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79話 なんでもできる力

「すごいよさすが兄貴だ」


「大兄貴は俺たちを置いてどんどん強くなるんすから。あとで俺にも修行つけてくださいっす」


「コングラチュレーションだよぅ。ソンクーはさすが僕の盟友だよね」


「マスターすごいにゃーー」


「この世界に生まれた七人目の、わしらの仲間(同朋)をわしは心から歓迎する。さすがははじまりの勇者。さすがはアベル殿じゃ」


 部屋から出てきた俺を迎えたのは仲間たちの、俺をほめたたえるねぎらいの言葉だった。

 なんで中で起きたことを知ってるんだろう。

 猫の姿をしたニャハルが俺の肩に乗ると耳元でいう。


「マスター。サンにゃあ」


 サンだって? サンが眼鏡を指でくいと上げて言った。


「万が一のことを考えて中の映像を魔法で投影していたっす。ソンクウさんは、創造神が世界の命運をたくした、お人っすから。うちら天界の人間はソンクウさんを第一に守る義務があるっす、ちなみに神々よりもソンクウさんの優先度合いは上っす」


「あんまり嬉しくないけどね。まぁサンの言い分ももっともだし、俺は怒ってはいないよ」


 ほっとするサンに「よかったのぅ」と声をかけるアーガシア。

 サンとは会ったばかりなのに距離が近いね。

 まるで昔からの知り合いみたいだ。



 場所を変えて玉座の間にいる俺たち。

 アーガシアは異世界人の魂と交渉する。


「アベル殿の手で融合した魂が離れたおかげじゃ。わしの手で異世界人の望むようにしてしんぜよう。この世界でやり直すもよし、元の世界の戻るもよしじゃ。ぬしはなにを望む? く答えやぃ」


 異世界人の魂が強く発光する。


「そうか。帰還が望みじゃな」


「アーガシアいいよ。この子の帰還は俺にやらせてくれ。俺の魂に融合していた俺と縁がある子だからさ。俺の手で帰してあげたいよ」


「わかったのじゃ」


 俺はふよふよと浮かぶ魂を両手の間に入れて魔力を込める。

 やり方は簡単だ。

 召喚の300倍の魔力で異世界ニホンコクとムンドモンドの間のチャンネルを開き、異世界人の魂を帰すだけ。

 ドラグニルに流れ込むマナの量だと「いんど」の「あづちももやま時代 (日本基準)」とかいうのに帰すことになるが。

 そこは俺の返還魔力を増やすことで「にほん」の「げんだい」に帰すのだ。

 

 神越えの初仕事はうまくいった。

 異世界人は召喚される前の……肉体をもった時間へ帰る。


 俺は己の内から湧き上がる万能感と力がみなぎる充実感は、神越えなら全員が感じるものと思った。

「ソンクー」「マスター」「アベル殿」三人の神越えの心配する声で、この力は、はっきり危険だとわかる。

 力に飲まれないように自分を強く持たないといけないぜ。


 俺が「大丈夫さ」と言うと、ミラルカとニャハルとアーガシアの顔はぱあっと明るくなる。





 午後から俺たちはドラグニルを自由行動する。

 サンはドラグニルの一番高い建物から七勇者の居場所を探すそうだ。

 オウ次郎はメシ屋に行った(ちなみに昼食は食べてる)。

 ヒトはミラルカと出かけていく。


 俺はと言うと。


「もっといい飛竜ワイバーンはないの」


「そうじゃ。隠してる飛竜があればすべて出せ」


 なぜかついてきたアーガシアと一緒に買い物をしている。

 神越えの俺は空を飛ぶのに慣れていないので対策で飛竜を買いに来た。

 生前もエワード王国で自分専用の飛竜をかっていたので懐かしい。


「アーガシア様と、ご友人様の前で嘘はつきませんよ。うちにある最高の飛竜がこいつです」


 店主が指さすカタログを見る。

 確かにいい竜だけど今の俺が身を預ける竜じゃない。

 アーガシアが「すまぬのぅ」と謝る。


 アーガシアの説明によるとドラグニルは飛竜や騎竜の産出国だが、最近いい竜は売れてしまったそうだ。

 エワード王国が買い占めたらしい。

 あの国はいつも俺の邪魔をするね。


 そのときアーガシアが「いい竜がいたのを忘れておったのじゃ」と発言する。

 そんなアーガシアを見る俺とニャハルの瞳に、アーガシアのいたずらを思いついたような笑みが映る。

飛竜はいつでも呼べる使い魔にして使役する冒険者が多く。ムンドモンドでポピュラーな存在です。

ただ竜は馬より乗りこなすのが難しいので、千年後は竜騎兵という専門職ができるくらい乗る冒険者は少なくなりました 


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