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40話 魔神の動きと次の目的地

 ここはトウ・ダーラの俺の城だ。

 アンダルシアは自分のドッペルに、俺はオウに今回の成果を報告していた。


「おかえり兄貴。国民全員のレベルが大きく上がったよ、兄貴は鍛冶師つれかえったみたいだね。

 あの鍛冶王を連れてくるなんて兄貴はすごいや」

「ありがとう。オウだってすごいよ。思った以上に兵士と民のレベルが上がってるのを見たからね。向こうもやってるね」


 かつてのパーティーの再会が行われていた。

 もちろんミコットとオーリンジである。

 これで俺の二つ目のパーティーの三人がそろったことになるのか。



「オージ! なんだよ、あんたまで魔物なのかい」


 オーリンジに飛びついたミコットは笑顔だが、その目には涙が浮かんでいた。



「ミコットははは、お前は変わらないな。そうか人間種以外には千年なんて寿命がつきる時間じゃないもんな」


 ミコットを抱きしめてぐるぐる回るオーリンジの姿は、はっきり言って父と娘にしか見えない。

 何も知らない人間がみれば親子と錯覚しただろう。

 だが生死を共に潜り抜けたかけがえのない仲間なのだ。


 このオーリンジをリーダーにしたパーティーの人間種は三人。

 俺 (アベル)ダンベルマン (ヴォルデウスの偽名)オーリンジで、人間種の寿命は200年しかないから、この再開はあり得ない奇跡なのがわかる。

 ミコット、ジョフレ、アンサリーの三人は亜人種で、どの種族も人間種にくらべると長命だ。


 何が言いたいかというと、ヴォルデウスは寿命の関係で無理だけどジョフレとアンサリーは俺の国に呼び込むつもりだ。

 このことは事前にミコットもオーリンジも了解済みで。

 話せばジョフレとアンサリーも納得してくれるだろうね。

 当然、今の立場を優先して断られてもかまわない。

 そのときは俺たちが二人のもとへ遊びに行けばいいだけだ。


 俺をバックアップする仲間たちの誓いをアテにするつもりはないからな。

……ふたりって今どこにいるんだっけ?

 俺の独り言を耳ざとく聞いたミコットが教えてくれた。

 オージに抱かれたままの姿は、かっこ悪いとしか言えないが。



「アンサリーはギルドに行けばあえるぜ。千年の間に、魔法学院で優秀な成績を収めたアンサリーは卒業した後、冒険者になって有名だから」


 ほいっと降ろしてもらったミコットは続ける。



「ジョフレのバカタレは森に引きこもってるよ。その情報も800年前だからな。あとのことは知らねー。ミコとジョフレの相性が悪いのは、お前らなら知ってるだろ」


 そうなのだ。いい加減仲良くしろよと、ギルドで受けた依頼を二人に任せたことがあった。


 ミコットとジョフレは、5分でお互いの頬をつねりながらギルドに戻ってきたのだ。

 結局ヴォルデウスが間に入ってクエスト達成となった。

 仲間の誰かひとりでもいれば問題はないが、二人だけになると破綻する。


 それがミコットとジョフレなんだと俺たちは認識した。


 千年たってもまだ仲が悪いのは、ある意味凄いと感心するアベルだった。



「アベルさーん、ちょうどよかったっす。聞いてくださーい」


 天界から戻ったサンによれば使者が、半数殺されていたのがわかった。


 サン達天人は肉体が滅びても30年すれば、その肉体が再生する半不死の種族である。

 肉体がないと下界に降りてこれないので、実質残りの使者は5人だけらしい。



 そこで使者の数をこれ以上へらさないようパーティーを組んでるサンのみを、下界に派遣することに決まったんだとか。

 事情をきくと使者は、魔神を封じた創造神の封印が破られてもなおせるらしく。


 神々は七勇者捜索よりも、封印に重きを置いてるということだね。


 それと俺たちの敵、魔神側について暗躍しているやつらがいることもわかった。

 なぜなら肉体を破壊された使者たちは、攻撃を受けたと言っていたからだ。


 残念なことに不意を突かれて、顔はわからなかったみたいだが。



「サン殿のように使者たちにパーティーは組ませられないんですか?」

「……うちの最初を思い出してください。天人は下界人を下等とみてるっす、そんな奴がパーティー組むはずがねーっす」


 質問したアンダルシアと回答を聞いた俺、ベアン、ケシ太郎はなるほどとうなずいた。


 そこは世界の命運がかかってるんだからさぁ、我慢しろよと言いたいけど、飲み込むことにする。


 さらにサンからの報告でわかったことだが、ジャミングの件は大権の大まかな力を注いでるらしく、破ることができなかったらしい。

 この広い世界を自分の足で探さないといけないわけか。


 そうそう七勇者の情報収集はギルドで出し続けてるが、文字化けして読めなくされていた。

 ここも魔神のジャミングによるものだろう。

 いろいろとやってくれるぜ。

 それはそれとして――





「みんな準備はいいかい?」

「もちろんです我が君」


「にゃあ。(フンスフンス)」

「久々の冒険だな腕がなるぜ!!」


「僕も頑張るからね。えいえいおー」



 今回のパーティーはアンダルシア、ニャハル、ミコット、そしてミラルカである。


 どうして今回のパーティーになったのかというと……。


 俺は同盟国を増やして、同盟国間を転移できるゲートをつくるつもりなのだ。

 そのための仲間をスカウトしに行く。

 そう俺の最初のパーティーの魔法使いルーヴァンだ。

 

 話を戻してミコットはうちの製造業の最高責任者だが、一番弟子のエルフに製錬場を任せてついてくるそうだ。


「任せることで弟子の成長につながるし、アップルについていけるしで、一石二鳥だろ」と言っていた。

 そうか? と思ったけどミコットには内緒だ。

 ミラルカはヒトのやつが魔族本国に長く滞在するのを伝言しに来たんだけど。



「おもしろそー、僕も行く」ということでついてくるようになった。

 


 さあいくか━━━俺たちの行き先は、ルーヴァンがつくった魔法学園だ。

魔神は創造神含む神々よりアベル一人を警戒しています。執拗にアベルを攻撃するのは本能で勝てないと恐れているからかもしれません

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