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49話 二試合目

 サングラスをかけたスキンヘッドの男、マーチドッグがマイクで両陣営に呼びかける。



「制限時間内に両陣営は、次の選手を舞台へ出してください。なお次の試合は2対2のコンビ戦とします。のこり10秒……」


 次の瞬間4つの影が跳躍し同時に舞台へ躍り出る。グォウライ国からはフローラとスフェーン。対する俺たちの代表選手は━━━。



「にゃふふん。しんうちとーじょーにゃっ」

「任せておけ。敵は強大! センセキの魔王将。しかし我とニャハル殿が力を合わせれば弱者にすぎぬわ!!」


 お調子者コンビもとい、ニャハルとケシ太郎である。


 まぁ俺が毎日鍛えてるから負けることはないだろう。と、いうより二人とも負けたらメニューを増やすからそのつもりでね。


 俺の念話を聞いたニャハルは「ニャアに勝てる奴は限られてるのにゃニャアはセーフにゃ」と胸をなでおろし、ケシ太郎は「女神様と濃密な時間 (稽古)を過ごすことは我が喜び」と熱い視線を俺に向けてきた。


 氣持ち悪いのでガウの後ろに隠れる俺。



「二回戦はじめ」


 マーチドッグの声と同時に両コンビは前に出て距離を詰める。


 目の前に迫る顔めがけて剣を振るが、そのケシ太郎の剣をよこから掴んで無効化するのは無口なスフェーンだ。



「いいぞスフェーン! もらったぜデカブツ」


 フローラはスフェーンのアシストに合わせて、魔力をこめた拳をケシ太郎に突き出すが……。


 ぶんと空を切る。フローラの目の前にいるケシ太郎がいないのだ。いや後ろに瞬間移動している? 



「にゃっにゃ。今のは危なかったからにゃ。二人の位置を入れ替えたにゃあ」


 手をたたいたニャハルはそう、何でもないようにネタばらしをする。


 向こうも戦闘経験が豊富なだけはあるな。ニャハルの強さに氣づいたらしい。



 顔つきが変わったスフェーンとフローラはお互いに、「ただのねこ獣人じゃないぞ油断するなよ」と注意しあっていた。





「くっそ、はなせ変態」

「誤解を生むようなことを言うでないわ」


 フローラの足をつかんだケシ太郎は力任せに、ジャイアントスイングでぶん回す。


 回されてるフローラも最初こそ強氣に言い返していたが途中から「あぁああああああああああああ」しか言わなくなっていた。


 その後、場外へ盛大にリリースされて彼女の敗退が決まったのだった。


 盛り上がる観客に両腕を突き出して盛大に答えるケシ太郎。


 うん強くなっているね、でも俺に投げキッスしてくるのはいただけないな、あとで注意しておこう。



「一抜けである。お続きあれ」

「とーぜんにゃ」


 残されたスフェーンは思う。


 フローラに勝ったデカブツは舞台端で腕を組んで動かなくなった。それと奴らの言動……。


 これらのことを踏まえると二人がかりで闘う気はないらしい。


 随分とセンセキの十魔王将(俺達)をなめた奴らだ!!


 いいだろう。その慢心が貴様らの負けにつながるのだと、敗北してから後悔するがいい。


 スフェーンは決意を新たにし、そして━━━。



「スフェーン選手の場外によりこの勝負、ニャハル、ケシ太郎選手の勝利ーーー!!」


 スフェーンはしばらく心身を消失して抜け殻のようになっていた。



 グォウライ国陣営に運び込まれたスフェーンがフローラの呼びかけで正気を取り戻した時、まっさきに聞いたのは【スフェーン(俺)は生きているのか?】と自分の生存だった。



「おかえりなさい、二人ともさすがだね。でもさ、あの男の人なんか後ずさって自分から場外に出たけど、ニャハルさん何かしたの?」

「ばか猫が加減間違えたんじゃないの~」


「ニャアはちゃんと手加減したにゃ。海よりも高く山よりも深くにゃ~。

 殺氣を見せて場外に出しただけにゃのに~」


 オウ次郎からの疑問に、ちゃかすミラルカ。ほんとニャハルにだけは容赦ないね。


 加減されたとはいえ神越えの向ける殺意だ。スフェーンとやらも生きた心地はしなかっただろう。


 それとニャハル……海よりも深く山よりも高くだろ? でないと加減になっていないよ。



 ともあれこれで二勝目。次もいただくぜ。

スフェーンはニャハルの威嚇(殺気)で本来なら死んでいます。神越えはそれくらい雲の上の存在です

しかしアベルから学習しているニャハルの成長によって気絶で済んでいる。ニャハルは成長してるんですよ

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