57話 後処理 1
ここから書き方を少し変えました。勉強の結果が出てればうれしいです
大会はトウ・ダーラの勝利で終わり、俺の城で勝利の宴が行われている。負けたグォウライ国の者達も加わって宴はにぎわっていた。
まぁグォウライは俺にとって親戚のような国だから、もめることないよねというのが正直な感想だ。
その宴を後にして国の代表である俺とアンダルシア、トウシン (魔王センセキ)とカロット、ついでに俺の護衛という名目でベアンとなぜかサンはバルコニーで今回の戦後処理の話し合いをしていた。
「まずは乾杯といこうや。今回の戦争はトウ・ダーラ国の勝利だ、おめでとう魔王タイセイ殿 (ソンクウの魔王名)」
そう言いながら、わざわざ自国から取り寄せた高級ワインをカロットは惜しげもなくグラスに注ぐ。俺とアンダルシア、トウシンとカロットのグラスの中のワインの芳醇な香りが鼻まで届いた。四人はグラスをもつとお互いにグラスをぶつけグラスを自分の口へ持っていく。
うまい――が、なんじゃこりゃ! 俺のグラスだけジュースにされてるぞ。この魔力の感じはルーの仕業だな。
ルーは俺を見て微笑んでた。
子ども扱いするなよぉと思うも悲しいかな、今の俺の体は10歳のこどもで言い訳できないのが事実だ。
肘をついた母さんは手の指を組むとまっすぐに俺を見ながら聞いてきた。
「あんたの事だ。おいら達がなぜ戦争を仕掛けたのか見抜いてるんだろう。はじまりは、カカマウントからの連絡だった。ソンクウがソンクウじゃなくなったって……カカのやつはおいらにそう言ったよ」
俺をあんたと呼ぶ母さんの声色は、自分の子供に向けるものじゃなかった。
母さんはソンクウの体に別人が入り込んでいると思っているようで、悲しいぜ。
俺は10歳で前世の記憶つまりアベルだったことを思い出したけど……。
ソンクウとして、二人の子供として過ごした記憶も持っているんだ。その母さんの言い方はすごくこたえるなぁ。
「あんたが邪悪な存在じゃないのはわかる。体がいるならおいらの体をやる、だからその体はソンクウに返してくれ」
母さんの表情は子を思う親のものだった当然か。でも俺がソンクウだよ。アベルであると同時にソンクウでもある。
ソンクウは目を閉じて深呼吸した後ゆっくりと目を開く。いつの間にか俺の手に暖かなぬくもりが重なっていた。
アンダルシア手を握ってくれてありがとう。きみがいるから俺は、無茶ができるし後ろを気にせずに進んでいけると思う、そしてレベル以上の力が出せるんだ。
ビビらずに父さんと母さんに話そうこの人に知ってもらおう、アベルが転生して七勇者としてこれから世界で何をしなければいけないかを――
ソンクウは自分の正体と魔神の存在。それから七勇者を集めて戦力を増強しなければいけない現状を語った。
最初は疑いの色を見せていたトウシン他二名だったが途中俺の説明を補完してくれたサンの言もあって最後は信用してくれた。
カロット王は俺の正体がアベルと知ったときは素直に驚いていたし「まじか、あの……」と漏らしていた。
俺は今の時代に勇者は数多く輩出されているんだからそこまで驚かなくともと思った。
カロットがおどろくアベルはこの世界では完全な偉人です。ただそんなアベルに匹敵する(一地方のみですけどね)勇者もいました『大勇者』の二つ名でよばれた男です。七勇者で出てくるかもしれません