59話 【ななつのくに】の三番目結晶国カラットと最初の加盟国グォウライ
またたまったら報告しますね(^^)
戦後処理は続く。俺は求めてはいないが母さん……魔王センセキとカロット王は、責任をとるという名目で引退した。
何のことはない母さんとカロットは冒険者に戻って、責任のない自由な生活に戻りたかっただけなのだ。
俺の想像と思うなかれ。
なぜならカロット(おっさん)は引退するといった直後に「やったーー俺は自由に戻れたぞぉ――」と、両手を空へ突き出し高らかに宣言したからだ。
母さんもカロットに「お疲れ様」と気の抜けた表情で言っている。
ベアンのクエストで140年ジクリコウを抑えるために国まで作ったのだ、ようやく解き放たれたといった感じで。
ゴホンお疲れさまでした……。
あと二つの国の後任なんだけれど、結晶国カラットは新魔王アメシスが治める。
これは先代センセキからの指名で決まった。
レベルを大きくあけられている九魔王将からの反対意見はもちろんなくて、決まるべくしてという感じだった。
それでなくても、育ての親であるセンセキに意見する不忠者はセンセキの魔王将にはいないんだけどね。
それからグォウライは加盟国の形でななつのくにの参加となる。カロットが引退した後の新王はなんとニャハルだ。
それというのも建前では加盟国というグォウライは、トウ・ダーラがそのすべてを接収するからでカロットは
「俺がつくった国だからアベルちゃんの好きにしてくれていいぜ。次の王をだれにするかも任せるし、次王の補佐は残りたいって希望する家臣団に言い含めておくからさ」
なんともいい加減なものである、まぁおかげで俺は広大な土地と城一つを手にいれたことになるんだが。
もちろんアンダルシアと母さんから聞いたカロットの直感(ようは天運)で、カロットはこの方法が一番いい未来を引き寄せると感じたんだろうけどさ。
そのあとにカロットはアメシス達のところへ行って「俺は今日から王様のお役御免だからな。これからは何時も、お前たちといられるぞ」なんて言う。
センセキの十魔王将はみんなカロットに飛びつきながら「本当に? カロット様」「うれしーー」と外見にあわない。
まるで子供のようなはしゃぎようを見せるのだ。
会談を始める前――つまり宴の場で母さんから十魔王将は孤児だったって聞いたな。
なんでもカロットがごみ箱をあさる彼らを見つけて保護したとか。
母さんはぼやきながらも受け入れて、二人で……正確に言うとカカマウント父さん含む三人でゴブリン村で十魔王将たちを鍛えたと言ってた。
十魔王将にとってトウシンとカロットは親の存在なんだな。……てことは俺にとっては兄弟分になるのか。いやいや考えすぎだよね。
俺は一人でうんと心でうなずき納得した。
おっと
話をもどして俺はグォウライの新王にニャハルを指名する。
理由は彼女と俺の間に魂のつながりがあるため(マスターと使い魔)ニャハルは俺を絶対に裏切れないからだ。
まぁ主従の関係がなくても、ニャハルはアベルを裏切らないんだけど。俺とニャハルはそう言い切れる絆をはぐくんでいる……んだからニャハルほおずりはいいかげんやめなさい。
「ん~にゃっ。マスターの命令だから王にはなるけど、ニャアは自由にするぞぉ。マスターのそばから離れるなんてごんごどーだんにゃ。下に優秀な家臣団がいるなら国営はそいつらに任せてニャアはマスターといっしょにいるにゃあ」
なるほど【君臨すれども統治せず】俺がそのままトウ・ダーラを収めてるやり方をもってきたわけだ。アベルの使い魔は成長してるんだね。
ふいにアンダルシアが言うセリフは俺もその通りだと痛感した
「我が君にそっくりですね」
ニャハルに負けじと俺の腕をとるアンダルシア。
両方に引っ張られる形でグイグイと体を揺さぶられる中、俺は今回の戦果を思う。
トウ・ダーラを含めた【ななつのくに】
同盟国ー1トウ・ダーラ
2魔族本国イフマナス
3結晶国カラット
加盟国ー1グォウライ
こうなったわけだな。戦後処理も終わったし宴の続きをしよっと、俺はアンダルシアの手を引いてあるきだした
ななつのくには同盟の主要国は七つですが、加盟国はこれからもっと増えていきます。そのなかには人間種に蹂躙される魔族の国だったり。戦争で禁忌指定兵器を使ったことが原因で、落ちぶれてしまった国だったりです
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