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一流執事、出番なし

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聖教国ミラベルの王都リリアル


クロスタード家が支配する国、聖教国ミラベルの首都にして、国王ラング=クロスタードの拠点。


国家の中心都市であり、各領地にて生産された物資は、一度この都に集結してから各地域へ再分配される。

多くの商業区が存在し、都市の中心部分には多くの貴族が住まう。


都市の名前であるリリアルは、今から1500年程前に初代国王となったぜムド=クロスタードの妻、リリアル=クロスタードの名前から付けられた。


当然街並みは貴族文化を最大限まで施した造りになっており、貴族区と平民区でその豪華さはハッキリと別れている。



そしてこれは、ナユタとリルティアがマキノ宅で休養している間の王宮での一幕。



「リルティアとあの執事はまだ見つからんのか!」


国王ラングが配下達に対して怒号する。


「も、申し訳ございません!王宮周囲は蟻の通る隙間なく包囲しておりますので、まだ宮内にいるはずなのですが・・・」


「もしかして彼らに手ほどきをして逃がした裏切り者がいるのかしら?だとしたら既にあの子達は王都の外へ逃亡してそうね」


裏切り者の可能性を示唆する王妃エメルダ。


「ふん、こうなったらアイツらを呼び出すか」


ラング王のその一言に血相を変えて反発するエメルダ。


「お待ちください陛下。彼らを招集してしまうとあの二人どころか多数の死人が出ます。ここは私、エメルダに任せてください」


「ふむ。確かにまだ焦燥ではあるな。よかろう、そなたに任せよう」


妻の提案に賛成するラング王。

その王に一任された王妃エメルダが側近の兵士に指示を出す。


「皇太子ギルベルトと、三勇士を呼んで頂戴。彼らに追わせるわ」


エメルダの指示に従い、当人達を呼びに駆け出す兵士。

暫くしてギルベルト王子と三勇士が王の間に現れた。


「母上、私達に任務ですか!?無論、何でもお任せください!」


ギルベルトが意気揚々に登場する。

その後ろからゾロゾロと3名の貴族が姿を見せる。


「王妃様よ。俺を呼び出すってこたぁ、相当危ないヤマなんだな?」


短めの金髪を逆立て、鋭い目つきで睨むこの男の名はカンベル=フォレスト。

武器商人から成り上がったフォレスト家の一人息子で、腰には幅の広い長剣を携えている。


それから


「切り札であるこの私を呼び出してしまうとは、多くの犠牲が出ることをお覚悟の様ですね」


ぴったりと七三分けにした小綺麗な身なりのこの男の名はチャカ=ヨークス。

魔法研究を生業とするヨークス家の次男。

右手に辞典の様な魔法書を持っている。


続いて


「僕を呼び出すなんて王家の考えはおもしろいね。ま、総合的に考えても妥当かな」


長髪を後ろで縛り、ヘラヘラと笑いながら話すこの男の名はガイナ=シードルフ。

王国軍大将を務める名門シードルフ家の三男。

背中には大きな大弓を背負っている。


皇太子ギルベルトと彼ら3人は幼少期からの幼なじみで、その勇ましさから人は皆彼らの事を三勇士と呼ぶ。皆同い年で年齢は20歳。


皇太子ギルベルトと三勇士が国王夫妻の前に並ぶ。


「ギルベルト、それから三勇士達よ。貴方達には逃亡したリルティア=クロスタードとナユタ=クローゼの探索に向かってもらいます」


エメルダ王妃の命令を静かに聞く4人。


「奴らは既にこのリリアルから脱出した可能性があるわ。国内をしらみ潰しに探し、見つけ次第捕縛しなさい。場合によっては処分しても構わないわ。彼らは罪重き犯罪者、国に危機をもたらす不穏分子よ。必ずや始末しなさい」


その命令を受けて4人がそれぞれ口を開く。


「犯罪者の始末かよ、任せときな王妃様よ。俺の正義の剣のサビにしてやるよ」


「ふっ、私の魔法の前では塵も残らないでしょうがね」


「了解したよ王妃様。論理的に考えても、始末すべきなのかな」


カンベル、チャカ、ガイナが受諾する。


「母上、かしこまりました。私と三勇士とで、必ずや逆族共を始末してみせましょう!」


それを聞いた大剣のカンベルがギルベルトに向かって


「ハッ、王子様よ!俺の足を引っ張るなよ!」


続いて魔法のチャカが


「王子の身は私が守りますよ。安心してください」


弓のガイナは欠伸をしながら


「まぁ、統計的に見ても、僕が居れば余裕だよ」


好き勝手に話す彼らの顔には自信がみなぎっている。

その表情を見た王妃は彼らの姿に逞しさを覚える。


「ええ、頼んだわよ。貴方達に国の未来がかかっているわ。犯罪者共を必ずや始末しなさい!」


「ハッ!」


エメルダ王妃はそう告げると、ラング王と共に裏へ下がっていった。


取り残された4人は互いに目を合わせながら


「また俺達に任せられちまったな」


「そうですね。私達しかいませんからね」


「ま、相対的に考えても、僕達だよね」


「皆、この俺に力を貸してくれ。必ずや逆賊をこの手で倒そう!愛しきレジーナのためにも!」


『ファイトぉぉお、おう!!』


4人は互いに右手を合わせ、それぞれの顔を見ながら掛け声をあげた。


そして各自支度を整えた後、王都リリアルの国境付近に集合する。


「さぁて、まずはどこに向かうよ、王子様?」


カンベルの問いかけに対し皇太子ギルベルトが


「フッ、私に策がある。これだ!」


そう言ってギルベルトが披露したのは、四面のサイコロ。

それぞれにシルバーベレス、聖ヨスガ、バードランド、リリアルと領土の名が刻まれている。


「なっ!?そんなモノ、いつのまに?!」


驚く三勇士にギルベルトが自信満々に答える。


「こんな事もあろうと、昨夜から用意していたのさ。このサイコロはありったけの気持ちを込めて作った。だから信頼出来るはずだ」


真顔でサイコロを眺める三勇士達。

サイコロをつまむギルベルトの指が傷だらけなのに気付く。


「まいったな。王子がそこまで本気とは」


「感服ですね。さすが王子、頼りになる」


「絶対的に、王子は凄いね」


なぜか三勇士は感動し、皆揃って目頭を抑えている。


「さぁ、サイコロを振るぞ!何がでるかな!」


ギルベルトがサイコロを転がす。


「何がでるかな!?何が出るかな!?」


転がった果てに出た目は


「シルバーベレス!!」


何故かナユタとリルティアの居るシルバーベレス領を引き当てたのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い ギャグセンスとテンポも良く読みやすい
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