっかり守ってやらあ。オレサマ流奥義、堅盾!」


背後に立つロズベルグは大楯を細かく動かし、兵士達の攻撃を上手くいなしている。


背後をロズベルグに託し、愛刀膝丸を一度鞘に収める。

目を閉じて深く息を吐き、膝丸の柄に手を添える。


「クローゼ剣術流秘技、一の太刀」


流れる清流の如く、兵士達の間を高速で縫う様に階段を駆け抜ける。

斬られた兵士達は何が起きたかも分からずにその場に崩れ落ちた。


「おおお、すげぇ!何だ今の技!?」


「昔ジャングルに放り込まれた時に会得した技だ。まあギフトの力あってこそだけどな」


「ギフト?」


「ああ、これが片付いたら教えてやるよ。とりあえず2階へ上がるぞ」


階段を駆け上がるが、複数の兵士達が追いかけてくる。


「しつけえなコイツら!仕方ない、俺がここで足止めする。お前はユナ達を探してくれ」


「だが、お前1人で・・・」


「大丈夫だ。俺は鉄壁タンクだぜ?軍の時はこの倍の人数を相手にしていたんだ。心配せずに早く行け!」


「わ、分かった。だが無理はするな。危なくなったら逃げろよ」


次々と階段を登ってくる衛兵達の相手をロズベルグに託し、俺は2階を目指す。

2階フロアへ出ると通路が一直線に続いており、左右に多数の扉が並んでいる。

かなりの部屋数のため、一部屋ずつ確認する時間など無い。


「リルティア様、ルカ!助けにきました!どこですか!?」


俺の呼びかけに反応してか、いくつかの部屋からメイド達が顔を出す。

その一人一人を確認するが、どれもリルティア様ではない。


「どれも違う。リルティア様はどこにいるんだ!?」


廊下を走り回りながら何度も大声で呼びかける。


すると通路最奥の部屋の扉から、見覚えのある少女がこちらを伺っている。


「君は確か・・・ロズベルグの幼なじみの?」


「はい、ヒューレッド村のユナと言います。あの、貴方が探しているのは、もしかしてこの子ではないでしょうか?」


部屋へ案内され、ベッドの上で気持ち良さそうに眠るリルティア様を見つける。


「リルティア様!ご無事で本当に良かった・・・」


おそらくルカの憑依が解け、深い眠りについているのだろう。

見たところ目立った外傷は無いようで、ひとまずはホッとする。


「君達も早くここから脱出した方がいい。俺の後ろを付いてきてくれ」


「えっと、貴方達は一体?」


「ああ、俺はこちらのご令嬢を救出に来た一介の執事です。あと、君の幼なじみもこの屋敷に来ているよ」


「え、ロズベルグが!?」


眠るリルティア様を背負い、村娘4人を引き連れ部屋を出る。

廊下は静謐で、追っ手の気配は無さそうだ。

ロズベルグが上手く足止めしてくれている証拠だ。


急ぎロズベルグの元へ向ったが、既にロズベルグの姿は無かった。

それどころか衛兵達の姿も1人残らず消えている。


「なんだこれは。ロズベルグはどこへ消えた」


不可思議に辺りを見渡すが、先程までうじゃうじゃいた衛兵達ですら姿もが見えない。


「どういう事だ・・・」


村娘達を従えて階下へ降りるが、2階同様に人の気配は無く、がらんとしている。


そのまま誰も居ない通路を進み、屋敷のエントランスに辿り着いたところでその理由が明確になる。


ロズベルグの破壊したエントランス前の中庭に、倒れて動かないロズベルグと、それを囲む複数の兵士達を見つける。


「ロズベルグ!!」


背負うリルティア様を村娘達に託し、超加速してロズベルグの元へ駆け寄る。


「ロズベルグから離れろ!」


周囲の兵士を剣で振り払う。

斬りかかってきた兵士を瞬殺すると、他の兵士達は警戒して皆後ろに下がった。


「しっかりしろ、ロズベルグ!」


満身創痍のロズベルグはかろうじて意識はあるものの、全身に無数の傷がある状態で、甲冑や大楯もボロボロになっている。


「あぁ、ナユタ。す、すまねえ、あの・・3人に負け・・ちまった」


ロズベルグが指を指し示す先には、ギルベルト皇太子が連れていた3人の若い男が立っていた。


「き、気にするな、俺の方こそすまん。お前1人にこんな役目を任せてしまった」


「気にするな、ところでユナ達は・・・無事に・・助けられたのか」


「ロズベルグ、大丈夫!?」


ロズベルグの元へ村娘のユナが駆け寄る。


「ユナ・・・無事で良かっ・・た」


「酷い怪我じゃない!?どうして・・どうしてみんなこんな酷いするの!?貴族だからって、こんな事が許されていい訳がないわ!」


ユナがボロボロのロズベルグを抱きかかえながら叫ぶ。


「ふん、平民風情が生意気な口をきくな。貴様らを生かしているのは儂ら貴族だ。故に我々に異を唱える貴様らはここで殺処分だ」


声のする方角には姿の見えなかった領主シモンの姿がある。

複数の衛兵達がシモンを取り囲むように護衛しん門を封鎖している。

また、その横には皇太子ギルベルトの姿もある。


「シモン!公爵家に盾つくつもりか。リルティア様に傷一つ付けてみろ。公爵家の全勢力をもってお前を潰す!」


最後の悪あがきで公爵家の名を使って牽制する。


「フハハ、お前とリルティアが王国のお尋ね者なのは、ギルベルト王子から聞いておる。すなわち、お前達をどう扱ってもお咎め無しということだ。むしろ褒美を貰えるかもな、フハハ」


くそ、俺達の事情もバレていたか。

ギルベルト王子め、余計なことを吹き込みやがむて。


しかしこの状況は最悪だ。

手負いのギルベルトに眠るリルティア様、それに村娘達を守りながら、あの門を突破出来るイメージが全く湧かない。


一体どうすれば・・・


打開策が浮かばずに困り果てているところに、ロズベルグを倒したという3人組が各々の武器を構えて近づいてきた。

俺達はなす術なくその場に固まり、3人の制裁を待つ事しか出来ずにいた。

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