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50話 三試合目

 三試合目も2対2らしい。さて誰を出すか。グォウライ国はガネットとアヤナだ。


 小さい少女の姿の魔族で白いおかっぱがアヤナで、黒いおかっぱがガネットだな。


 おそらく姉妹だろう。見た目がそっくりだし、しゃべり方もさっきから同じ「~~じゃ。~~のう」と古風なしゃべり方をしている。正直に言うと、色で見分けるくらいしか判別がつかないぞ。



 こちらは二人が名乗りを上げる。



「久しぶりの戦闘です。私のいいとこをアベルに見せないといけませんね」


 助っ人から一人でた。俺のパーティーだったルーヴァンだ。もう一人は、


 

「王不在の中でも研鑽は積みましたからね、出させていただきましょう」


 獣頭の魔王将ベアンだ。二人がゆるりと舞台に上がる。



「三試合目はじめ」


 マーチドッグの掛け声で試合が始まった。いけるな、ルーは空中に陣取り様子をうかがっている。



 だから闘っているのはベアンとガネット、アヤナの三人だけなんだがベアンの実力は2対1でも圧倒しているのだ。



「どうなっとる。トウ・ダーラは、どいつもこいつも出鱈目に強いではないか」

「泣き言を言うなアヤナ、センセキ様が見とるんじゃぞぅ。負けてみろ、鍛練メニューを増やされてしまうぞ」



「うわーん、そんなのいやじゃーーーー」



 戦うアヤナとガネットに仲間から念話が届く。励ましかそれともベアン攻略のためのアドバイスなのか━━━。



「「だまれぃ亡者ども!! わしは負けぬのじゃ」」



 どれでもなかった。負けたフローラ、スフェーン、ボルダーオは鍛練メニューを増やされていて、アヤナとガネットに念話で〈おいで……おいで〉そして敗者側こっちに来いと語りかけていたのだった。



「まぁこれくらいで心が乱されるようなら修行不足もいいとこだぜ。やっぱりアメシス以外はだめそうだな」


 舞台上の4人のレベル差を見てとったセンセキは、一人そうつぶやくのだった。




 俺はベアンに念話をとばす。ベアンの実力はわかったから、これ以上はいいという内容でだ。



「はっ、かしこまりました」


 ベアンはそう言うと、舞台端で剣を地に突いて動かなくなった。



「交代です」


 同時に動く影がいる。空中でベアンたちの戦いを見ていたルーヴァンだ。


 見た目から魔法使いということもあって、ガネットとアヤナは魔法使い用のセオリー通りの戦いをするだろう。



「おい、わかっておるじゃろうなガネット」

「当たり前じゃ。魔法使いなぞ魔力が切れれば赤子同然じゃからのう。

 魔力切れ狙いでいくぞ。魔法使いをやっつけた後は、あの獣人の魔王将じゃ。次は本氣でいく」



 うーん……ガネットたちの狙いは悪くないんだけどなぁ。俺の表情に気づいたオウ次郎とガウが聞いてくる。



「ルーヴァンさんとベアンさんを一緒にたたかわせないと、魔力が切れたら撃破されちゃうよ。いいの兄貴?」

「ルーヴァン殿は先ほどから高威力の魔法で弾幕を張ってます。ガネットとアヤナは、動けませんけど弾幕が切れればやられてしまいます」


 まぁそうだ。普通ならそうなんだ。ネタをしってるオージをみるが彼も苦笑いだった。



 ルーヴァンにはセオリーの魔力切れがないのだ。


 例えばだけど俺は魔法を自分の半径100メートル以内なら、どこからでも撃てるという魔法特質をもつ。


 この特質は個人により異なり、ルーはマナから吸収することで魔力を自動回復するという魔法特質があるのだ。


 マナは世界に満ちる魔力でなくなることがない。


 要するにルーは、常時魔力が回復するので、どんなに魔法を使おうと、魔力切れを起こさないんだなぁ、きたない。魔法使い実にきたない。


〈聞こえてますよアベル、何がきたないですか。魔法特質も才能ある者が努力することで手にいれるものです。正統の対価で手にしたのですから、きたないなどと言われるのは心外ですよ〉



「「なっ、なぜ魔力切れを起こさぬぅうう」」


 最後は大魔法でガネットとアヤナを吹き飛ばしたルーヴァンは「どんなもんです」と俺にドヤ顔してくるのだった。


「あの、降ろしてもらえます?」ルーの魔法で空中に避難していたベアンのつぶやきが、ルーに聞こえたかはわからない。

魔法特質は個人で異なりますし、人によっては発言しません。ルーの言うように才能ある者が、猛努力することで手にできるものなんですね

切り札になるので誰にも得す津を明かさない者もいますけど。ルーとアベルはお互いの特質を知っています。

余裕ではなく信頼してるからなんですね

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